都道420号、通称・三宿通り。自転車で走っていたら、目の端にチラリとおかしなものが映りました。
え? たいやき? 道を戻り、看板が示すほうを見てみます。
「たい焼」という赤いのぼりが出ていました。へー、こんなところにこんなのがあったのか。まったく気づかなかった。
※2020年1月3日追記:正確な時期は不明ですが、2019年の夏から冬にかけて閉店しました。追記以上
三宿通りの下馬一丁目交差点から都道420号を100mほど南へ下るとセブンイレブンがあります。そのはす向かいの路地を入ったところにあるのがたいやきや コバヤシ。最寄りの祐天寺駅から徒歩15分弱。学芸大学駅、三軒茶屋駅からは徒歩20分弱ほどでしょうか。
ガラっと扉を開けると、ニコニコしたお父さんが「いらっしゃいませー」。白あんとチーズをお願いしました。店内にはテーブルと椅子がふたつ。
「せっかくなんで、ここで食べて行ってもいいですか?」
「どうぞ~」
焼きたてのたい焼きを両手に持ち、椅子に座ります。さて、頂きますか。あ。
しまった。撮影をする前に白あんをガブリといっちゃったw
生地は薄めで表面はパリっとしています。香ばしいです。ここまで羽根がついているのは珍しい? 素朴でほっこりする味わい。
「目玉がありますね」
「そうなんです。大納言を使ってます」
「表通りで看板を見たんですよ。たまに通るんですが、今までぜんぜん気づきませんでした」
「路地裏ですからねぇ。なかなか気づいてもらえないですよねぇ」
「駄菓子もいっぱいですね」
「最初はたい焼きだけだったんですけど、待ってる間になんか食べたいって人がいて、駄菓子を置くようになったんです」
「最近は駄菓子屋さんって少なくなりましたよねぇ」
「そうですねぇ。駄菓子だけじゃやっていけませんからねぇ」
「けど、小さい子供たちが喜ぶんじゃないですか?」
「そうですね。コンビニのお菓子は高いし、こういうイカとか容器で買うと何千円ってしちゃいますから」
「こちらはどれくらいやってらっしゃるんですか?」
「12年目です」
「その前はどうしてらっしゃったんですか?」
「ずっと文房具屋だったんです。けど、目を悪くして、バイクで配達ができなくなっちゃって。家でできることはないかと考えた結果、たい焼きをやることになったんですよ」
12年前ったって、それなりのお年だったはず。そんな年から、新しいことを始めるってのはすごいよなぁ。
お父さんが粉をかき回し始めました。あまり長居してもねぇ。チーズは家で食べることにしました。
「とてもおいしかったです。チーズは家で頂きますね」
「ありがとうございました。またお寄り下さい~」
チーズは2種入っていました。白いチーズとオレンジのチーズ。ふむ、間違えた。こっちを店で食べるべきですよね。できたてだったんだから。失敗失敗w けど、冷めててもおいしかったです。
終始、ニコニコしていたお父さん。いつもは子供たちに囲まれて、楽しいだろうなぁ。顔がそう言ってますもん。お父さんの笑顔に釣られて、こちらも顔がほころびます。なんだか幸せなお店だ。
ああ、なるほど。店名がすべて平仮名と片仮名ってのは、子供でも読めるようにそうしてんのかな。
SHOP DATA
- たいやきや コバヤシ
- 東京都世田谷区下馬1-22-9
- 03-3424-2422
- 公式