世にも奇妙なパッケージ

販売者:菱甚、加工所:狩野製麺、ユアサ・フナショクの手延素麺。

築地マルシェ倶楽部 目黒本町店で購入しました。279円/300gは一般的な手延べそうめんの中では少し安めでしょうか。いち消費者としてはこのあたりが相場であってほしいですがw

この手延素麺はパッケージがとにかく変わってます。
まず、商品名が「手延素麺」。「手延素麺」だけというのは珍しい。


仮に商品名が「手延素麺」であっても、普通は島原や半田など、表に産地が記載されています。

ところが、この手延素麺は表にそのような表記は一切なし。ただ、決して産地を隠そうとしているわけでもありません。裏面には島原手延素麺と書いています。不思議だ。
また、保存方法をここに書いているのは初めて見ました。普通、この場所にはそのそうめんの説明が書かれています。たとえば、「雲仙岳の清流がどうの」とか「職人が丹精を込めてどうの」とか「強いコシと滑らかなのど越しをどうの」とか。
なお、赤い斜めの帯に
あさ
ひる
ばん
とありますが、これはユアサ・フナショクの登録商標です。そうめんに限らず、同社が扱っている商品に広く採用されています。
もうひとつ不思議なことがあります。


販売者の有限会社菱甚は株式会社小林甚製麺の販売部門です。小林甚製麺は手延べそうめんなどを作っている会社なのですが、加工所として狩野製麺をかましています。
この狩野製麺はとてつもなく多くのそうめん(手延べそうめん・機械麺そうめん)の加工所、場合によっては"製造者"となっていて、その実態がよくわからないのですが、それはさて置いて、小林甚製麺が手延べそうめんを作り、菱甚が販売できるというのに、狩野製麺が加工所となっている意味がよくわからない。いったいどういうことなのだろう……。不思議。
なお、ユアサ・フナショク株式会社は食品の卸などを手掛ける会社で、当手延素麺においては商品企画や流通(卸売り)などを担っているものと思われます。
これだけいろいろな会社が絡むと、その分、マージンが乗っかり小売価格も上がりそうなものなのですが、この手延素麺はお手頃価格。ここもまた面白いところです。
と、いろいろ奇妙な手延素麺なのですが、とりあえず食べてみましょうか。
しっかりとしたコシ・風味

開封すると小麦の甘い香りが強く漂います。麺線は比較的細めでしょうか。

茹で時間は1分30秒程度とありますが、この細さなら1分強で十分でしょう(私の好みからすると)。1分10秒ほどでお湯から上げ、冷水でさっとゆすぎ、氷水でしっかり締めました。

プリプリッ。小気味のいい歯切れ。しっかりとしたコシです。舌触り・のど越しは滑らかで、風味もなかなか。
大きな特徴はないけれど買いやすい

とてもおいしいです。ただ、何か大きな特徴があるわけでもなく、おいしい手延べそうめんの中にあっては普通と言いますか。星4。少し厳しいかな。

揖保乃糸が350円~380円くらいする昨今。だったら絶対にこちらの手延素麺を選びます。おいしさはそこまで変わりませんが、100円も安いのですから。星4ではありますが、強くお勧めできる手延べそうめんです。
おまけ:不思議パッケージに関する考察
私が調べた限り、当記事執筆時、ユアサ・フナショクはこの手延素麺しか扱っていません。けど、手延素麺を扱うと決めた際、今後、いろいろな地域の手延べそうめんを扱うことになるかもしれないと思っていたのかもしれません。だから、できるだけ変更を加えずパッケージを使いまわせるよう、表には産地のようなものは記さず、裏にはそうめんの説明文を載せなかった……。
うーん、奇妙なパッケージになっている理由は、それくらいしか思いつかないなぁ。どうなんでしょうね。
名称 | 手延素麺 |
原材料名 | 小麦粉(国内製造)、食塩、食用植物油 |
販売者 | 有限会社菱甚 |
製造者 | 有限会社狩野製麺 |
メモ | 狩野製麺は正確には加工所 |
評価 | ★★★★☆ |