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やきとりハウス ウッディ(西小山)の焼き鳥、豚しそ巻き、煮込みはとてもおいしくて、マスターとママの優しさにほろり

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西小山のある店に行こうと思ったら閉まっていました。定休日かな? しゃーない、他のところへ……。

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おや?

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え? こんなのあったっけ?

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うわああああ。

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ひゃっほー! 最高じゃん。

「こんばんはー」

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ほらきた。ママが豚でしそを巻いています。こんな素晴らしい瞬間にめぐり会えるとは。食べ歩きを趣味とする自分の運のよさに感謝。

「ごめんなさいね。ちょっと仕込みの時間が遅れちゃって」

とママ。マスターにコーヒー割と焼き鳥を注文しました。

西小山駅から徒歩1分ほど、サミットストア 西小山店のすぐ近くにある「やきとりハウス ウッディ」。持ち帰りもできる焼き鳥屋さん。メニューには昭和47年創業と書かれています。

「昭和47年創業なんですね。の割にはキレイですから、改装とかしてるんですか?」

「いや、何度か移転してるんだよ。昔、西友あったでしょ。あ、わかんないか。西友があったんだけど、その前で屋台やっててね。そこから、駅近くに店を構えるようになって、そしてここに移って来たの」

マスターは怖そうにも見えますが、めちゃくちゃ優しいし楽しい人です。

「お店やってる人?」

なぜかこう言われるんだよなぁw

「いえ、ぜんぜん。お店やってる方多いんですか?」

「調査なのかなんなのか、たまに来るねぇ。そうか。違ったか。こういう商売を長くやってると、だいたいわかるんだけどねぇ」

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店の名前の通り、店内はウッディ。カウンター5席ほどで、詰めれば6名ほど座れそうなテーブル席も。

あっという間に焼き鳥ができました。強い火で一気に焼くんだろうな。

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レバー、なんこつ入りつくね、ひな肉。どれもこれもうまい。特に巨大なつくねはハフッハフでコリッコリ。

「どれもおいしいんですが、このつくね、最高ですね」

「嬉しいねぇ」

食べ終わった皿をカウンターに乗せます。

「レバーもおいしいんですが、面白いですね。一番下のはハツですよねぇ。一番上にハツを刺すことが多いと思うんですが」

「ほんと、飲食関係の人じゃない?」

「違います違います(笑)」

「細かいところまで見てるし、気がきくしさぁ。初めて来た人って、こっちもよく見るんだよ。どんな人かなぁって。最近は少なくなったけど、昔は大変な人も多かったからさ」

食べ終わった皿は片づけやすいようにする。空いたグラスを差し替えの注文と同時に差し出す。料理にどういう工夫が施されているかを観察して、できれば供されたそのままをしっかりと味わう。ご主人の手を見て、タイミングよく注文する。こんなことは居酒屋飲みの基本中の基本ですから、別に特別なことはしてないんですけどねw

ママがひと箱分の豚を巻き終えました。マスターが冷蔵庫に入れようとするので、注文するにはいいタイミングかな。

「その豚、いまお願いしていいですか?」

「ああ、ぜんぜんいいのに。ストックあるし」

引き続き豚を巻くママを見ながら、しそ巻きが焼き上がるのを待ちます。

「それ、そのまま一本、ガブっといきたいくらいです(笑)」

「たまにね、一本頼む人もいるのよ。これをそのまま持って帰って、次の日、子供のお弁当とかにするんだって」

「あー、なるほど。それもいいですね」

「けど、しそを巻くだけよ? 自分でやればいいのに(笑)」

人懐っこい、かわいいママ。

しそ巻きもあっという間に焼き上がりました。

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説明必要? もうね。たまらんです。やばいです。

「巻いてるところ見てるじゃないですか。そしたら、これはもう食べる前からおいしいってわかりますよ(笑)」

「ははは。ありがとう」

続いてはもつ煮込み。

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ちょっとさあ。まっじでうまいんですけど!

