学芸大学駅から徒歩3分。都道420号線沿い、トリケンの隣のビルの3階に焼肉 東京パンチという焼肉屋があります。2019年6月1日にオープンしました。
ある人と来ようと思っていたのですが、予定がまったく合わず、我慢しきれなくてフライング。同い年・同じ姓の飲み友達と来てしまいました。
今後もずっとあるかどうかはわかりませんが、毎月29日、"肉の日"は公式インスタグラムをフォローすると29%オフ。前月、10月29日がそうだったと直後に知り、もう我慢できなかったというw
エレベーターでビルの3階へ。扉が開いたらエントランスはなく、その先がそのまま店舗になっています。
広々としたスタイリッシュな店内にはカウンター席、テーブル席がいっぱい。奥には個室もあるようです。
「最初は本店にいて、その後、銀座とか各店舗をいろいろ回って……」
遠いカウンター席から、店主と馴染みのお客さんの会話が聞こえてきました。店主は有名焼肉店・正泰苑で10年以上のキャリアを積み独立したそう。
※正泰苑の名をみずから公表することは控えている様子。けど、正泰苑出身ということはネットを見ればわかることですし、隠し通せるようなことでもありません。こうして他人が言う分にはまあね。しゃーないと諦めるべしw
肉はタン塩、カルビ、上ロース、ロース、ハラミ、ひとくち赤身、上ミノ、ホルモン。シンプルなメニュー構成です。
「かいのみ? みすじ? ともさんかく? 何それ?」
肉に詳しくなくても、これなら安心w
自家製の白菜キムチ。さほど辛くはありません。酸味と甘味、うまみがいいバランス。
東京パンチサラダのハーフ。ハーフにしておいてよかった。他テーブルのフルサイズを見ましたが、山盛りでしたw 二人ならハーフで十分です。
甘味とコクのあるドレッシングがおいしいです。まとわせ方も薄めでちょうどいい。
キムチとサラダで、この店の方向性が見えたような気がしました。おそらく味がきつくなりすぎないように注意を払っているはず。手は込んでいるんだけど、複雑には感じさせない。素材のよさをわかりやすくシンプルに出す。そんなスタンスなんじゃないかなぁ、と。そして実際にそうでした。
以下、肉はすべて1人前ずつです。味付けを選べるものもありましたが、すべてお任せにしました。
タン塩。
表面はしっかりと焼きつつ、中はレア目に仕上げます。プリップリ。ジュワッ。塩系のタレもおいしいのですが、タンそのもののおいしさがしっかりと堪能できます。
「ひろぽん、これめっちゃうまいな」
「ね」
普段、美好と東軒と中川にしか行かないヤツなのに、シンプルに漏らす感想が妙に説得力を持ってるw
ハラミ。
表面にしっかりと焼き色をつけつつ、じっくり火を通していきます。ジューシーで深みのある味わいです。
ロースは短冊形にカットされています。珍しいっちゃあ珍しい。
「どこ産でしょう」
「今日は茨城県の常陸牛です」
この言い方からすると、日によって産地が異なるのかもしれません。よくあることです。
常陸牛(ひたちぎゅう)は肉質のバランスのよさと、クオリティに比してリーズナブルということで、とかく人気の黒毛和種。お手頃だけどおいしい焼肉屋では一番よく使われている牛じゃないでしょうか(筆者の体感)。
「ロースと言ってもいろいろありますよね。部位はどこですか?」
「〇〇です。片面を炙ってお召し上がりください」
※あえて伏せておきます
言われた通り、片面を5秒ほど炙ります。まあ、長くとも20秒くらい? 好みではありますが、焼きすぎは厳禁です。
適度にサシの入った赤身。肉感がしっかりと感じられるのですが、柔らかくてしっとり滑らか。この強すぎないタレもちょうどいい。
半分ほどはゴニョゴニョします。うめーw
カルビ。全体にびっしりとサシが入っていて真っ白。これもどのあたり(部位)か聞いておけばよかった。
がっつりとした脂がジワッ。甘くて濃厚。
一枚目は炙る程度にしたのですが、それでは脂がきつすぎました。二枚目以降はしっかりと焼いて表面をカリッとさせます。それでもやはりこってり。このカルビを頼むなら、
- 若くてまだまだ脂も大丈夫!脂大好き!
- 4人で行って一人前を頼み、一人一枚
- ご飯とともに
こういう人、こういう食べ方がおすすめです。40歳以上がカルビ単体でいくのは要注意w
ホルモンはムッチムチ。下処理がしっかり施されているためでしょう、脂が一切ありません。そしてタレも甘すぎない。だから見た目よりあっさりです。もちろん変な臭みはありません。ホルモンが苦手という人でも食べやすいと思います。ただ、弾力がすごいので、噛み切るのがちょっと……という人は避けた方がいいかも?
上ミノは細かく丁寧に仕事が施されています。
普通はコリっとするのですが、この上ミノはシャクシャク。味付けは塩コショウ+αとシンプルなんですが、めっちゃうまい。食感がおいしさを一層増幅させてるようにも感じます。
それにしても炭の具合がいいなぁ。遠くからじわりと炙る感じの加減。カルビの脂が中央に落ちて、一度だけ一瞬、火が上がりましたが、それ以外では一切、火が暴れることはありませんでした。
肉メニューはシンプルでわかりやすいし、炭の具合が優しいので焼きやすい。焼きすぎになりづらい。ふむ。炭火の焼肉にあまり慣れてない人にもいいかもなぁ。
〆に冷麺。しっかりとしたダシ。ブリッブリな麺。うまっ。
「ひろぽん、いい店やなぁ」
「あ、そう。どこら辺でそう思ったん?」
「いま、トイレ行って来たやろ。トイレがTOTOのネオレストやった。これはグレードが高いやつ。ここにまで金かけてるってことは、いい店なんや」
「へー! いいとこ突くねぇ」
「そう?」
「うん。そういう目線、大事なんだよ。サンキュ」
会計は13,750円の29%引きで9,762円。ハイボールを二人で6杯も飲んじゃってたので、これを抑えれば通常価格でも12,000円台。一人約6,000円。このクオリティでこの値段は納得でしょう。
「なんで"東京パンチ"なんですか?」
「一発で名前を憶えて頂けるように」
「パンチのある店、ということですか」
「そうですねw」
「おいしかったです。ごちそうさまでした」
「ありがとうございます」
一人だとハーフサイズにも対応してくれるそうです(事前に要確認)。また、メニューには載っていませんでしたが、2名以上の予約があれば、コースを用意してもらえるかもしれません(公式サイト等で要確認)。
最近、"映え(ばえ)"なのか何なのか、妙に飾ったり、変な盛り方をしたりする店が多くて辟易します。
けど、ちゃんとした焼肉屋はそんなことをしません。余計なことをせずとも美しいし、おいしい。スタミナ苑もジャンボも、そして正泰苑もそうでしょ?
東京パンチもしかり。肉がいいから下手なデコレーションはいらない。肉自体にパンチがあるから下手に味付けを濃くする必要もない。
これが焼肉。これが王道。
「学大でいい肉をいい雰囲気でとなると、どこがいいかなぁ……」
そんな際は焼肉 東京パンチがぴったりかもしれませんよ。