手延 氷見糸そうめん(氷見うどん高岡屋本舗)は穏やかな弾力の優しいそうめん。ツルンとしたのど越しは気持ちよかったです~氷見手延べ麺の歴史・氷見うどん事件 - 肝臓公司(かんぞうこうし)

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手延 氷見糸そうめん(氷見うどん高岡屋本舗)は穏やかな弾力の優しいそうめん。ツルンとしたのど越しは気持ちよかったです~氷見手延べ麺の歴史・氷見うどん事件

由緒ある氷見そうめん

氷見うどん高岡屋本舗の手延 氷見糸そうめん

富山県氷見市(ひみし)、株式会社氷見うどん高岡屋本舗の手延 氷見糸そうめん。

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九州屋 学芸大学店で購入しました。540円/180g。一般的なそうめんの量・300gに換算すると900円。高額なのですが、氷見うどん高岡屋本舗のオンラインショップでも435円です。さらに九州屋はお高いスーパー。こういう値段になるのもわかります。

これだけを取り寄せようとすると1000円以上しますから、それに比べればまあ。食べてみたかったので、高額ですが買ってみました。

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石川県との県境に位置する富山県氷見市は手延べうどんの産地として有名です。その南には砺波市という大門素麺の産地もあります。能登半島の輪島から手延べ製法が伝播してきたので、このあたりに手延べ麺の生産地が固まっています。

商標の話や氷見の手延べ麺の歴史については後ほど。

穏やかな氷見糸そうめん

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一般的なそうめんは19cmなのですが、氷見糸そうめんは25cm。

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開封。そうめんは結束されていません。香りをかいだところ、「ん?」となりました。このことも後ほど。

比較的細めです。そして堅いです。あまりしならず、しならそうとするとすぐに折れます。手延べそうめんでは珍しい。

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ゆで時間は約3~4分とあります。いや、この細さで3分は長いでしょう。1分半くらいから注視して、よきタイミングで……って1分半でよくね? 結局、1分45秒ほどで上げて、冷水で締めました。

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まずはそのままひと口。またしても「ん?」となりました。後ほど説明します。この「ん?」は3口目以降はなくなりました。

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3口目以降の感想です。風味はさっぱり。プニッとした、とても穏やかな弾力です。舌触り・のど越しはツルンとしていて滑らか。

優しいそうめんです。おいしいですが、これといった特徴は感じられませんでした。

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製造工程も拝見しましたが、手作業で丁寧に作ってらっしゃることはわかります。珍しいそうめんではあるので、贈り物なんかにはいいかもしれませんね。柔らかいそうめんが好みという方であれば。

氷見糸そうめんの変わった風味は何だろう

開封して香りをかいだ際、普通のそうめんとは明らかに違う香りがしました。どこかでかいだ香りです。レーズンのような……。よーく思い出してわかりました。お酒のグラッパやマールです。つまりは酢酸エチルっぽい香り。

ただ、不快というほどでもありません。ツンとはしていません。むしろまろやか。まろやかではありますが、なにかケミカルな感じと言いますか。連れにかがせてみたところ、「たたみの匂い」と言ってました。私はたたみの匂いには感じませんでしたが、確かに新築の家でありそうな匂いかもしれません。調べてみたところ、建材に酢酸エチルが使われていることもあるそうな。

食べてみても、1口目、2口目は「おや?」となりました。ただ、3口目からは気になりませんでした。また、麺つゆに浸せば、まったく気になりません。その程度です。

酢酸エチルかどうかはわかりません。仮にそうだったとしても、不快なほどではなかったので特に文句はありません。とはいえ、普通ではない何かを感じたので、製造者の方がこれをご覧になったなら、ぜひ一度、いろいろ点検してみてください。

※個体の問題だとは思います。あるいは氷見糸そうめんはそもそもこういう香りなんだ、ということかもしれません

「氷見うどん」は登録商標ではありません

「氷見うどん」という登録商標(標準文字商標)はありません。ただし、株式会社海津屋ホールディングスは

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というロゴ商標を所有しています(商標検索用「氷見うドん」)。

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この商標に現れている「ド」は漢字の「登」(+濁点)に由来する変体仮名(もしくは変体仮名を意識して作った文字)だと思われます。

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余談ですが、変体仮名はそば屋の看板や暖簾などでよく見かけます。こちらはそば屋にあった割り箸立て。「おてもと」の変体仮名です。それぞれ「御」「手」「茂」「登」に由来する変体仮名です。一番下の「と(登)」は氷見うドんの「ド(登゛)」と似てますよね。

氷見うどん事件

株式会社氷見うどん高岡屋本舗と株式会社海津屋が氷見市内の2大氷見うどんメーカーです。過去、両者の間で裁判沙汰がありました。

氷見うどん事件
富山地裁平成18年11月10日判決
名古屋高裁平成19年10月24日判決

これは不正競争防止法 2条1項13号、誤認惹起行為にかかわる裁判です。簡単に説明しますと、氷見うどん高岡屋本舗が岡山県で製造したうどんを氷見うどんとして販売していた。これが誤認惹起行為に該当するとして、同法5条2項の規定を適用して、海津屋の損害賠償請求(約2億4千万円)を認めたというものです。

参考/日本弁理士会:誤認惹起行為と損害額の推定規定~『氷見うどん事件』を通じて~

これまでをお読み頂ければわかる通り、氷見うどん事件と商標の話はまったく関係ありません。

「海津屋(関連会社)が『氷見うどん』の商標を所有しているから、氷見うどんという商品を販売していた氷見うどん高岡屋本舗が訴えられた」

というわけではありません。

当時登録がされなかったため商標としては昭和50年に創業した海津屋の関連会社が保有している。そのため、高岡屋が岡山県で製造したうどんを「氷見うどん」の名で発売していた際には不正競争防止法に基づき海津屋が訴訟を起こし、億単位の賠償金を伴って勝訴している。

出典/wikipedia:氷見うどん

というウィキペディアの記述も誤りです。

氷見手延べ麺の歴史

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手延べ麺の製法は遣唐使の時代以降、中国から日本へ伝わりました。日本へ渡ってきた中国人が伝え、あるいは中国で手延べ製法を見聞した日本人がその知識を持ち帰って来たということです。

日本と中国の間にある五島列島は古くからそうした人々が寄港していました。ですから、五島列島では昔から手延べ麺が作られていました。

また、中国から瀬戸内海を経由し、堺、都(奈良・京都)へも人が来ていたので、奈良県の三輪(現・桜井市周辺域)でもそうめん作りが栄えました。

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そんな五島列島から日本海を渡って能登へと手延べ製法が伝わります。能登のそうめんは名産品となっていました。そして、能登から氷見・大門、あるいは稲庭・白石へ手延べ製法が伝わりました。

※能登の手延べそうめんは幕末には衰退し、昭和14年には途絶えました

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氷見においては1751年(宝暦元年)に高岡屋が輪島から手延べの技法を取り入れ、手延べ麺を作り始めたとされています。この高岡屋はまさに、今回ご紹介している氷見うどん高岡屋本舗のことです。

創業者である初代 弥三右衛門が能登の総持寺のうどんを作り食べる習わし、能登輪島のそうめん座から技術などを採り入れ、氷見で糸うどんの製法を編み出したと伝えられています。

この糸うどん、氷見糸うどんは加賀藩前田候の御用達うどんとして献上されていたそうです。

DATA
名称手延 氷見糸そうめん
原材料名小麦粉、食塩、食用植物油
製造者株式会社氷見うどん高岡屋本舗
評価★★★☆☆