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フラミンゴカフェ グラッセリア青山はランチのサラダバーがお得でパスタもピザも絶品!南国リゾートのような店内・テラス席はデートや女子会にもピッタリです。

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表参道駅のB1・B3・A5出口から徒歩5分。渋谷駅の11番・12番出口から徒歩20分弱。高樹町通り(骨董通り)の小笠原流会館の脇道を入ると、フラミンゴカフェ グラッセリア青山/FlamingoCafe GLASSAREA青山というイタリアン・カフェダイニングがあります。

※2021年11月28日に閉店しました。とてもいいお店なので学芸大学でぜひ再開を!w

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グラッセリア青山/GLASSAREA青山は福井県と東急不動産による商業施設(2002年開業)で、福井県のアンテナショップも入っています。施設内には恐竜をモチーフとしたオブジェがいっぱい。

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写真手前の黒い球は恐竜の卵

ちなみに、グラッセリア青山の対面にある空き地はニュースにもなっている児童相談所建設予定地です。「青山ブランドを低下させる」などと建設に反対する住民がいて云々と報じられていますが、話はそう単純なことではないようで……まあ、それは置いといて。

目次

フラミンゴカフェの歴史

しっかりと聞き取ったわけではなく、ネット上の情報も少ないので、以下は不正確なことも含まれています。

※追記:後日、それなりに詳しくお話をうかがったのですが、かなーり複雑な歴史で覚えきれませんでしたw 以下は相当に単純化されていて、不正確なことも含まれています。ご了承下さい。追記以上

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神宮橋ビル(奥)と神宮橋アネックスビル(手前)。画像転載元/株式会社レーサムリサーチ 平成18年8月期決算説明会(PDF)

表参道のキディランド裏手、キャットストリートに神宮橋ビル、神宮橋アネックスビルというふたつのビルが並んでいました(現在、JOURNAL STANDARDがある場所)。神宮橋アネックスビル2Fには食器/雑貨店・フラミンゴクラブ、隣の神宮橋ビル1Fには同オーナーによる飲食店・モズがありました(和洋中なんでもあるようなカフェだったとのこと)。

1995年(?)、食器に合う料理を出そうということで、代官山にフラミンゴカフェをオープンさせます。そして2000年初頭、代官山のフラミンゴカフェの成功を受けてなのか、原宿のモズはフラミンゴカフェ2号店となります。

※もともと代官山にもフラミンゴクラブがあり、これがフラミンゴカフェになったという可能性も。詳細不明。

2004年、物件の事情で代官山のフラミンゴカフェが閉店を余儀なくされ、原宿店と合併。2006年、原宿のフラミンゴカフェも再開発(神宮橋ビル、神宮橋アネックスビルの取り壊し)により閉店します。

なぜわざわざビル名を出したか。神宮橋ビルの地下1階は原宿ZEST、2階はカフェ ラ・ボエム 原宿。ZEST1号店、ラ・ボエム1号店に挟まれてフラミンゴカフェがあったのです!

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余談ですが、テレビドラマ「探偵物語」の工藤ちゃん(松田優作)が最後に刺されるシーンは原宿ZEST前。

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閉店して10年経った今でも目黒店のあったテラスにはFlamingoCafeのオブジェが

2006年、フラミンゴカフェはラ・ポルト青山に移転します。2007年にはグラッセリア青山にも店を出し、2008年には武蔵小山の平和通りにも出店(目黒店)。目黒店はドラッグストア・セイジョー前のマンション1階です(キヤノンの寮)。

諸事情あって、目黒店は2010年に閉店。時期不明ですが、ラ・ポルト青山のフラミンゴカフェも閉店して、現在、都内のフラミンゴカフェはグラッセリア青山のみです。

登場人物

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AさんとスタッフのSちゃん
  • Aさん…碑文谷八幡宮秋季例大祭の神輿などでもお世話になっている大先輩
  • Wさん…フラミンゴカフェの偉い人。具体的な肩書は不明
  • Kちゃん…AさんとWさんに11年前にナンパされ、以来、Aさんと飲み友達となった子。私と同い年

Aさんは目黒店があった頃からの常連。今でも週に何度もフラミンゴカフェに通っていて、フラミンゴカフェのことについてAさんからよく話を聞いていました。ある晩もフラミンゴカフェの話題となり、酔った勢いで「フラミンゴカフェに連れてってー」とお願いし、今回、それが実現したというわけです。

