学芸大学駅から徒歩1分。東口商店街方面の十字街に美好(みよし)というインディーズ居酒屋があります。1982年(昭和57年)創業の老舗です。鮮魚店で働いていた大将が37歳で始めました。
※2023年10月27日に閉店しました。約40年、お疲れさまでした。ありがとうございました
学芸大学でもっとも狭い居酒屋かもしれません(外海といい勝負?)。カウンター、小上がり(実質2人席)はいつも人で溢れ返ってます。
メニューは魚がメイン。
いつも盛ってもらいます。きれいでしょ? もちろんうまい。そして安い。こんなにボリューミーで1200円。
魚以外もおいしいです。
お酒もおいしい。ただ……。
グラスに刻印されたキンミヤのマークは「ここまで焼酎を注ぐ」という印じゃないんだよ、お母さんw
キンミヤ8、生グレ果汁1、炭酸1。1cm分くらいしか炭酸を注いでいませんw お母さんの優しさではあるのですが、殺人的濃さです。お酒に弱い方は「薄めで」とお願いしましょう。
いつも常連さんで賑わっています。常連で賑わう店はいい店です。いい店じゃないと常連はつきません。ただ、そんな店に初めて行った人が全員、その店を気に入るかというとそうでもありません。店主が常連だけに構って、一見さんが疎外感を感じたり、あるいはそういう店は個性が強いこともあり、店の雰囲気に馴染めなかったりということもあるでしょう。
しかし、美好は初めて行った人でも気に入ります。オヤジギャグが大好きな大将、人あたりのいい女将さんは誰にでも優しく、常連さんもみな上品に酔っ払っている。一見でも比較的簡単にその輪に溶け込むことができます。ここまでフレンドリーなインディーズ居酒屋はとても珍しい。
美好の優しさを表す一例。小上がりのこの席に座るとテレビが見えません。だから鏡を置いてテレビが見られるように工夫しています。
「左右逆になっちゃうんですけどね(笑)」(女将さん)
「右ピッチャーが左ピッチャーになる程度ですから(笑)」
私は自分を振り返ります。ここはいい店です。できれば常連にもなりたい。だけど、こんないい店の常連になる資格が今の自分にあるだろうかと。
この歳になってまだわきまえの知らない飲み方をしては酩酊し、時に記憶をなくしている自分。美好の常連になるには、まだまだ酒の飲み方、酒の制し方を覚えなきゃなぁと、恥ずかしくも反省させられ……。
ここの常連に見合う酒飲みになりたい。そんな風に思わされる、素晴らしい居酒屋です。
SHOP DATA
- 美好(みよし)
- 東京都目黒区鷹番2-20-13
- 03-3793-8896
- 公式