このあたりでは珍しい博多とんこつラーメン専門店
祐天寺駅から徒歩3分。祐天寺みよし通り商店街に博多ラーメン 琉(りゅう)というお店があります。
2009年6月8日、現在地より一本北側の路地、祐天寺一丁目ふれあい公園の前で祐天寺DINERとして創業。2014年11月9日、現在地へ移転するとともに、博多ダイナー 琉と改名しました。そして2022年11月、居酒屋から博多ラーメン専門店へ業態変更、博多ラーメン 琉となりました。
「コロナが明けても客足が戻ってこなくて、このままだともう無理かもと思ったんですが、どうせだめなら好きなことをやろうと、博多ラーメンの店にしたんです」
とオーナー店主の森田武志さん。
「福岡のご出身なんですか?」
「大宰府です」
「けど、ラーメンをやるったって、昨日今日ではできないでしょう。居酒屋時代にも作ってたんですか?」
「それもありますし、もともと福岡でラーメン屋をやっていたんです。福岡にONOグループ(※有限会社ディー・ディー・カンパニー)という飲食グループがあって、そこにいたんですが、社長が博多ラーメンをやると言い出し、僕が任されまして。麺や おの(※現・麺や おの食堂)というお店です」
「ですよね。そういう素養がないとできないですもん」
なぜ博多ラーメン琉に来たかというと、私より5歳ほど年上の飲み屋でよく一緒になる先輩から「博多ラーメン琉がおいしくてさ、最低でも週に1度は行ってる。今度、一緒に行こうよ」と誘われていて、ようやくタイミングが合い、行くことになりました。
それに、豚骨ラーメンってこのあたりでは珍しいですしね。気になります。そしてもうひとつ理由があるのですが、これに関しては記事末におまけとして記しておきます。
キャッシュレス決済のみ
カウンター6席、4人掛けテーブル1、2人掛けテーブル1。入店から退店までの間、女性一人客が二名やって来ました。私たちのグループにも女性が一人。この女性も博多ラーメン琉によく来ています。
女性でも来やすい雰囲気ということもあるでしょうし、ラーメン自体も女性が食べやすいタイプなのかもなぁ。
ラーメンのほか、おつまみもあります(18:00以降)。
2023年10月1日より、上記価格に消費税分がかかります。また、キャッシュレス決済のみになります。ご注意を。
臭みのないすっきりした豚骨スープ
前日は3時まで飲んでました。軽度の二日酔いに流し込む瓶ビール。
店主1人で切り盛りしている為、満席時や片付け時、申し訳ありませんが、ご案内まで、お外でお待ち下さい。ラーメンの提供はスピーディです。
この説明通りです。あっという間にラーメン(850円)がやって来ました。
白濁したスープは粘度がなくサラリとしていますが、豚骨の甘み・コクがしっかりあって、深さも感じさせます。
大げさに言うならコリコリっとした食感の細ストレート麺。小麦の甘みがスープのコクとよく合います。
チャーシューはホロホロ、きくらげポリポリ。
1/3ほど食べたところで紅しょうがを投入。紅しょうがの酸味がコクのあるスープをまろやかにします。
世間は博多ラーメンの豚骨スープはクサ旨(ツーンとする獣臭)が旨いと言われてますが、臭く無く、コクと甘みのある、琉の豚骨ラーメンを是非ともお召し上がりください!
