半田素麺は太いのが特徴
有限会社北室白扇(きたむろはくせん)の半田手延そうめん。
信濃屋 野沢店で購入しました。430円/300g(3束)。普通にスーパーで売られている手延べそうめんは300円前後ですから、少しお高めですが、大量生産・大量販売ではない手延べそうめんとしてはお手頃価格と言えるかもしれません。
まあ、いくらであっても絶対に買って食べるべきだとは思いますが。もうすでに知っている身からすれば。
徳島県の吉野川流域に位置するつるぎ町半田地区は一大そうめん産地で、当地には半田手延べそうめん協同組合があります。当記事執筆時点では20事業者が所属していて、北室白扇もその一員です。もちろん組合に属してない事業者もあります(数は少ない)。
「半田そうめん」は地域団体商標登録です。商標権者は半田手延べそうめん協同組合。
こちらは同組合の図形商標です。
逆に、
- 半田素麺
- 半田手延べそうめん
- 半田手延そうめん
- 半田手延べ素麺
- 半田手延素麺
これらは商標ではありません。
和紙のような高級感ある包装。白と黒でオシャレ。
半田素麺の最大の特徴は太いということです。
そうめん/手延べそうめんを法的に規定している食品表示基準という法令によると、手延べそうめんは直径1.7mm未満でなければいけません(手延べひやむぎも同様なので、手延べにおいては、そうめんとひやむぎに規格上の差はない)。半田素麺は上限ギリギリの太さです。
パッケージ裏面には英語の説明も載っています。
茹で時間は4分~5分となっています。3分で一本取り出しすすったところ、まだ堅かったです。
様子を見つつ、結局、4分茹でて、冷水(水道水)でサッと洗い、氷水でしっかりと締めました。夏場は水道水がぬるいので、ぜひ氷水で締めてください。
他に類を見ないほどの強烈なコシ
ピッカピカな茹で上がり。まず見た目が美しい。
ひと口。
な、なんだこれは……。
ふた口。
まじか……。
みなさんにわかりやすく説明するなら、ムチムチとしたコシです。けど、約200種のそうめんを食べてきた人間からすると、「ムチムチ」では正確に言い表せているとは思いません。
ギューッと圧縮し、ギッチギチに詰まった、とてつもなく密度の高い麺。このコシをあえて擬音で表すなら、ミッチミチのコリッコリ。
麺を噛みしめた歯が混乱しました。頭の中のそうめんデータベースを照会しても、似たものが見つかりません。そうめんではなく麺データベースとなると、うどんや中華麺では似たコシのものがヒットしますが、似てるというだけであって、やっぱり違う。
ツルツルな舌触り・のど越し。ほんのちょっぴり強く感じる塩味が持ち上げる小麦の甘み。今までに感じたことのないような強烈なコシ……。
とんでもないな。
これは麺類の最高峰です
翌日、茹で時間を5分にしてみました。
若干、ムチっとした感じが出ましたが、やはりコシは強い。塩味はすっかりなくなり、風味はさっぱり。
もしかして、これはそうめんとして極上というどころか、これまで食べてきたあらゆる麺の中でも最上位クラスにおいしいんじゃないか?
私は三輪素麺のような細くてブチブチっとした強い歯切れのそうめんが好みです。ですから、太めでムッチリとした半田素麺は、おいしいにせよ星4になりがち。
けど、そんな私がうろたえています。
「星5で足りるか?」
と。
うーん。難しい。例外の星6をあげたい気持ちがある一方、そうめんとして見た場合、そうめんならでは感が薄いのも事実。もし、このレビューが"麺レビュー"であれば星6です。ただ、ここはあくまでもそうめんレビュー。
心苦しさを覚えながら、星5としておきます。
北室白扇の半田手延そうめんは別格です。衝撃的。
北室は製造をしている私どもの名前から、白は、素麺そのものを表す白。扇は、素麺を通して、幸せが末に広がりますようにとの願いを込めています。
出典:北室白扇公式サイト
こんなチンケな末端の人間にも、確かに幸せが広がってきました。麺類の最高峰を口にしてしまったかもしれないという幸せが。
名称 | 半田手延そうめん |
原材料名 | 小麦粉(国内製造)、食塩、食用植物油 |
製造者 | 有限会社北室白扇 |
評価 | ★★★★★ |