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居酒屋まんぼう(学芸大学)の温もりのある肴と人。繊細さと大胆さのメリハリがある料理はどれもおいしく、瑞々しさを残した上品なアジフライが絶品でした。

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学芸大学駅から徒歩1分。東口商店街のカルディを左折した先に居酒屋まんぼうというお店があります。ウッドベリーコーヒー 学芸大学店の上です。

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2019年9月8日、西口方面でオープン。2022年3月31日、現在地へと移転してきました。

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店内はカウンター9席、テーブル4席。とてもきれい。

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調理は一人なのですが、メニューが豊富。定番ものがあって、その日のおすすめメニューもあります。

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ほうれん草としらすのとろろがけ。これがお通し。お通しからしてクオリティが高い。

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なすピリ辛煮。なすにしっかりとダシが染み込んでます。いい塩梅。

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お刺身の4点盛り。〆鯖、まぐろ、タコ、アズキハタ。

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豚ロースステーキ 山わさびソース。豚が柔らかくて甘くて、山ワサビのソースがいいアクセント。盛り付けもきれい。

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カキとブロッコリーのグラタン。

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まぐろの顎焼き。ジューシー。ホロホロ、トロトロ。数に限りがありますし、焼くのに時間がかかるので、予約時に前もって注文しておくといいかもしれません。

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キタコレ。アジフライ。火の入り具合が絶妙。すごい。

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お酒がまたどれもおいしいんです。

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テラスからのこの光景がなんだか好き。

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素材のよさに確かな腕。丁寧に手をかけられた料理はどれも絶品です。

「まんぼうが一番」

「まんぼうが行きつけ」

そんな声をしょっちゅう耳にするのですが、さもありなん。

以下は移転前に書いたものです。

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静かな路地に灯るふたつの提灯。いい風情。

学芸大学駅から徒歩3分。西口商店街の裏手に居酒屋まんぼうというお店があります。2019年9月8日にオープンしました。

もともとはスタンドバインミーがあった物件です(スタンドバインミーは東口商店街に移転)。隣は焼き鳥の中村屋。たい焼きとかき氷の目黒ひいらぎの目の前。

※この店舗での営業は終了し、2022年3月末に移転します。移転先は学大酒場エビス参前の新築ビルの2Fです。この記事は移転前に書かれたものだとお知りおきください。

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カウンター6席ほどの小さなお店。16時オープンで、前半は店主一人、19時頃から奥さんが手伝いに来ました。

店主は北海道余市郡出身。小耳に挟んだところ、"市場"で働いていたこともあるそう。築地市場のことかな。そして、成吉思汗 ふじや(中目黒)というジンギスカン屋で腕をふるっていました。

※成吉思汗 ふじやは極楽とんぼの加藤浩次さんがオープンさせましたが、その後、経営からは離れています

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スーパードライをちびりとやって、お通しの枝豆をつまみつつ、メニューにゆっくり目を通します。

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種類が豊富。これを一人で回すのか。すごいなぁ。一見、オーソドックスに見えるのですが、よく見てみると、「これはどうやってるんだろう」「これはこんな感じにするのかな」と想像力をかき立てます。メニューを見ているだけで楽しい。

調理を終えるタイミングを見計らい、ゆで豚と茗荷のサラダ、鯵フライをお願いしました。

私が入店したのは18時過ぎ。3名の先客がいて、みなさん常連です。右隣の方はもう全メニューを制覇しているそう。左隣はご夫婦で、しかも……この件は追々。

淡々と調理を進める店主。けど、まだこの店に体が馴染んでない。手が少し迷ってますw ただ、こんなのはよくあること。時間が解決してくれるでしょう。まったく問題はありま

「おねえさん、ごめん、きゅうり買ってきてくれる?」

「いいよ」

そう言って左隣の女性が店を出ていきました。

「おにいさん、すみません」

「ぜんぜん(笑)」

なーるほど。店主の奥さんのお姉さんとその旦那さん、つまり、店主からすると義姉と義兄てことか。確かに店主の奥さんと隣の女性は似てるしな。この女性とまだ来ていない奥さんが似ていることがなぜわかったかということもまた後ほど。

で、買ってはいたけど家に忘れて来たきゅうりは、ゆで豚と茗荷のサラダに必要なのかw ただ、メニュー名はあくまでも豚と茗荷。きゅうりとは明記されていないので、他のもので代用してもこちらはわかりません。けど、そうしないのは単に適当なものがなかったということもあるのかもしれませんが、店主の実直さでもあるのでしょう。

お義姉さんには手間をかけさせてしまったけど、なんだかいろいろ夢想できて、失礼ながらちょいと楽しい待ち時間となりましたw

店主はアジを3枚におろし、皮をはぎ、丁寧に腹骨・小骨を抜き、塩とコショウを振り、小麦粉・卵・パン粉をまとわせ、サッと油へ投入。揚げ時間は短め。ワクワク。

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おおう。

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こりゃまた。

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ひゃあ。

レアと言っても過言ではないくらいの必要最低限の火の入れ方で、瑞々しさを残しています。身はしっとりで、衣はサクッ。繊細で上品なアジフライ。これは相当だぞ。

この塩もおいしいな。なんだろう。藻塩のようなうまみを感じさせます。タルタルとソースもついてくるのですが、この繊細なアジフライにはむしろ邪魔。塩で食べ進めます。とはいえ、もちろんタルタルも残しません。タルタルだけをいただきました。