「すっきりしてるでしょ?」(先輩)
確かに。
豚骨感は強いのですが、まったく臭くないので、すっきりしていると言えるかもしれません。そういえば店内も豚骨臭がほとんどしませんでした。
ただ、すっきりとはしていますが、薄いわけではありません。物足りなくもない。
先輩が頼んだ特製ラーメン(950円)は卵黄が乗っています。
女性はマー油ラーメン(950円)。スープをひと口もらいました。マー油は焦がしニンニク油なんですが、ニンニク臭はほとんどありません。ほのかな香ばしさが感じられます。
「ひろぽん、ひどい顔w」
「昨晩、飲みすぎて」
「私も。けど、二日酔いにこういうのっていいね」
「ですねぇ。ただ、学大にあればなぁとも思いますが、近くでこんなの深夜にやってたら……」
「危ない危ないw」
うまいなぁ。豚骨臭全開の久留米ラーメンのような豚骨ラーメンも大好きですが、こういうのもなんだかいい。すっきりとはしていますが、「豚骨ラーメンを食った!」という満足感は大きい。
「全部飲まれましたね(笑) ありがとうございます」
と、空になった丼を見た森田さん。
「おいしかったです。もう少し若ければ替え玉してたんですが(笑)」
「普通のラーメンの麺は200gほどなんですが、うちは110g。博多ラーメンの麺は半分くらいの量なんです。というのも、低加水の博多ラーメンの麺は水分をよく吸って、お腹の中で膨れるので。これくらいがちょうどいいかもしれませんね」
森田さんは私より2つ下かな。腕にタトゥーが入っていますし、見た目は少々イカついのですが、とても気さくで話しやすい方です。
オーソドックスで本格派な豚骨ラーメン
なるほど食べて納得。女性客が多いのもうなづけます。豚骨はしっかりしていますが、家系とは違い、すっきり食べやすい。食べ終えたおじさんの胃ももたれません。
また、森田さんの気さくな人柄も女性を惹きつけているのかも?
1杯1500円の意識の高いおしゃれラーメンもいいのですが、オーソドックスで安心感のある、優しくて食べやすいこういうラーメンも好き。醤油にせよ豚骨にせよ何にせよ。
あの豚骨のうまみ、時々、無性に口にしたくなりません? けど、このあたりでは豚骨ラーメン、博多ラーメンはなかなか食べられません(チェーン系なら少し離れればあるけど)。そういう意味では、とても貴重なお店でもあります。
業態変更し、進退をかけ作り出される、深く優しい博多ラーメン。ぜひ一度。
おまけ:奇跡のラビット
店内のBGMはオールディーズ。森田さんはバンドでドラムをやっているそう。店頭にも店内にもスネアドラムが転がっています。
「フィフティーズとかですか?」
「そうですね。40年代、50年代の古いものが好きで」
と、ここで、壁に据えられた棚に並んだヘルメットが目に飛び込みます。そうだ!
「ラビットに乗ってます?」
「以前乗ってました。もう埼玉のほうに譲っちゃいましたが」
私が博多ダイナー 琉/博多ラーメン 琉を訪れたのは今回が初めてですが、気にはなっていました。というのも……。
久々にラビット(富士重工)を見かけて激写。かっこいい。 pic.twitter.com/7vliURODoX
— 後藤ひろし(ひろぽん) (@gokky_510) January 13, 2017
2017年1月13日、肉のハナマサ 三軒茶屋店の前で富士重工の名バイク・ラビットを見かけました。旧友が乗っていて、よく後ろに乗せてもらっていたので、思い入れがあります。かっこいいなぁと激写。
覚えてるぜ、ラビット。三軒茶屋でお前見たんだよ。そして今日は祐天寺。シールドは取れちゃってるけど、サイドの太陽建設という文字はハッキリ記憶に刻まれてる。なるほど、この文字は前オーナーのがそのままなのか。「博多ダイナー 琉」が現オーナーね。りょ。 #祐天寺 pic.twitter.com/A8XUui36bP
— 後藤ひろし(ひろぽん) (@gokky_510) June 8, 2017
そしてその半年後、2017年6月8日、それと同じラビットが博多ダイナー 琉(当時)の前に停まっているのを偶然見かけたのです。
ラビットを見かけること自体が珍しくなり、しかも、同じラビットを三軒茶屋と祐天寺で見かけるという奇跡。
そんなこともあって、博多ダイナー 琉/博多ラーメン 琉が気になっていたんですよねぇw
SHOP DATA
- 博多ラーメン 琉
- 東京都目黒区祐天寺2-4-3
- 03-6303-4723
- キャッシュレス決済のみ