学芸大学駅から徒歩2分。東口商店街沿いにBAKERY CAFE ANTENDO(アンテンドゥ) 学芸大学店というカフェ併設のパン屋さんがあります。2017年6月21日にオープンしました。
ANTENDO(アンテンドゥ)は東京都を中心に神奈川県、埼玉県に26店舗あります(別途、シェフズプレスという別ブランドも3店舗あり。2019年10月時点)。1985年創業ですから、なかなかの歴史です。
清潔感のあるきれいな店内にはパンがいっぱい。
先述の通り、カフェも併設されているので、イートインもできます。
バゲットを目当てにやって来たのですが、学大フランスパンに目が留まります。
お食事のおともに
乳酸菌と酵母で小麦とライ麦からとったルヴァン種を使用。ルヴァン種の薫り高い風味をお楽しみ頂けます。食べきりサイズのミニタイプ。
ルヴァン種は発酵種のひとつで、このあたりのことも興味がそそられるのですが、それよりも"学大"フランスパンです。おいしそうだったカレーパン・モーモービーフカレー、AOPバターのクロワッサンとともにレジへ持って行き、会計時に聞いてみました。
「他の街でも同じものが、なんとかフランスパンと呼ばれて売られてたりするんですか?」
「いえ、これはここだけです」
「なぜ学芸大学だけなんですかね?」
「土地柄を見て判断しているんじゃないでしょうか」
酷な質問だよね。けど、わからないなりに懸命に答えてもらえました。ありがとねw
帰って調べてみたところ、確かに○○フランスパンという商品は他店舗になさそうでした。ルヴァン種のフランスパンという商品はあるのですが。
じゃあ、各店舗にそれぞれオリジナル商品があって、学芸大学店の場合はたまたまフランスパンだった、という可能性は? まあ、なくはないか。実情はわかりませんが、とにかく、学大にしかない学大フランスパン。これは楽しみです。
学大フランスパン(213円)、モーモービーフカレー(232円)、AOPバターのクロワッサン(195円)。チェーン系ベーカリーとしてはほんの少し、1割程度?高めな印象。サンジェルマン的価格帯のように感じます。
AOPバターのクロワッサンは皮の香ばしさ、サクッと感が際立っています。甘味はあるのですが、変に甘さを出そうとはしていません。色合い、見た目も少し変わってていいですよね。
モーモービーフカレーはビーフの甘味・コクがありつつもスパイシー。濃厚でリッチな味わい。いやあビックリ。もっと"普通に"作ろうと思えば作れるはず。けど、チェーン店でここまでパンチを出しますか。やりますなぁ。どちらもチェーン店とは思えないクオリティです。別にチェーンを侮っているわけではないのですが。
最後に学大フランスパン。それなりに酸味があるのかなぁと想像していたのですが、酸味はまったくと言っていいほどありません。皮は適度に香ばしく、フワッとした身は穏やかな小麦の甘味。
バタール、バゲットもあるのですが、これは「フランスパン」と銘打っています。食べてみてその意味がよくわかりました。本格的なバゲットほどパリッとはしていません。身もしっとり。どちらかというと昔ながらの日本式フランスパンです。
ただ、食感や味わいはそこらのフランスパンよりも断然上です。ほんのちょっぴり本格志向を忍ばせた、上質で洗練されたフランスパン。
最初はチキンソテーのレモンソース添えに合わせたのですが、残りを適当サンドウィッチに。トーストしたのですが、これまたビックリ。トーストすると皮のパリッと感が増して、身もサクッ。めっちゃうまい。超うまい。
この学大フランスパンを買う機会がありましたら、ぜひぜひトーストして下さい。これはよいですよ。
食べたのは3種だけなのですが、店内を見まわしてみて感じたことがあります。定番がありつつも、他にはあまりないようなオリジナル商品もたくさんあります。これ自体はどこでもそうだと思います。けど、ANTENDO(アンテンドゥ)の場合は、そのオリジナルが少し尖ってる。
他はオリジナルを作るにせよ、チェーンですから、安心感や万人ウケを第一に考えるはず。一方、ANTENDO(アンテンドゥ)はほんの少し外す。安心感よりも驚きや発見を優先しているように見えるのです。ここがANTENDO(アンテンドゥ)の特徴なのかも? パッと見の印象でしかないのですが。クロワッサン、カレーパンという定番ものにも、隠し味程度の驚きが練り込まれていたしなぁ。
最近のチェーン系ベーカリーはすごいですね。(値段に比して)クオリティがとても高い。まだANTENDO(アンテンドゥ)のパンを食べたことがないという方、一度試してみてはいかがでしょうか。