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おばんざい なの花(学芸大学)にミスマッチな一見客が行った顛末

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暖簾をくぐり、引き戸をカラリと開けると、醤油とダシの香り。L字のカウンターの上には、おいしそうなおばんざいが並んでいます。

「いらっしゃいませ」

そう静かに言って頭を下げる女将はとても上品な出で立ちです。ここは学芸大学の居酒屋(小料理屋)「おばんざい なの花」。

瓶ビールを注文すると、最初の一杯を注いでくれます。無造作にコップを片手で出してしまったのですが、「これはいかん」とすぐさま左手をコップの底にそえました。

とりあえずお通しを頂きます。

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冬瓜です。蒸し暑い日に冬瓜。いいですね。

まずは手作り餃子を注文しました。ゆったりと調理する様はまるで日本舞踊。背後のガラス戸を開ける手つきも、まるで日本舞踊の手先のようです。シュッと反り気味に伸びた指先が美しく戸を開閉します。

姿勢もピシっとしています。店内の空気もピンと張り詰めています。女将の雰囲気がそう感じさせるのか、あるいは怪しげな一見に対する警戒感でそうなっているのか……。ま、まあ、後者でしょうなw おそらくはビシっとスーツを着たサラリーマン、60歳、70歳の紳士がたが多くいらっしゃるようなお店。Tシャツ・短パン・ヒゲ面では、「そんな恰好して! もっとキチンとしなさい!」と叱られそうw

で、出てきたのがこちらの手作り餃子。

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とてもジューシー。底はパリッ。もう一品、角煮を頼んでみました。

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なるほど、側面にも焼きを入れてます。表面はしっかりとしていて、中は柔らかい。卵も濃厚に味が染みています。

この緊張感に耐えられず、一時間ほどで「お勘定を」。そう言うと、こんなものが出てきました。

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白味噌の味噌汁です。ふぅ、甘くておいしいや。実家が京都。実家の雑煮は白味噌に丸もち。ほんの少し、緊張感がとけました。

味噌汁を飲み干すと、会計が来ました。会計を済ませ、「ごちそうさまでした」と扉を開けると、聞こえるか聞こえないかくらいの小さな上品な声で「ありがとうございました」と頭を下げる女将。

うん、ここへ来るには20年早かったな。いや、20年経っても、ここに釣り合うような人間にはなってないだろうなーw

とても上品で、静かで、ゆったりとしたお店でした。

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