フラミンゴカフェのランチ

南国リゾート風の店内

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店内にフラミンゴ感はありませんw バリのカフェをイメージしているのだそう。テーブルや椅子もウッディでおしゃれ。パッと見た感じだと、デート、家族連れ、女子会など客層・利用シーンの幅が広そうです。

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ゴールデンウィークの終盤、汗ばむほどの好天気の中、私たちはウッドデッキのテラス席へ。

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オーニング(雨よけ/日よけ)を開けると開放感があってとても気持ちいい。

「グラッセリア」はガラスとエリアを足した造語です。全面ガラス張りの近代的な建物なんですが、入口に大きなクスノキがあるせいか、施設全体が落ち着いた雰囲気。グラッセリア青山という施設にフラミンゴカフェがよく馴染んでいます。

ランチはサラダが食べ放題

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普通のランチセットを注文しているはずですが、もしかしたらお店のご厚意が入っていたり、あるいはセット以外のものを注文しているかもしれません。料理の内容に関しては参考程度に留めておいて下さい。

パスタやリゾット、オムライスなどのランチは1400円。前菜、パスタ、メイン(肉・魚)、デザートのコースは2300円だったかな? すべてにサラダバー、ドリンクバー、スープが付きます。創業当時から変わらないスタイル。

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この日は休みだったWさんも一緒にワインやスパークリングワインで乾杯。

「○○ちゃん、つまみお願い」(Wさん)

「つまみって言わないで下さい! 恥ずかしい!」(スタッフの子)

ははは。楽しくてかわいいスタッフたち。賑やかでカジュアルなお店です。かしこまるようなお店ではありません。

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ブロッコリー、チーズ、サーモン。前菜3種盛りといったネーミングでしょうかね。

どれもパンチがあって、とてもおいしいです。ワインが進む進む。今回は連れて来て頂いていますし、団体だったので、料理に対する観察は甘め。けど、それぞれがなんだか不思議な感じ。

「ブロッコリーに使われてるアンチョビは、そのままでもめっちゃおいしいの。このチーズにはしょうががかかってるんだよ。サーモンと一緒に食べて」

とKちゃん。いやぁ、しょうがはわからなかったなぁ。食べる人にはっきりと気付かせないひと工夫を違和感なく溶け込ませています。この加減が実は難しいんですよねぇ。

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アボカドとマグロをカリカリのバゲットとともに。これはもしかしてわさびか? いや、自信ないけど。一瞬、ふわりと鼻を刺激します。なんだろう。

隣にお店の人が座っているわけですから、聞けばいいだけのことなんですが、あえてそうしませんでした。それをやり始めると取材っぽくなっちゃうから。せっかくの仲間たちとの楽しいランチ。あまり真剣モードになり過ぎてもねw

とは言え、さすがに基本情報は押さえておきたいな。

「代官山時代からすると何年になりますか?」

「1995年から。もともとはモズという和洋中なんでもやるお店だったんです。それがフラミンゴカフェになりました。オーナーが鳥好きだから、最初の店はモズ、次がフラミンゴ。フラミンゴのグラデーションが好きらしくて」(Wさん)

この言い方からすると、代官山・フラミンゴができる前から原宿にモズがあったのかもしれませんね。

「平和通りにもあったんだよ。もう10年前か。そこで俺とWちゃんが仲良くなって、客で来ていたKをナンパしてな」(Aさん)

「そう、東京に出て来て、初めて行った店でw」(Kちゃん)

というようなことと、ネット上の情報をまとめたのが上述の歴史です。

まろやかなパスタ

さて、料理に戻りましょう。

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さっぱりとしたマルゲリータにはチリオイルをたっぷり。パリッとした生地がうまい。

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アサリと青のりのパスタ。和になりそうなものなのに、和ではありません。磯のいい香りがするペペロンチーノといったニュアンス。トマトソースのパスタは新玉ねぎがザックリとカットされているのが印象的です。

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タコとエビの"ジェノベーゼ"(※1)。

「これ、いわゆるジェノベーゼですよね」

「ええ、バジルの」

「バジルと松の実とニンニクと……」

「はい、松の実も使ってます」

私はジェノベーゼがさほど好きではありません。店によってバラつきが大きくて、バジルがきついと嫌になる。けど、これはバジルがしっかりしつつもマイルドで、バジルの尖った感じがありません。とてもおいしいです。