「もつ煮もおいしいです!」

「食べるたびにおいしいって言ってくれるね。嬉しいねぇ」

常連の女性が二人やってきました。最初はテーブルに腰掛け、ママが豚をすべて巻き終えるとカウンターに移ります。ひと仕事終えたママも私の隣に座り、お茶割を飲み始めます。

と、ここで、マスターとママのふとした会話で、お二人が夫婦ではなさそうだということに気づきます。

「え? すみません、話の途中。今の感じからすると、お二人はご夫婦ではないんですか?」

「違うわよ。私は月に4回、こうしてしそを巻きに来てるの。私しかできないから」

「ああ、そうだったんですねぇ。けど、どうしてこちらで手伝うように?」

「もともとは客で、20年くらいかな、お客さんがまだいっぱい来ていた頃、私もずっと店に入ってたの。今はもうそこまで混まないから、月に4回だけ」

「月に4回だけなのに、こうしてお会いできたってのは、運がよかった(笑)」

ママが「ウッディ」で働き始めた経緯をとても詳しく話して頂きました。別に詮索したわけじゃありません。ママがみずから話し始めたんです。けど、その内容はプライベートに過ぎる話なので、ここには書けません。とても辛く、そして嬉しく、さらに悲しい、いろいろなできごとがあった、とだけ書いておきましょう。

「もうね、全部マスターのおかげなの。私だけじゃないわよ。ここに来る人はみんなそう。なんでもマスターに相談してね、みんな受け止めてくれるから、助けられるの。ほんと感謝」

とても心揺さぶられるお話でした。もしママがうるっと来ていたら、私も釣られていたことでしょう。けど、ママも強くなったんだろうな。泣いてもいいような話なのに、一切、涙は見せませんでした。

小声で顔を寄せ合い話をうかがっていましたが、おそらく話の内容はマスターにも漏れ聞こえていたはず。マスターはマスターで、好きなように話をさせていて、遮ることはしませんでした。

「やめなよ、もう。初めてのお客さんに」

そうたしなめることもせず。

しんみりとした話が続きました。ママはちょっと話題を変えようとしたのかな?

「ほら、見て、ピカピカでしょ。私が掃除してるのよ」

確かに、店内はもちろん、焼き台の周りも、換気扇周りも、何から何までピカピカです。すごい。と、ここでマスターがひと言。

「そういうことはお客さんに言わないのっ!」

あ、そこは注意するのねw いや、違うな。そうか。

基本的には立ち直っていますが、ママの悲しみは一生癒えることはありません。月に4回、ここへ来て仕事を手伝い、お酒を飲み、たまには溜まっているものを吐き出すことも必要。そう考えて、マスターはママの話を止めなかったのかも。いや、きっとそうだな。なんて優しいマスターなんだろう……。

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ニンニクみそキュウリ。自家製のニンニクみそがこれまたうまい。いいつまみ、というか、おいしすぎて一気に食べちゃいました。

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ママはミカンやお手製のチーズを揚げたものご馳走してくれました。

「ミカンはこっちからむくのよ。そうしたら、ほら、白いのが取れるでしょ」

孫気分w

ミカンを食べていたら、ママはこんなことも。

「見て、あれ」

振り返ると、バンドらしき人たちのポスターが貼られていました。

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「あれ、真ん中の人ね、マスターのお孫さんなの。まだテレビには出てないんだけど、全国でライブやってるのよ。その内、テレビに出るようになってくれたら嬉しいんだけどねぇ。あの子たちも、ここによく来るの。そうしたら、マスターは全部ご馳走しちゃうの(笑)」

まるで自分の孫かのように、それはそれは嬉しそうに話すママ。ママも優しいな。スマホで写真を撮ると、「見せて」。撮ったポスターの写真を見せると、ママはこれまた嬉しそうに笑います。

参考サイト:ROOXWELL(ルークスウェル)オフィシャルサイト(解散して閉鎖)

木は呼吸をしています。空気を吸収し、放散しながら、周囲の湿度が一定になるように自動調整する能力をもっているのです。

室内の湿度が高いときは湿気を吸い込み、逆に乾燥しているときは水分を放出するので、蒸し暑い夏、乾燥する冬でも、木の家は快適です。

引用元:日本の木のいえ情報ナビ

確かに内装には木板が使われています。それこそウッディです。けど、それだけじゃない。優しいマスター自体がまるで木の家。店にやってくる人たちの悲喜こもごもを受け止めます。すると、悲しみは癒えて心が安定し、喜びは増して幸せになる。初めて来たというのに、なぜか落ちつくのは、マスターという木のぬくもりがあるからだったんだなぁ。

誰が行ってもいいお店だと思うはずですが、特に女性におすすめしたいお店です。メニューはそれほど多くはありませんが、安くて超うまい焼き鳥があります。マスターはとても素敵です。ぜひ、ウッディへ癒されに行って下さい。

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