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鮮魚店・大野商店(駒沢大学)で買った魚介で海鮮丼を作り、無謀にも寿司を握ってみた~プロが選んだ旬ものを自分で調理する贅沢

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駒沢大学駅から徒歩7分。国道246号と駒沢公園通りが交わる駒沢交差点に大野商店という鮮魚店があります。

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八百屋・遠慶(えんけい)が目立つのですが、その脇をよーく見ますと……。

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まるで市場のような大野商店。いいなぁ、こういうの。

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当店は天然の魚のみ販売

自家製の紐のはとりたての魚を天日干ししているので"格別に旨い"

冷凍品は見本

天然えび カジキ等 冷凍ものは在庫が豊富にあります

ポップの強めの主張に職人気質がうかがえます。さて、どれにしましょうかね。

「お兄さん、見てるの?」

「ええ、頂こうかと思ってるんですけど、どれもおいしそうで」

「そうかい。まあ、ゆっくり見なよ。魚は逃げねぇからさ」

『後世に残したい昭和のセリフ』という書籍を作るなら、この言い回しは絶対に入れるべきだなw あと、会計時の「300万円ね~」もね。

とりあえず地タコは買おう。タコが好きだし、うまそうだし。あともうひとつは……。

「何がおすすめですか?」

ここで「おすすめなんてねーよ。どれもうまいんだから」と返ってきたら、昭和的に正解。

「かわはぎがいいよ。あと、コハダ。正月用に漬けたんだけどさ。余ったら冷凍しといて、使う分だけ解凍すれば大丈夫」

優しく教えてくれましたw

「じゃあ、地ダコとコハダを」

「1250円ね」

「こちらは長いんですか?」

「50年くらい。最初はあっちで、そのあと、下馬に移って、そっち行って、ここにね」

指を指しますが、どこだかよくわかりませんw まあ、どこでもいいっちゃあいいんですが。

「随分、長いですねぇ。ありがとうございました」

「また寄ってね」

ぶっきらぼうですが、親切なお父さん。こういうコミュニケーションが取れるのも専門店のよさ。いいお店だったなぁ。

大野商店を横に出て、そのまま八百屋・遠慶へ。大葉とカイワレを買いました。ふたつで100円ほど。激安。タコとコハダだけでは少し寂しいので、スーパーで刺身3点盛りも購入。

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帰るとご飯が炊きあがっていました。タコとコハダを薄く切って海鮮丼を作ります。

大野商店で買ったコノシロと地ダコで海鮮丼

ドーン! 素人の適当な盛り! センスゼロ!w 真ん中のガリは自分でショウガを漬けました。

まずはコハダだけをパクッ。いやぁ、肉厚で締まり具合が酸っぱすぎずうまーい。次はタコ。コリっとしているのに柔らかい。そしてタコ感が濃厚。茹で具合が浅めで生っぽさもある。こりゃやばいぞ。

丼を持って、ワシワシとかき込みます。いろいろな具材が混ざって、口の中は大賑わい。たまりません。最高。

すべて食べ終えて、タコでもう一品。

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前日に学芸大学の日本酒専門店 圭で食べたタコの山椒和えにインスパイアされた一品。タコをぶつ切りにして、以前大量に作って保存しておいたバジルペースト(ジェノベーゼペースト)で和え、花椒(ホワジョウ)をたっぷりふりかけます。

ばかです。ばかうまです。バジルと花椒の組み合わせもいいのですが、これほど強い味付けにタコが負けていない。さすが地ダコ。地ダコの地力はハンパない。なんぼでも食えるなこりゃ。もし夜に食べてたら日本酒が止まらなかっただろうな。

翌日。

コハダがまだたっぷりと残っています。コハダと言うには少々大きめ。コノシロと言えそうなサイズなので、本当は押し寿司にでもしたいところ。ですが、道具がないので、ええいままよ、握っちゃえw

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うわあああ。はずっ。素人が適当に握るとこうなるんです。はずっ。でもいいんです。やってみることで、いろいろなことがわかります。食材の扱い方、おいしさの引き出し方、調理の仕方。さらに、外で食べた時により一層おいしく頂けるようにもなるんです。

「ああ、こうするからおいしいんだ」

「こりゃさすがに素人には無理だなぁ。プロの技ってのはこういうことなんだなぁ」

と。料理は食への理解を深める手段でもあります。

それはともかく。

ちょいと醤油につけてひと口で一貫パクッ。おおお。シャリはなんちゃって酢飯だし、握りは適当だし、切り方もおかしいし、寿司にするには身が肉厚過ぎるけど、でも、うめぇ。そうか、このまま食べることを想定しているから、結構甘めに締めてるな。醤油なしでも十分いける。

コノシロは「飯代魚」。漢字一文字だと「鮗」。冬の魚で、メシ代わりの魚。いいじゃないですか。風情があって。

プロが腕によりをかけて作る料理を頂くのも贅沢。プロが選んだ旬ものを、ぎゅっと目をきかせて買ってきて、自分で調理して食う。これもまた贅沢。

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