いやぁ、いい料理だ。ドキドキさせてくれる料理。

この間にお義姉さんが戻って来て店主にきゅうりを渡し、店主はゆで豚と茗荷のサラダを仕上げにかかるわけですが、その様子をほとんど観察できませんでした。アジフライに夢中で。

「お待たせしました。ゆで豚と茗荷のサラダです」

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ほっほー。ロースではなくバラ、千切りではなく叩き。アジフライの繊細さとは打って変わって、こちらはピリ辛でパンチがあります。酒の進む塩梅。おいしいなぁ。

と、ここで奥さんのサナコさんがやって来ました。ふわりと緩む店の空気。そう、ご夫婦のお店ってなんかいいんだよなぁ。学大だとどこだろう。さいとう屋、信八、ながまる、とり竹、ぼっかけ屋……。

空気の入れ替わりをきっかけにして、話を切り出してみました。

「どうして『まんぼう』なんですか?」

「中学時代からのあだ名なんです」

「あだ名にせよ、なぜゆえに『まんぼう』なんでしょう」

「顔が似てると(笑)」

「別に似てはいませんけどね(笑)」

お義兄さんも店主をまんぼうさんと呼んでいましたw

さてと。もう一品。

「〆さばとお酒を何かお願いします」

「どういうタイプにしましょうか」

「何でもいいですよ」

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並べられた3つの一升瓶から選んだのは、秋らしさを感じさせた手取川 秋 純米辛口。

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そして〆さば。10万回書いていますが、私の好きな魚介ベスト3はさば・たこ・うに。

縦と横に飾り包丁。この色合いからすると、それなりに強く〆られて……おやぁ? 身はしっとり。ギュッとは締まっていません。そして塩も酢も強くない。けど、さばのクセも抑えられてる。なんだ?

数えきれないほど〆さばを食べてきましたが、こういうタイプは珍しい。フルフルしっとりな〆具合。どうしてるんだろう。客が私一人だったらいろいろ聞きたかったな。

手取川を口に含み、さばの余韻をじっくり楽しみます。

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『鶏ももザンギ』 唐揚げにはやっぱり角ハイボールが合いますね! 唐揚げ、いえ、あえてザンギと呼んで北海道色を出そうと思います。 店主が北海道出身なので。 ジューシーでプリプリなザンギは薩摩地鶏です。←北海道色は? しっかり味が染み込んでお酒がすすみます。 ハイボールは銅のタンブラーで飲むとキーンと冷えてすごく美味しいです。 友人のお店の真似をしました。 #ザンギ #唐揚げ #とりもも #ジューシー #鳥からハイボール #角ハイボール #角ハイ #北海道 #薩摩地鶏 #銅のタンブラー #居酒屋 #まんぼう #学大 #学大飲み #学芸大学 #鷹番

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数品食べただけなので、あくまでも私の想像なのですが、魚介系で感じさせる繊細さと、その他の料理の大胆さ・豪快さ、このメリハリが居酒屋まんぼうの特徴かもしれません。店主のレパートリーの幅広さを感じさせます。

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ガラスに映るまんぼうさんw

話をさかのぼります。居酒屋まんぼうがオープンする約2週間前、8月21日。昼過ぎに店前を通ると、偶然、二人が店から出て来ました。スタンドバインミーが移転して、次が決まったか。こんなタイミングに出くわせるとはw ガラス扉を見ると「居酒屋まんぼう」というショップカードが貼られていました。

「居酒屋ですか?」

「はい」

「オープンはいつ頃でしょう」

「9月の中旬頃になると思います」

「どこかでやってらっしゃったんですか?」

「和系の厨房にいまして、今回、自分の店を」

「ということは"独立"みたいな感じですかね」

「そうですね」

「楽しみにしてます」

「ありがとうございます」

言葉を交わした瞬間の声のトーン・表情で「あ、いい店になるな」と予感しました。なんかわかるんですよ。この感じで。ばりき屋もそうだった。

あの時のあれがこいつということに、目の前の二人は気づいてないだろうな。ふふふw

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右隣の常連さんがお帰りになり、店内はまんぼうさん家族と私、という状況になりました。なんだか不思議w みなさんのやり取りを聞いていると、まんぼうさん夫婦のお人柄が垣間見えます。丁寧な料理も人も、なんだか温かいや。オープンしてまだ数週間というのに、もうメニューを全制覇するほど通う常連さんがいるというのも、この人柄あってのことでしょう。

残りわずかとなった日本酒を最後にクイッと傾け、心の中で「ほらな」と呟きます。自身の予感の確度の高さを自身に自慢。

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街の喧騒から少し離れて、静かに、ゆったり、のんびり。老若男女誰もが安心してくつろげる居酒屋まんぼう。温もりのある料理と人に癒されます。ふらりと一度、寄ってみてはいかがでしょうか。

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