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どの料理もパンチがありつつもまろやか。何かひとつ仕込んでいるだろうことはわかるけど、それが何かをはっきりとはわからせない繊細な仕掛けが絶妙です。

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デザートもおいしい。シロップとミルクをたっぷり入れたコーヒーもおいしい。

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ぶはは。ビールにワインに麦焼酎。どんだけ飲むんだ。

飲食や買い物で、仲間にだけ金を出させて自分は負担しないことを「百舌勘定」という。百舌が他の鳥の鳴き声をよく真似る生態や、鴫と鳩を言いくるめて百舌はお金を出さず買い物をしたという昔話か生まれた慣用句。

出典/wikipedia:モズ

モズは百舌、百舌鳥、鵙と書きます。他の鳥の鳴き声をマネするから百の舌を持っているということで、百舌/モズ(※2)。

Aさんにごちそうになって、まさに百舌勘定。たっぷり約3時間、とても楽しいランチでした。

ブームにフラミンゴカフェが飲み込まれないワケ

1978年原宿ZESTオープン(~2006年)
1980年カフェ ラ・ボエム 原宿オープン(~2006年)
1985年バスタ・パスタ(原宿)オープン(~2000年)。初代料理長は山田宏巳
1988年イタめしブーム(雑誌『Hanako』に「イタめし」という言葉が初登場)
1989年IL BOCCALONE/イルボッカローネ(恵比寿)オープン
1990年ティラミスブーム(※3)
1993年カフェ・デ・プレ(広尾)オープン
1995年フラミンゴカフェ(代官山)、オーバカナル(原宿)オープン
1996年スターバックスコーヒー1号店(銀座)オープン
1998年オーガニックカフェ(中目黒)オープン(~2005年)
2000年LOTUS/ロータス(表参道)オープン
2001年chanoma/チャノマ(中目黒)、宇田川カフェ(渋谷)オープン

このような時代にフラミンゴカフェはオープンしました。CAFE de F.O.B(広尾)、オーガニックカフェ、そしてフラミンゴカフェなど、雑貨店がカフェを始めるということも多かったです。

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これだけカフェが増え、しかも再開発による立ち退きがありつつも、フラミンゴカフェは今もなお青山を代表する人気カフェの地位を保っています。いったいどうしてでしょう……。

フラミンゴが紅色なのは(中略)藍藻類の色素、β-カロテンやカンタキサンチンによるものである。孵化した直後の体色は白く、これらを含むプランクトンや藻類(スピルリナ)を摂取することで体色が紅色になる。

出典/wikipedia:フラミンゴ

フラミンゴカフェも染まって溶け込むことが上手です。代官山、表参道、青山と場所は変わってもその街に染まり、グラッセリア青山という施設にも溶け込む。

料理もそう。パンチはあるのに丸く収まっている。ポイントを際立たせず、ひと工夫を料理に馴染ませ、尖らせない。こだわりや仕掛けを混ぜ込みつつも、できるだけ多くの人に受け入れられるよう、多くの人が好むであろうテイストに料理を染め上げています。

だからこそ、移転を繰り返しても、時代が変わっても、どれだけカフェが乱立しても、フラミンゴカフェは長年に渡って広く支持されて続けているのでしょう。

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青山で、サラダバー・ドリンクバーがついて、このクオリティで、この値段のランチはまずありません。休日、ゆったりとした心地いい空間で、フラミンゴカフェに染まってみてはいかがでしょうか。

SHOP DATA

※1:日本ではバジルペーストを使ったパスタをジェノベーゼと呼んでいますが、本来は(イタリアでは)ペスト・パスタと言います。

関連記事/多くの人がジェノベーゼを誤解している件~緑じゃない本当のジェノベーゼパスタを作ってみた

※2:モズを百舌と書く理由は上述の通り。百の舌を持っているかのごとく他の鳥の鳴きまねをするから。百は「もも」とも読みます。ここから「モ」。「ズ(ス)」は鳥を表します。カラス、ウグイスも同様。

ただ、百を「モ」、舌を「ズ」と読むわけではありません。「大人」は大が「おと」、人が「な」ではありませんよね。今日・明日・百合・山羊……枚挙に暇がないほどですが、漢字表記と読みは必ずしも一致しません。

参考/wikipedia:熟字訓

※3:ティラミスブーム以降、スイーツ単品がブームになっていきます。第1次タピオカブーム(1992年)、ナタデココ(1993年)、パンナコッタ(1994年)などなど。