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播州そうめん(カネス製麺)は柔らかな弾力でのど越しツルリ。機械麺そうめんとしては上出来です。

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カネス製麺株式会社の播州そうめん。ローソンストア100 目黒本町店で購入しました。ここまででもう言いたいことがたくさんあります。長い前置きが始まりますが、この播州そうめんに関連することですし、そうめんの大切な基礎知識でもあります。ぜひお目通しください。

面倒だったら適当に読み飛ばしてw

機械麺そうめんと手延べそうめん

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そうめんには機械麺そうめんと手延べそうめんがあります。前者は生地を薄く板状に延ばして裁断します。後者は生地を細く延べていきます。

当たり前ですが、もともとは手延べそうめんしかありませんでした。ところが、製麺機が登場した明治以降、細く裁断する機械麺のそうめんが誕生します。細く延べていたものを機械で強引に細く裁断するのです。それではおいしくなるわけがない。中華麺やうどんくらいの太さがあれば別ですが。

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つまり機械麺そうめんはそれなりに普通に食べられるものもありますが、基本的にはおいしくありません。手延べそうめんは基本的にどれもおいしいです。少なくとも私はまずい手延べそうめんに出会ったことはありません。

播州素麺と播州そうめん

すべて漢字の「播州素麺」は機械麺メーカーが中心となって組織されている兵庫県乾麺協同組合の登録商標です。播州素麺という商品名のそうめんはたくさんありますが、すべて機械麺そうめんです。

「播州そうめん」は一般名詞で、播州そうめんという商品もたくさんあります。ただ、播州そうめんと謳っているそうめんのほとんどは機械麺です。もし手延べそうめんなら播州手延べそうめんと謳うはずです。なお、播州手延べそうめんも商標ではなく一般名詞です。

つまり、

「揖保乃糸は播州素麺」

というのは誤りです。播州素麺は兵庫県乾麺協同組合の登録商標だからです。揖保乃糸は兵庫県手延素麺協同組合の登録商標で手延べそうめんです。

「揖保乃糸は播州そうめん」

これは誤りではありません。ただ、発言者が無知、もしくはこうした発言は誤解を生じる恐れがあるので、好ましい言い方ではありません。兵庫県手延素麺協同組合(揖保乃糸)は海外市場に向けた言葉はさて置き、普通には「播州」という言葉をあまり使いません。あえて言うなら、「揖保乃糸は播州手延べそうめん」が適切でしょう。

揖保乃糸のメーカー

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揖保乃糸の(食品表示基準上の)製造者は兵庫県手延素麺協同組合です。実際にそうめんを製造しているのは同組合に所属する約400の生産者です。各生産者が厳格なレギュレーションに基づきそうめんを作り、これを同組合が取りまとめて、揖保乃糸として出荷しています。

各生産者は揖保乃糸だけを作っているとは限りません。その生産者独自のそうめんを作っていることも多いです。その独自のそうめんは手延べそうめんであることもありますし、機械麺そうめんであることもあります。両方を作っていることもあります。

カネス製麺は揖保乃糸も作ってる

ふう。いよいよ本題に近づきました。

カネス製麺は揖保乃糸のメーカーでもあります(特約店でもある)。約400の生産者の内のひとつということです。

と同時に、揖保乃糸以外のそうめんも作っています。公式サイトの商品一覧を見る限り、揖保乃糸以外はすべて機械麺そうめんです。そして、その内のひとつが今回紹介しようとしている播州そうめんです。

カネス製麺だけでも、いくつ播州そうめんという商品を作っていることかw

※カネス製麺は兵庫県手延素麺協同組合、兵庫県乾麺協同組合のいずれにも属しています

激安そうめんのグラム単価

さて、話を播州そうめんに移しましょう。

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ローソンストア100 目黒本町店には2種類の播州そうめんという商品がありました。どちらもカネス製麺のそうめんです。

149円/400gと117円/300g。中身は同じで量が違うだけかもしれません。

グラム単価に換算すると0.37円vs0.39円。149円/400gのほうが安いわけですが、得体のしれない機械麺。まずいものも多い機械麺。できるだけ少量で済ませたいところ。117円/300gの播州そうめんを購入しました。

余談ですが、業務スーパー(神戸物産)のPBそうめんは0.158円/g、ダイソーで販売されている伝統麺処 そうめんは0.275円/g。ですから、この播州そうめんは安くはありますが、機械麺そうめんとしてまったくない値段でもありません。

期待を抱くことなく買って帰りました。

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追記。肉のハナマサにこのような播州そうめんが売っていました。こちらもカネス製麺。栄養成分表示のカロリーがまったく同じだったので、おそらくパッケージ違いの同商品ではないでしょうか。追記以上。

いい意味で期待を裏切る播州そうめん

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開封してまず香りをかぎます。小麦の甘いいい香りがします。そして取り出すわけですが、そうめんの束を手にした瞬間、「あれ?」となりました。

これだけそうめんを食べてくると、手にしただけでわかるのです。「これはいいそうめんだろうな」とか「これはイマイチだろうな」と。この播州そうめんは期せずして「悪くはないぞ」と思わせる手触りです。

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これまたよくやるのですが、少ししならせてみました。機械麺の場合はこんなに曲げたらポキッと折れます。けど、播州そうめんは折れずにしなります。ここまでしなる機械麺そうめんは珍しい。そして、しなるそうめんほどおいしいので、少し期待が膨らみました。

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機械麺としては普通くらいの太さでしょうか。いい意味で、しっかりしてるなぁという印象。

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表示通り2分茹でました。

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おっ。ムニッとした柔らかい弾力。ツルッとした舌触り・のど越し。小麦の風味もそれなり。まずい機械麺そうめんにありがちな、もったりしていることもなく、グチョッ、ドロッとした感じもありません。

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食べ応えも感じさせてくれます。上等です。もちろん手延べそうめんのおいしさにはかないませんが、機械麺そうめんとしてはとてもいい。

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後日、キムチチゲ風にゅうめんにしてもおいしかったです。にゅうめんにしてしまえば、どんなそうめんであっても、だいたいおいしくなるのですが。

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揖保乃糸は300円/300gです。そこまで払いたくない。クオリティはそこそこでいいから、とにかく安いものを。ということであれば、この播州そうめんはおすすめできます。ローソンストア100はそれなりに店舗数が多いですから、目にする機会も多いはず。試してみてはいかがでしょうか。おいしさよりも安さを求めるなら、ね。

さすがに星4はあげられませんが、ポジティブな星3を贈呈します。

DATA
名称播州そうめん
原材料名小麦粉(国内製造)、食塩
製造者カネス製麺株式会社
評価★★★☆☆