もう、このまま終わっちゃうのかな。そう思いつつ、通るたびに開くことのないシャッターを見つめていたとんかつ屋「勝よし」。ところがある日、店の前を通りかかると……。
おおおお。これは! もちろん行きました。初日に。
まずは場所の説明を。いくつかのパターンを用意しました。これでわかってくださいw
(1)目黒通りの東急バス目黒車庫前から洗足駅前の洗足橋交差点(もしくはその先の小山七丁目交差点)へと続く円融寺通り。月光原小学校、居酒屋「あきた」を通り越した先、マイバスケット、中華料理「三宝楼」、碑文谷鬼子母神が近くにある五叉路。
(2)目黒通りの「大鴻運天天酒樓」の前の鷹番一丁目交差点を入って、ずっと真っ直ぐ。ギューンと大きくカーブする通りの中華料理「ハルピン」があるあたりの五叉路。
(3)都道420号(補助26号線)の目黒本町五丁目交差点から、平和通りを西へずっと真っ直ぐ行ったつきあたりの先の五叉路。
(4)武蔵小山駅のロータリーの向こう側、都道420号を渡り、「牛太郎」のある筋もしくは東天地本通り(「ご存知もんじゃの満月」のある通り)を入って、最初の大きな十字路を右折。五丁目栄通り(焼肉「三男坊」のある通り)を真っ直ぐ行ったところの五叉路。
ちなみに、学芸大学駅の東口商店街を抜けたところにある「かつよし」は違う店です。
予告通り。店は開いています。鮮やかな暖簾は、ご主人がまだまだお元気なことを物語っているようです。
店内はカウンター8席ほど。この日を待ちわびていたお客さんは私だけではありませんでした。とても賑わっています。
お父さんは補聴器をつけてらっしゃいます。厨房の壁には「注文はハッキリ大きな声でお願いします」と書かれています。ですから、元気よく、口を大きく開けて注文しました。
「とんかつ定食お願いします」
ちょいと小ぶりのとんかつです。衣は薄めでサクッとしています。肉は普通。けど、全体的によくまとまっている感じ。オーソドックスなとんかつです。おいしい。
会計を済ませた時、取り込み中というほどではなさそうなので聞いてみました。
「来月以降もこんな感じで営業するんですか?」
「火・金がベースで、徐々に増やしていこうと思ってます」(お母さん)
「もう倒れないようにしないとね(笑)」(お父さん)
両手で枕を作り、おネンネのポーズをするお父さん。なるほど、一度、ご病気かなにかで倒れたんですね。だから、こういう変則的な営業になっているようです。
「じゃあ、また表の看板見て、営業する日、確認させて頂きますね」
「ありがとうございます」
「ごちそうさまでした」
西小山駅から徒歩10分、武蔵小山駅から徒歩10分強、学芸大学駅・洗足駅から徒歩15分。住宅街のど真ん中ではありますが、周囲には会社や町工場的なものも結構あります。ただ、駅に出ないと食べられるところは限られてきます。そんな立地ですから、ご近隣の方、近くの会社に勤めている方が足繁く通っているようです。その日のお客さんも、常連さんがほとんどでした。そういう方々にとっては重宝なお店です。
お客さんはみんなニコニコ顔でとんかつを食べて帰っていきます。この店、この味、このお父さん、お母さんがいかに地域に愛されているか、ってことなんだろうなぁ。お父さんは耳が遠いというだけで、とてもお元気そうだし、近いうちに毎日暖簾を出せるようになるんじゃないでしょうか。
SHOP DATA
- 勝よし
- 東京都目黒区碑文谷1-4-2
- 03-3716-9705
- 公式
あー、そうか。なるほど。
中華料理「ハルピン」の前の妙なカーブ。正確にどう言うのかはよくわかりませんが、一種の暗渠(あんきょ)なんですね。
ずっと以前の話。碑文谷池から南へ川が出て、円融寺の西側で弧を描きつつ、立会川(現・立会川緑道)へ。清水池から南へ川が出て、先のカーブを経て、立会川へ。円融寺を挟むように二本の川が流れていました。
時代が移り、川はその用を終えて埋められます(ないしはフタをしたり、下水道にしたり)。もともと川(or 用水路)だったため、その上に家が建てられない。だから、当時の川の流れのまま道路ができていく、と。
暗渠は奥が深くて面白い(^^