駒沢大学駅から徒歩15分。三軒茶屋駅、学芸大学駅から20分。世田谷区野沢の龍雲寺バス停前にあるインディーズ居酒屋・ねぎ坊主。25年以上の歴史があります(2020年時点)。
カウンター6席ほどと壁際に2席。現在は70代のお母さんが一人でお店を切り盛りしています。
2、3度うかがっているのですが、いかんせん間が開いているので、覚えられていません。毎回、初めての客の体(てい)でうかがっています。騙そうっていうわけじゃなく、覚えてらっしゃらないことを申し訳なく思わせないための勝手な配慮から。
今回のお通しはモツ煮込みとクラゲ。前回はこんにゃくだったかなぁ。ほっこりとした味わい。おいしいな。
こちらは前回うかがったときに頂いた卵焼き。大きい!
今回も前回同様、どのあたりに住んでいるのか、普段はどこらへんで飲んでいるのか、仕事は何をしているのか、結婚してるのかなど、挨拶がてらの会話を交わします。と言っても、くどくど詮索するような方ではありません。さっぱりしたお母さんです。
「スパイシーチキンお願いします」
「スパイシーチキンは今なくて、ざんぎでもいい? 唐揚げ。北海道ではそう呼ぶの」
「北海道ご出身なんですか?」
「いや、息子が北海道が好きで。前は息子がお店をやっててね」
息子さんがいたということは知っていました。ただ、どんな"地雷"が埋まっているかわかりませんから、ずっと聞けずにいました。ようやく聞けるチャンス。思い切って突っ込みます。
「そうなんですか。息子さんは今どうしてるんですか?」
「こんなところでやってても儲からないでしょ。だから今は三軒茶屋でお店やってるの」
ホッ。"地雷"は埋まってなかった。よかったw
「三軒茶屋方面にもちょくちょく行くんで、機会があったら寄らせてもらいますね」
「あら、そう。ありがとう」
この翌日に三軒茶屋の息子さんのお店に行くことになるわけですが、詳しくはこちらをどうぞ。
若どりのザンギはお母さんの唐揚げって感じ。そこまで強い下味はついていないのですが、とてもおいしいです。
たまたまなのかもしれませんが、いつもお客さんはほとんどいません。お母さんは「もうそろそろ閉めようかしら。光熱費だってバカにならないし」なんて呟いてらっしゃいました。最近、こういうセリフをあちらこちらでよく耳にします。
どんどん少なくなってきてる地域に愛される飲み屋さん。こういう存在ってとても重要だと思うんだけどなぁ。
5年ぶり4度目の一見
2020年8月29日、諸事情あってねぎ坊主へ。5年ぶり4度目。
辞めるだなんておっしゃってたお母さんは相変わらずお元気。サバサバ。チャキチャキ。そして、この日はお客さんもいっぱいで満席でした。
お通しの大根とイカの煮物。しっかりと味がしゅんだ大根がとてもいい。てか、お通しってこんな量だっけ? 普通はこれの半分くらいだよねw
鳥の唐揚げ。やっぱ量がすごいw あちらに出された焼きそばも、吹き出しそうになるほど山盛りでした。聞けば、ナポリタンもすごい量だそう。
以前に食べたざんぎより、この鳥の唐揚げのほうがしっかりとした味わい。カリッとしてジューシーでめっちゃうまい。レタスも多いし、マヨネーズも多いw
あつ揚げもすごい量です。そしてこれまたうまい。衣はサクッとしてるんですが、豆腐はトロッ。
「おにいさん、これサービス」
「えー、ありがとうございます。うわっ。超立派!」
「一本〇〇〇円するのよ」
そうでしょうとも。人生で見た一番大きな明太子かもしれません。軽く炙られていて、中はレア。うまっ。
他にも、その日にいた常連さんが差し入れて下さったいろいろなものが次々と。ほや、ムール貝、梅紫蘇で漬けたショウガ……。
5度目の訪問でようやく賑やかな場面に出くわせた。こんなに求められていたら、まだまだ辞められませんねお母さんw
「私は見れないからわからないんだけど、ここのことが書かれてるって嫁が教えてくれて。名前だけは覚えてるの。後藤さんだって」
「あ、僕です」
「そうだったの! それ見て来てくれた人もいたわよ」
「そうですか。お嫁さんに後藤がまた来たとお伝えくださいw」
「悪く書かれてなくてよかったわw」
そりゃ。料理は安くておいしくて量がすごくて、こんなに楽しいお母さんや常連さんがいるんだもん。最高じゃんねw
SHOP DATA
- ねぎ坊主
- 東京都世田谷区野沢2-5-23
- 03-3410-2868
- 公式
- 【検索用】ねぎぼうず