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とり國(武蔵小山)はつくねが絶品な老舗居酒屋。勧められた煮込みを頼んだら人数分来たw~ホコリをかぶった鏡月に思いを馳せる

基本的には一人で飲み屋巡りをしています。理由は簡単で、友達と行くとどうしても友達と話してしまうから。そういうのは行き慣れた店でやればいい。一見で行く店は、できれば店主や常連さんと話したい。だから一人で行っています。

と言いつつも、毎度一人じゃ展開が似たりよったり。たまには誰かと一緒に行ってみますかね。

「今晩、武蔵小山で二軒行こうと思ってるんだが、暇だったらどう?」

そうLINEした相手は学芸大学のバー・sideway(サイドウェイ)の店主・郁クン。速攻で返事が来ました。

「ぜひ!」

結局、もう一人来ることになり、三人で武蔵小山へ向かいました。一軒目はとり國。

※2023年12月21日追記:正確な時期は不明ですが、閉店したようです。追記以上

torikuniの画像

都立小山台高等学校の南と西には飲食店がたくさんあります。武蔵小山西口商店街(むさこ西口商店街)です。商店街にあるセブンイレブンの先の小道を入る、あるいはかむろ坂へと向かう太い通り沿いの内藤金物店の脇を入ると、「とり國」があります。

やってらっしゃるのは80歳近くと思しきシャイなお父さん。「以前はあっちのほうでやってた」とおっしゃってました。どっち?w お店自体は約30年続いているそうです。

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鏡月のボトルが1500円。三人なのでボトルを入れてホッピーで飲むことにしました。

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ボトルにはホコリが積もっていました。なんだろう。感慨深いなぁ。このホコリの付着の仕方、こびりつき方は、数ヶ月単位の話じゃあない。ボトルを入れるお客さんは少ないんだろうなぁ。いろいろなことを想像させます。

なーんてことを、ボトルを眺めながら考えていたら……。

「そういうとこが気になるんすね」

と郁クン。

「そう。なんかさ、いいんだよね、こういうのがw」

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お通しはニラとモヤシのおひたし風。ふむ、お父さんは料理上手だ。味付けがちょうどいい。得てして濃くし過ぎるんですよね。こういうのって。素材自体がサッパリしてるし。けど、ダシで食べさせるからくどくない。

とりあえず焼き鳥でも頼みましょうかね。

「すみません、焼き鳥お願いしたいんですが」

「今、つくねとカシラしかないんだけど」

「じゃあ、つくねとカシラを3本ずつお願いします」

その日はたまたまたそれしかなかったというよりも、最近はずっとこうなのかもしれません。時代が変わり、街が変わり、常連さんも少なくなってきて、メニューも減って。というのは古い店でよく見かけるパターンです。

「つくねは大きいから、とりあえず一本やっとくね」

とおっしゃっていましたが、結局、人数分来ました。

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カシラもうまいんですが、つくねが絶品。コショウがきいていて、パンチがあります。うまい! と、ここでまた郁クン。

「ひろぽんさん、これ」

店にあったあるものを見せてくれました。具体的に何かはここには書きませんが。

「いいねえ。そういうの好きw」

「いつもこういう店、どうやって見つけてるんですか?」

「ググったり、食べログ見たりもするけど、基本は時間のあるときにグルグル見て回ってるかな」

郁クンは「ぽんひろの知らないいい店を見つけてギャフンと言わせたい」のだそう。うん、その目を持っていればいつかきっとねw

さて、次は何を頼もうか。と思案していたら、「煮込みを食べて」とお父さん。ぜひぜひ。

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ほどなく出てきました。煮込みが3つw 一人ひとつかよw いや、ぜんぜんいんですが。

味噌をベースにしたスープなのですが、モツの甘みがたっぷり出ています。濃厚。これは牛だな。

「これ、牛ですよね」

「そう、牛モツ。豚は臭いがあるから」

一人ひとつでよかった。こんなうまいんだもん。ワシワシ食いたい。

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店内には落語に関するグッズがたくさんあります。聞くと、落語関係者がよくいらっしゃるのだとか。あまり多くは語られませんでしたが。

鏡月を徐々に増やして、ペースを上げ、ボトルを空けにかかります。ちょいと郁クンに飲ませすぎたかな。テンションが急激に上がり始めました。もう一軒行かなくちゃいけないんだし、今回はサクっと切り上げるか。

「すみません、お勘定を」

「7500円。だけど、7000円でいいや」

どういうこと!?w 小銭がないとか? そんなこたぁないか。お言葉に甘えさせて頂きました。

「ごちそうさまでした」

「また寄ってね」

「はーい」

店を出て大通りへ。

「どうだった?」

「いいっすね。つくね、うまかったなぁ」

「ね。煮込みも相当レベル高いよ」

お父さんとはあまり話せませんでしたが、こういう飲みも楽しい。いいものを誰かと共有できるってのはいいことです。

よし、そんじゃ次行きますか。場所はすぐ近く。ホロ酔いで足取り軽く、二軒目へと向かいました。お父さん、うまかったです。今度は一人でゆっくりとぜひ。

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