朝5時半に目覚めて小腹が減って、さてどうしよう。こんな時間にやってると言ったらコンビニか松屋か……。あ。
学芸大学駅、祐天寺駅から徒歩10分。中央中通りと油面通りが交差するところにある豆腐屋・関商店。豆腐屋は朝が早いですからね。この時間ならもうやってるだろうと踏んで行ってみたらやっていました。着いたのは朝6時くらいだったかな。
「おはようございます」
「いらっしゃいませ」
豆腐作りはもうすでに終わっていました。お父さん、お母さん、息子さんは片付けをしてらっしゃいます。ショーケースを見ながら注文します。
「絹とー」
「絹ごしですね」
「あと……あ、豆乳ゼリー」
「豆乳ゼリーひとつ」
「うーん、もうひとつくらい……。がんもあります?」
「まだ揚がってないんですよ。ああ、小さいのなら」
「じゃあそれで」
息子さんが包んでくれている間、奥のお父さんと話をします。
「こちらはどれくらいになるんですか?」
「戦前から」
「てことは70年、いや80……」
「80年。息子で3代目」
「こういうお豆腐屋さんって随分と少なくなりましたよねぇ」
「私が始めたのは51年。当時、目黒区には50軒ほどあったんですよ。でも、今では10軒くらいですねぇ」
「そうなんですか。すみませんお忙しいところ。ありがとうございました」
「ありがとうございましたー」
お手すきのときは、お母さんはご近所の奥様たちとよく話してらっしゃいます。とても気さくなご家族です。
さて、家に戻りさっそく頂くことに。
小さいがんも、絹ごし豆腐、豆乳ゼリー(黒蜜付)。絹ごし豆腐には「日本大豆使用」と書かれています。日本大豆という品種があるのかな? 国産大豆ってこと? 今度聞いてみるか。いずれにせよ、個人経営の豆腐屋でも外国産を使っていることのほうが多いですから、関商店は原材料にこだわってるんでしょうね。
とりあえずがんもを炊きますか。ダシとお酒と醤油少々でコトコトと炊きます。その間にまずは豆乳ゼリーを。
プルンと震える豆乳ゼリー。スプーンを刺してみたら、感触は豆腐とほとんど変わりません。食べてみても、食感だけなら「豆腐」と言われてもわからないほど。ツルンとしていて滑らか。
豆腐と違うのは味。濃厚な豆乳の味わいです。そして強く甘みが出ています。これは豆乳だけの甘みなのか? 何かを加えているのかもしれませんが、いずれにせよ、とてもおいしいです。2/3ほど食べた時に黒蜜を加えたのですが、これは失敗。絶対にそのままのほうがいい。黒蜜をかけてしまうと、黒蜜の味しかしません。もし購入したら、ぜひ、そのままで。
続いて絹ごし豆腐。半丁だけ食べてみます。シンプルにカツオ節&醤油のみ。うん、こちらも濃厚です。しっかりとした詰まり具合ですがとても滑らか。ふくよかな大豆の風味がします。おいしいなぁ。
さて、がんももそろそろいいかな。しっかりと味を浸みさせてもいいんだけど、今回はあっさり目でいってみよう。
何が入ってるのかな。黒ゴマと細かく刻まれた昆布と人参と……。それほど多くは混ざっていません。そして味付けもほとんどしていないようです。とてもシンプルながんも。少し薄めに仕上がったのですが、それでも十分おいしいです。
濃い目がよければ、もっと濃いめのダシで炊くか、他のタネと一緒におでんのように炊くか、あるいは最後に餡か何かで閉じても面白いかもしれません。
あ。しまった。ついつい……。全部食べちゃったw
どれも風味豊かなおいしい豆腐(豆乳)でした。機会がありましたらぜひ一度。たまにはこういう専門店で買うってのもいいものです。
そういえば、駒沢通り方面、水道局近くのお花屋さんも関商店なんだよなぁ。偶然かw
2016.10.24追記:偶然でしたw 関係ないようです。と、花屋のほうの関商店の関係者が言ってました。詳細はこちらの記事の後半部分をどうぞ。
きこり食堂の豚肉じゅうじゅう焼定食は祐天寺の誇り。祐天寺住人が胸を張って自慢する逸品に感動しました/花屋と豆腐屋。祐天寺のふたつの関商店の謎が解けた
SHOP DATA
- 関商店
- 東京都目黒区中町1-35-10
- 03-3713-4927
- 公式