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黄金之糸(マル勝高田商店)は黄金色の極細高級そうめんなのですが、噛みしめると白銀の世界が広がりました~三輪におけるマル勝高田商店の立ち位置

極細で高級な手延べそうめん・黄金之糸

マル勝高田商店の黄金之糸

今回ご紹介するのは株式会社マル勝高田商店の黄金之糸(おうごんのいと)。

※正確にはマル勝髙田商店かもしれません(高/髙)

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マル勝高田商店は三輪素麺を作っているメーカーですが、黄金之糸は三輪素麺/三輪そうめんではありません。製麺地は長崎県で、おそらくは南島原市でしょうから、あえて言うなら島原手延べそうめんです。このあたりのことはまた後ほど。

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都内スーパーでは、三輪のそうめんメーカーの中でマル勝高田商店のそうめんをもっともよく見かけます。黄金之糸は今季からオオゼキ(祐天寺店、碑文谷店、武蔵小山店など)で見るようになりました。537円/120g。一般的なそうめんの量・300gに換算すると1342円です。超高額。

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きれいな和紙風テクスチャの紙。お金をかけてます。

黄金之糸の細さは一般的なそうめんの半分以下

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開封。おっとっと。3束なのか。束になってなくて、そのまま入っていると思ってた。

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かすかに小麦の甘い香りがします。少し黄色味がかっているので、この色から黄金之糸と名付けられたのかもしれません。

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とても細いです。一般的な手延べそうめんと比べてみました。体感では1/2以下の細さです。公式サイトによると「通常の素麺の3分の1の細さ」ということなのですが、具体的に"通常"が何を指しているのかはわかりません。

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左:白龍、右:黄金之糸

直近にこれまた細くて有名な三輪山本の白龍を食べたのですが、比べてみるとほぼ同じ。

それにしても、この手触り。細い麺がサラサラッと手のひらを撫でます。気持ちいい。

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茹で時間は約1分とあります。30秒から10秒刻みで1本ずつお湯からつまんで食べて、最適と思われた50秒で上げました。

ゆっくり噛みしめて見えた銀嶺

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「〇〇の糸」という商品名のそうめんも多いのですが、まさしくこれは糸です。滑らかで美しい糸。

まずは少量をそのままひと口。プリプリプリッ。穏やかな弾力。白龍の60秒茹でに似た食感です。細いですが小麦の風味はそこそこあります。

120gあるんだから、ケチらずいっぱい頬張ろう。次は少し多めのそうめんを麺つゆにつけて啜りました。そして、上下の歯を合わせようとしたその瞬間。

な、ななんだ。

もう一度。

いやぁ、これは……。

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画像転載元/一般社団法人雲仙観光局Facebookページ

湿気が少なく、気温が低い秋・冬がそうめん製造の最盛期。島原半島に広がる雲仙岳には雪が降り積もる頃です。

人がほとんど通らない雪道。静かな朝。まだ誰も踏んでいない新雪に足を入れます。

モギュ、ギュ、キュ。

得も言われぬ新雪の感触……。

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黄金之糸を噛みしめた瞬間の感触がまさにそれ。キュッキュッキュッと音をたてて砕けていきます。ゆっくり噛みしめると、その感触がいっそう強くなりました。

普通はプツプツっとするはず。45秒茹での白龍もそうでした。けど、黄金之糸の歯切れは新雪の踏みごたえ。

黄金之糸? 確かに見た目はそうかもしれませんが、この食感からすると、私は白銀之糸、白金之糸と称したい。

※白龍と黄金之糸がまったく別生産者による別製品なのか、同生産者による別製品なのかは不明。中身はほぼ同じという可能性もあります

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極細そうめんはすぐに表面が乾き、ごわつきがち。こうして麺つゆなどにさらして盛ると食べ進めやすいでしょう。

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とてもおいしかったです。不思議な歯切れも面白い。ここまで細く延べる技にも目を見張ります。そうめん自体のクオリティは星5。ただ、白龍がそうであったように、黄金之糸もまた高額ですから、人には勧めづらい。総合的に判断して星4とします。

マル勝高田商店は商売上手

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あくまでも私の個人的なイメージです。

三輪そうめん3大メーカーを挙げよと言われれば、私は池利三輪そうめん小西・マル勝高田商店を挙げます。

ただ、池利・三輪そうめん小西とマル勝高田商店では決定的に違うことがあります。それは前者が三輪素麺だけを製造しているのに対し、後者は三輪素麺を主力としつつ、長崎県産の手延べそうめんも扱っているということです(黄金之糸、きさらぎの糸など)。

そうすると、マル勝高田商店は三輪山本に似ているようにも思えますが、これもまた違います。三輪山本は産地を一切謳いません。そして長崎県で製造しているそうめんが主力です。一方、マル勝高田商店は三輪で作られたそうめんを三輪素麺として売り出していて、それが主力です。

池利・三輪そうめん小西は三輪の最右翼、三輪山本は最左翼、マル勝高田商店はその中間の少し右翼寄りといった感じでしょうか。なんとなくのイメージです。当然ですが、ここで言う右翼・左翼は政治的なタームじゃありませんよw

そういう意味では、マル勝高田商店はとてもフレキシブルで商売上手だなぁとも思います(他と比べた優劣の話ではなく)。

だって、都内で三輪素麺を買おうとすると、結構しますもんね。400円、500円が当たり前(300g換算)。その点、マル勝高田商店の三輪の神糸は387円/400gですよ。300gに換算すると290円。揖保乃糸レベルに安い。そんな値段で三輪素麺を卸せるというのはすごいことです。

DATA
名称黄金之糸
原材料名小麦粉(国内製造)、食塩、植物油
製造者株式会社マル勝高田商店
メモ正確には株式会社マル勝高田商店は加工者
評価★★★★☆