お通しがおいしい店はいい店です。ここ翔び翔(とびしょう)もそう。日によって違いますが、今回出てきたのは豆腐。
カリカリ梅、ネギ、カツオ節が乗っているのですが、オリーブオイルがかかっています。これが絶妙。思いっきり和の居酒屋ですから、ごま油でも垂らしそうなものですが、オリーブオイル。シャレてます。
学芸大学駅から徒歩10分弱、五本木交差点から約3分。三宿通り沿いにあるインディーズ居酒屋・翔び翔。1993年にオープンしました。
ご夫婦で切り盛りされている小ざっぱりとした雰囲気のある居酒屋です。
※2019年6月11日に行った際は大将がいらっしゃいませんでした。病気で入院されているとのことでした
お通しのおいしさに感激し、期待を抱きつついろいろ注文。どれも期待を裏切ることのない素晴らしい料理ばかりでした。
刺し身3点盛り。メニューの刺し身から好きな物を3つ選びます。今回は〆サンマ、ヒラマサ、アジにしました。大ぶりに切られたヒラマサ、アジは食べ応え十分。甘酢で〆られたサンマもとてもおいしい。実は大根のツマもいいんですよねぇ。こういうところに料理人の意地、こだわり、力量、人柄、すべてが出ます。そして、このボリュームで1050円!
自家製コロッケは福内商店を彷彿とさせる逸品。トロみのあるジャガイモが甘めに練り上げられています。ソースいらず。
自家製シュウマイもゴツい! 肉まんの餡のような感じ。味付けがさっぱりしていていいですね。
で、コロッケにもシュウマイにも、付け合わせが添えられています。1枚のレタスに野菜の酢漬けがくるまれているのですが、これがまたやばいくらいにうまい! 和式ザワークラウトとでも言いましょうか。
付け合わせ単体でももちろんおいしいのですが、ぜひ、コロッケやシュウマイをレタスに包んで食べてみて下さい。レタス、酢漬けの野菜、コロッケ・シュウマイがとてもよく合います。はぁ、幸せ。
パクチー餃子もおいしかったなぁ。パクチーの風味を活かすためでしょう、餡の下味は薄めです。自家製ラー油をたっぷりつけて食べましょう。
以下は別日。
泡が溢れそうな生ビール。豪快!
おそらく納豆+山芋+うずらの卵。なんですが、もうひとつにんにくのようなフレーバーも感じます。なんだろう。何か隠してるw こういうお通しが嬉しいね。
刺身は大ぶりに切り分けられていて豪快。食べごたえがあります。もちろんおいしいです。タコなんてコリッコリのプリップリ。
鶏唐揚げも巨大。衣はガリッと堅めで、肉は大きいからジューシーで柔らかい。少し甘めのにんにく醤油もガッツリ。パンチがあります。わかりやすくたとえるなら、照り焼きを唐揚げにした感じ。超うまい!
なみなみと注がれた芋焼酎・和助。これまた豪快。
手がこんでいる凝った料理なのに豪快。これが翔び翔のポイントなのかもなぁ。
「どうして『翔び翔』っていうんですか?」
「『翔』という字を使おうというのは最初から決めていたんです。ゴルフに飛び賞というのがあって、じゃあ二文字とも『翔』にして、『翔び翔』にしようと」(女将さん)
その時は飛距離で争うドラコンのようなものかと思っていたのですが、違いました。5位、10位などキリのいい順位に与えられる賞が飛び賞。トップやビリ/ブービーに絡めなくても、いろいろな人が楽しめるように設けられることがあるのだとか。
調理は大将もしくは女将さん一人なので、混むと料理が出てくるのに時間がかかります。お父さんの包丁さばきや常連さんたちの会話を肴に、のんびりと飲みながら、至福のひと時をご堪能下さい。
いや、違うな。さりげない、ほんのちょっとした細かなひと手間を感じながら料理を頂いていれば、時間なんてあっという間にすぎます。料理の隅々にさまざまな発見ができます。のんびりしている余裕はありませんw
SHOP DATA
- 翔び翔(とびしょう)
- 東京都目黒区五本木2-42-3
- 03-5722-0270
- 公式
後日談。翔び翔のお通しをマネてみたんです。最初、豆腐にごま油を垂らしてみたのですが、これがあまりよくない。ごま油が勝ちすぎます。次にオリーブオイルで試してみました。これだとちょうどいい。
自分でやってみて、改めて翔び翔がどれほど料理のことを考えているかということがわかり、感心させられました。