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大鴻運天天酒楼(学芸大学)の名物・海老ニラ饅頭はとてもおいしく、小龍包も蒸し鶏もすべてが素材をしっかり味あわせる料理でした

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学芸大学駅から徒歩10分ほどでしょうか。目黒通り沿いにある香港料理をメインとした中華料理店・大鴻運天天酒楼(だいこううんてんてんしゅろう)。「大」の字の電気が消えちゃってるけどw

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創業は1992年。公式サイトによると、

香港最古の飲茶レストランと言われる「陸羽茶室」の指導・協力を受けて、1992年に現在の目黒区鷹番に開業しました。

とのことですが、おそらく当初は際コーポレーションが運営していたと思われます。際コーポレーションの公式サイトでも店舗一覧に大鴻運天天酒楼が載っていました(参考:ウェブアーカイブ)。

ところが、2001年夏から冬にかけて、この店舗一覧から大鴻運天天酒楼が消えました。際コーポレーションから"独立"したのでしょうかね。ただ、現在でも紅虎家常菜 目黒という際コーポレーションの"施設"が大鴻運天天酒楼と同じ場所に存在し、目黒区内の飲食店等の食品衛生関係施設の一覧にも載っています。実情はよくわかりません。

それはさて置き。

現在、大鴻運天天酒楼を運営しているのは大鴻運株式会社。"店主"は料理研究家でもある孫 幼婷(ソン・ヨーティン)さん。通称、アーティさん。

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学大で一位・二位を争おうかというほどの規模で、収容人数100人を誇る巨大店舗です。ただ、後述しますが、料理は外観のど派手さとはまるで裏腹。

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1階と2階があります。1階は吹き抜けになっているので、とても広く感じます。2階は雰囲気がよさげ。上から賑やかな声が聞こえてきたので、大宴会が開けるようなスペースがあるんだろうなぁ。

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昔と今では内観がまるで違います。以前はザ・香港。赤を基調とした賑やかな中華料理屋だったようです。今は写真の通り、モノトーンとアンティークな家具で統一された、落ちついた雰囲気。話が飛んでしまうのですが、内装に限らず料理も、この20年でいろいろ試行錯誤されたんだろうなぁという気がします。

とてつもない数のメニューがあり目移りしてしまうのですが、今回は点心を中心に攻めて行きます。

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まずは名物の海老ニラ饅頭。かなり大きいです。プリップリの海老、ニラ、ひき肉などが薄い皮に包まれています。さすが名物と称されるだけあって、めっちゃうまいです。

このあとの料理すべてがそうなのですが、味付けがすごいんです。中華料理屋でよく使われている調味料はそれほど感じません。素材そのものをしっかり味わえます。素材、ダシのうまさが出ています。

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次は小龍包。超濃い"肉汁"がたっぷりジュワ~? いえいえ。ここの小龍包は誤魔化していません。ちゃんとした適度な量の豚由来の汁がジュワ。調味料ではなく豚の味がします。うめぇ。

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続いて中餃子。小龍包よりこちらのほうがむしろ汁は多めです。そりゃそうだ。醤油などの液体を使ってるからね。八角がきいています。これも何もつけずにそのままが一番うまいです。あえてつけるなら、一緒に供される海老の醤。こいつがまあべらぼうにうまい。下の写真の端にちょっと写ってる赤いヤツですw

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箸休めに蒸し鶏のネギ塩ソース(正式名失念)。いやぁ、すごい。見事。ネギの甘みと辛みがちゃんとわかる。鶏の蒸し加減は最高。かすかな塩味(えんみ)だけで食べさせる。極上。

どれも結構ボリューミーです。そこそこお腹にたまってきました。〆は海鮮五目おこげにしてみました。

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持ってきてくれたら、その場でジュ~。いい音。汁が浸みていてフニャっとなった部分と、カリっとしている部分が混ざり合うといいですよねぇ。食感も味のひとつ。味付けはもちろんギリギリまで研ぎ澄まされていて繊細。

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とても興味深くもあります。あれこれ使えば、もっと安く、そしてもっとパンチのきいた、わかりやすい"おいしさ"を出すことだってできます。そして、大型店は大量の料理を素早く出さなきゃいけませんから、効率を重視しがちです。けど、大鴻運天天酒楼は大型店なのに、やっていることは個人経営のこだりのある家庭料理風中華料理屋のよう。このギャップが面白い。まあ、今回頼んだ料理が特にそういうことを強く感じさせる料理ばかりではあるし、本当にちゃんとしているところは、ちゃんとしてるんですが。

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ネオンが直っていたので再撮

大鴻運=大きな幸運
天天=毎日
酒楼=料理屋

お客様の幸せを毎日祈って料理をお出ししています。そんなニュアンスなのでしょう。

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もし、調味料がガッツリきいた、パンチのあるコテコテの中華を食べたいのなら、大鴻運天天酒楼に物足りなさを感じるかもしれません。違う店に行って下さい。

「え? 中華ってそういうもんでしょ?」

もしそう思うなら、試しに一度、大鴻運天天酒楼へ行ってみて下さい。"中華"とひと括りにはできない、(中華云々ではなく)"料理"の奥深さを味わえるはずです。

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