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家庭料理 か子(武蔵小山)の自家製さつま揚げや鳥の唐揚げは「うまーーーい!」と声が出るほどおいしくて、優しいマスターとママにいろいろごちそうになっちゃいました

学芸大学のバー・sideway(サイドウェイ)の店主・郁クン、同店の常連客・ナオヤ君と三人で武蔵小山の居酒屋・とり國へ行った話は前回の記事の通り。今回は二軒目に行った店のご紹介。

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ホロ酔いで向かったのは家庭料理 か子。武蔵小山駅から徒歩5分弱。地域安全センター(交番のようなもの)のある目黒区中央体育館入口交差点を斜めに入ったところにあります。住宅街ですが、都道420号(補助26号線)から看板の明かりが見えるので、比較的わかりやすいと思います。

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やってらっしゃるのは渋いマスターとかわいいママ。とてもきれいな店内には長めのカウンターと、奥には小上がり。4席×2かな? 右のバカ面はいいとして、注目は画面中央、ママの背後です。キープボトルがズラリ。これは間違いない。いいお店です。キープボトルの数でわかります。

おのおのビールやレモンサワーなどを注文してお通しをつまみます。

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豚の肉じゃがというか、豚肉豆腐というか。甘めのツユが豆腐にしみてます。

「うまーーーーい!」

郁クンが悶絶。マスターとお母さんは苦笑いしつつ、「ありがとうございます」。

「僕たち学芸大学の飲み仲間なんすよ」

いきなり自己紹介! 飛ばすねぇ。いいよ、悪くない。その勢い素敵。俺にはできないw

「そうなんですか。どうしてこちらに」

とママ。私が答えます。

「武蔵小山にはよく飲みに来ていて、帰り、この前をよく通るんですよ。で、気になっていたので」

ナオヤ君が銀杏を、私はアジフライと自家製さつま揚げを注文しました。

「アジフライがいま切れちゃったんですよ」

「ああ、残念。じゃあ大丈夫です。他のちょっと見てみます」

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最初に銀杏が出てきました。自分ではまず頼まないメニューです。

「うまーーーーい!」と郁クン。なるほど。こりゃいいや。確かにうまい。

初めて来た店では自家製と名のつくものや、その店の技が垣間見えるようなものを頼むようにしています。だから、さつま揚げとアジフライをお願いしました。アジフライは相当に差が出ますし。

けど、考えようによっちゃあ、いやらしい。その店を計るようなことをしているわけですから。何様なんだと。なんてことはない、けど、丁寧に炒られたおいしい銀杏をつまみながら、ちょっぴり反省させられました。

「こちらはどれくらいになるんですか?」

「20年くらいです」

「その割にお店きれいですね」

「何もしてないですけどね。障子を張り替えるくらい」

「何曜日がお休みなんですか?」

「火曜日です」

「学大でも火曜が休みのお店って多いんです。ぜんぜん違うもんなんですか?」

「最近は週末も意外と少ないのよ」

少々のご謙遜もあるでしょう。ボトルの数を見りゃわかります。けど、どこでも聞くことですが、少なくはなっているようですね。特に若い人が飲まなくなったと聞きます。私の周りには異常に飲む若者しかいませんがw 横のこいつしかり。類友? たはは(^^;

そんなこんなで自家製さつま揚げがやって来ました。

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絵ヅラがいい。ぽってりと太ったさつま揚げ。魚感がしっかりあって、プリプリで。練られた形跡がしっかりあります。自家製の証拠。下味もちょうどいい。醤油なしでも十分おいし……

「うまーーーーい!」

と、また郁クン。ははは。確かにうまいよね。マスターとお母さんは、ちょっと困惑顔で「ありがとうございます」。

そうこうしていたら。マスターが小上がりの団体さんに鳥の唐揚げをお出しになりました。そのあとです。

「こちらどうぞ。アジフライ切らしちゃってたから」

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少し多めに揚げた鳥の唐揚げをサービスで出してくれました。正確には、サービスしてくれるために多めに揚げていた、か。

「ほんとですか。すみません、ありがとうございます」

ひと口食べた郁クンは当然、

「うまーーーーい!」

「ありがとうございます」

「いや、ほんとおいしいです」

しっかりと下味がついていて、衣もサックサクで、ニンニクがきいていて、メチャクチャうまい。私も「うまーーーーい!」と言いたいくらいw

「これもどうぞ」

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「すみません、ほんとに。ありがとうございます」

「うまーーーーい!」

カリカリの川エビはつまみに最高。

これだけ出してもらえたのは、単にアジフライが切れていたから、というだけではないでしょう。郁クンの「うまーーーーい!」が効いているはず。こういうのが単なるオーバーアクションとは取られず、かわいく見てもらえるというのが、こいつのいいところなんだろうな。実際、本音でこいつは「うまーーーーい!」と言ってるし。

それより、さっきからその指さしは何なん?w

「次、どこ行きます?」

と、絶好調の郁クン。

「いかねーよw もう店だろ?」

「ぜんぜん大丈夫っすよ。次、行きましょうよ」

「こういうのは、この辺で切り上げるのがいいんだって。俺の経験上、一見で回るのは一日二軒くらいがちょうどいいんだよ」

いや、ほんとに。

そろそろ時間が迫っています。先ほど注文しておいたオムライスが登場です。

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来るか? 例のが。

「うまっ」

なんぞそれw 「うまーーーーい!」じゃないのかよw

ケチャップのチキンライスにトロトロ卵。コショウのきいたパンチのあるソース。酒の〆にピッタリな濃厚なオムライスです。私も「うまっ」ってなりましたw つーか、三人でよかった。でかいよこれ。一人じゃ無理だったな。

最後にダメ押し。

「こちらもよければ」

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キュウリ、ミョウガ、カブの浅漬けです。ひやぁ、こいつはすごい。塩が絶妙。そして、唐辛子が効いていて最高。

「今日はちょっと多めに唐辛子入れちゃって」

「いえいえ、これくらいがぜんぜんいいです。辛いの好きなので」

「なんでこれ辛いんですか?」

おまっwww 今その話をしてんだろw

「いや、だから唐辛子だって」

「あ、そうっすか」

ちょうどいい頃合いです。会計をして頂きます。

「ごちそうさまでした。いろいろとサービスまでしてもらっちゃって」

「ありがとうございます。またぜひ」

「はい、また来ます」

店を出て、看板を見ます。

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「毎日行こう みんなの か子」

確かに、近くだったら毎日でも来たいな。そう思わせてくれる、おいしくて、とても素敵なお店です。ほろ酔い三人組は学大方面へと向かいました。

正直、不安がないわけではありませんでした。普段は一人で居酒屋巡りをしていることが多く、その中で、いろいろな"自分ルール"ができあがっていました。大勢で行くと、そのルールが壊されることは必至。だからちょっと気がかりだったんです。

けど、それは間違いだったと気付かされました。いつもとは違う視点で店を見ることができました。いつもよりたくさん食べられました。いつもより賑やかでした。少なくとも、一人で回っている時よりも悪かったことは何ひとつなかった。

いつの間にか、「こうすべし」というので凝り固まっていた自分。それを壊してくれたのが、今回一緒に居酒屋巡りに付き合ってくれた二人。

たまにはこういう夜もいいね。

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