駅周辺の喧騒から離れた和食屋
学芸大学駅から徒歩12分。目黒通りから少し入ったところに錦酔(きんすい)という和食屋があります。
こっちから撮ったほうがわかりやすいかな。
碑文谷保健センター交差点=イオンスタイル碑文谷とオオゼキの間(道路反対側)あたりです。
店主・鈴木翔平さんは橋本の魚男(フィッシャーマン)という人気店で腕を磨き、独立、2024年12月15日に錦酔をオープンさせました。
※魚男は橋本で3軒の店を展開
変わった造作です。客席は大きく2つのフロアに分かれていて、左手はカウンター&個室、右手はテーブル席になっています。

へー。鮨しおと同じデザイン会社なんだ。
スタイリッシュなのですが、緊張感を抱かせない柔らかさを感じさせる空間です。
カウンターには私たちのような男女の二人組が入れ替わり立ち替わり。テーブル席には家族連れ。リピーターも多かったんじゃないかと推察します。
メニューは魚介のみ
料理は海鮮のみ。肉系は一切ありません。
錦コース(5,500円)にしました(事前に予約)。コースは基本的に単品であるものから構成されています。
まずは瓶ビール。
前菜盛り合わせは、さつまいもとネギトロのポテトサラダ、魚の南蛮漬け、あん肝ポン酢。あん肝は甘くて濃厚、クリーミー。
茶碗蒸し。日によって違うようですが、この日は白子が入っていました。あとからダシを加えてるのかな。もはや飲み物。2リットルくれ。
これだけは単品メニューに載っていないので、コースでしか食べられないかもしれません。
季節のサラダは天然ブリの胡麻サラダ。コース中、一番パンチのある料理でした。
前日にブリの話(養老乃瀧の)をしてたから、ちょうど食べたかったんだよなぁ。
目の前には黒いだるま。ちょっと目障りだなぁと感じもしたのですが、もしかしたらこれはある種の"目隠し"なのかもしれません。私の席からだとカウンター向こうが全部モロに見えるので、それを防ぐ目的であえてここに置いていたり? だとしたら、これもよく考えられているなぁと。
お刺身盛り合わせ。真鯛、まぐろ、さわら、太刀魚、ホッキ貝。
わさびにこだわりがあるようで、「醤油には溶かず、刺身に乗せてください」と伝えられました。
まだ少しビールが残っていましたが、慌てて日本酒を注文します。山形のばくれん。
焼物はとろ鯖塩焼。先ほどのわさびが残っていたので、さばの塩焼きにもトッピング。脂乗りまくりなので、わさびがよく合います。
揚げ物はレアアジフライ。自家製タルタルにはいぶりがっこが使われています。
季節の〆物は生玉子のせ しらすめし。最初、少し味が薄いかな?と思ったのですが、食べ進めると、なんだかちょうどいい塩梅に感じてきます。不思議なおいしさ。
最後は青のり海鮮出汁味噌汁(写真撮り忘れ)。チンチン。
「すごく熱いね」(連れ)
「このほうがうまいんだよ」
知ったかぶり。
寿司屋も最後の椀は熱々なことが多いです。そのほうが魚の生臭さや脂をさっぱりさせてくれるから、とある職人さんは言ってました。
予約を取る際、私が誕生日だということを連れが伝えていたようで、特別にデザートを出してくれました。シュワっとシャインマスカット。炭酸に漬けたシャインマスカットは噛むとシュワっ。
そこまで量は多くないと思うのですが、お腹はいっぱいに。「足りなかったら、追加で単品を頼めばいいしね」なんて話していたのですが、その必要もありませんでした。食べてみたいなぁと思っていたものが、たまたまコースに含まれていたということもあるのですがw(南蛮漬け・アジフライが特に気になってた)
いろいろ満遍なくいただけるので、初回はコースがいいかもなぁ(基本的にコースは2日前までに予約)。茶碗蒸しが食べられるし。
特別な日に、けど堅すぎず
「錦」は筆の手書き、「酔」は直線だけの簡略化されたデザイン。まったく違うのに、文字ロゴ全体としては妙にまとまってる。上手だなぁ。
そして、ここと暖簾にもだるまの顔が描かれているのですが、これは跳ねる2匹の鯛? 面白いなぁ。
インスタのプロフィールでは「海鮮和食居酒屋」と謳っています。居酒屋から和食屋までの目盛りがあったとして、私だったら居酒屋から7、和食屋から3の地点に錦酔を置きますかね。
ザ・和食というほど堅くはなく、オーセンティックだけどカジュアルで、居酒屋というほど安くはなく、和食屋としてはリーズナブルな魚のおいしいお店……ほかにどこだろう……おや? エアポケット? 何気に絶妙なラインを突いてる?
こんな風に並べてみたら、イメージつきやすいかも?
ゆっくり落ち着いて、おいしい魚を食べたい――そんな時にピッタリなお店だと思います。デートで、何かのお祝い事で、ちょっと贅沢な晩酌で、一度のぞいてみてはいかがでしょうか。
SHOP DATA
- 錦酔(きんすい)
- 東京都目黒区碑文谷5-7-9 碧翠館1F
- 03-6673-8591
- 公式

後藤ひろし(ひろぽん)