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メリメロ食堂 Lamp(ランプ)はビストロ風料理を中心としたカウンターがメインのワイン系食堂。パスタやカレーなどの食事系はランチはもちろん夜にもあります。

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駒沢大学駅から徒歩12分。三軒茶屋駅、学芸大学駅から徒歩20分強。環七沿い、龍雲寺交差点近く、「せたが屋」の向かいにメリメロ食堂 Lamp(ランプ)というお店があります。2018年5月24日にオープンしました。

麺くらい→豚野郎麺八と麺系が続いた物件です。麺くらいはそこそこ長かったのですが、その後は短命に終わっています。麺くらいと豚野郎はなかなかおいしかったんですけどね。鬼門物件に今度は洋食系。とても興味深く、店ができあがっていくのを見てました。

そしてオープン日。さっそくランチに行ってみることに。

メリメロ食堂ランプのランチ

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ランチは定番のものもありつつ、基本的には日替わりです。4種あって、前菜と自家製パンorライスがついてきます。

正確にはméli-méloとeの上にアクサンテギュがつくのですが、フランス語でごちゃ混ぜという意味です。「色々な料理を通して、温かな明るい気持ちに。そんなお店を目指してます。」とあります。

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まずは前菜。1ヶ月前のことなので不正確かもしれません。サラダ、カボチャをバルサミコで和えたようなもの、フリッタータ(イタリアのオムレツ)、ラタトゥユ的なもの、ポテサラ。だったかな? 内容は日によって変わるはず。

とても丁寧に手がかけられているなぁという印象。盛り方、合わせ方はまだまだブラッシュアップが必要だと思いましたが、いかんせんオープン日のことですし、オープンして時間も経っているので、現在はもっと洗練されているでしょう。いずれにせよ、どれもおいしいかったです。

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ボロネーゼ。味付け自体は穏やかなのですが、ふくよかさを感じさせます。何かのダシを使っているような。なんだろう。とてもおいしいです。

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自家製パンもとてもうまい。パンですくい、ボロネーゼのソースは一滴も残しません。

穏やかで優しいんだけど、奥行きがある。懐の深さを感じさせる料理でした。

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「この前はどちらで?」

「中目黒や恵比寿などで転々と」

大きな体の店主・西村純希さん。帰って調べたところ、麹町や中目黒などのお店で店長・料理長を務めていたそう。そして今回、独立してここに自身のお店をオープンさせました。

オープン日とは思えない落ち着きぶり。柔和な表情ですが、料理人としての性分はきっと頑固なんだろうなw こちらの勝手な想像ですが。

「なぜ、こちらに?」

「このあたりにこういうお店がないので、近隣の方に喜んでもらえるかなと思いまして」

「ここは前の店もその前もあまり続かな」

あ。せっかくのオープン日だってのに、俺は何を言ってるんだ? すぐにフォローを入れます。

「かったから、今度は長く続いてほしいなぁと(笑)」

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隣のご高齢の男性が会計を済ませ、お帰りになりました。店内は私と店主の二人。

「いま帰られた方、ここのオーナーさんなんです」

どひゃ。

「いや、別に物件自体をディスったわけじゃないですよ」

店主に言い訳しても時すでに遅し。まあ、事実は事実だ。

「ごちそうさまでした。おいしかったです」

「ありがとうございます」

店としての方向性が定まる頃合い、そうだな、1ヶ月ほど経ったら夜も来てみよう。

メリメロ食堂ランプの夜

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オープンして1ヶ月強経ち、夜に行ってみました。

男女カップル一組、男性一人が先客でいらっしゃいました。私は連れと二人。

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メリメロという名の通り、メニューもいろいろ。ビストロっぽさが強いですかね。ただ、イタリアンやスパニッシュな感じのメニューもあります。

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鶏・豚・ビーツの赤いテリーヌ(600円)。

「ソースが辛いので、お好みでどうぞ」

そのままソースを舐めてみました。おお。確かに辛い。テリーヌはプリッ、ホロッ。変なクセはありません。かといってハーブでキツく香りをつけてるわけでもない。優しくてまろやか。辛いマヨネーズソースをつけると、このまろやかさと相まって、辛みは抑えられ、ちょうどよろしい具合に。

「こういうお店でこの感じは最近の中では相当好き」

と連れ。ほぉ。

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国産牛ホルモンと白インゲン豆の煮込み(800円)。

な、なんだこれは……。私自身、数え切れないほど牛モツ煮込みを食べてきたし作って来ました。けど、この味は私の引き出しにない。普通は牛モツのコクが前面に出るのですが、これはそうじゃない。牛モツのうまみはありつつも、それとは違う柔らかなコクが全体を支配しています。味付けは控えめなんですが、味が薄いわけじゃない。なんだろう。なぜこんなにうまいんだろう。

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くんせいポテサラ(300円)。

なんじゃこれ!? ありえない。どうしたらこうなるんだ?

「この燻香すごいですね。何をどう燻製してるんですか?」

「じゃがいもと玉子と塩を燻製にしてます」

そうでしょうよ。それくらいしなきゃこんなに燻製感出ないって。とてつもなく強い燻香にまろやかで酸味のあるマヨネーズ。丼でくれ丼で。

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エビのビスクカレー(1000円)。

ビスクはクリームベースのスープ。エビのビスクはエビの殻をソテーして、香味野菜などと煮込んで濾したものを使ったビスク。

エビ感がハンパない。クリーミー。そこにカレーの風味。いわゆるカレーというよりも、フレンチのカレー。カレー風味がついたエビのビスクと言った方がいいかもしれません。極上。

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一般的にはこういう味付けをあっさりと言うのかな? 全体的に塩味は控えめで、ガッツリではないですし。ただ、私はあっさりとは感じないし、こういう味わいをあっさりと表現したくはない。このうまみの重ね方はむしろ芳醇。優しく穏やかではあるけど、ふくよか。

また、それぞれの料理に意図を感じさせます。「この料理はここをポイントにしよう」「これはこうしてみよう」と、あたかも自身にテーマを課して各料理を作っているように見えます。だから、控えめの味付けだけど、料理にメリハリがあって飽きさせない。「おお、こんな風にするんだ」と感心させられっぱなし。

大きな街の人気・有名店、客単5000円のビストロならいざ知らず、この地で、この価格帯で、このコンセプトで、このテイストをやっちゃいますか。ここまで手をかけちゃいますか。すごいな。本当はもっとわかりやすく無難に強めに味を出したいところ。そして、いい意味で手を抜いてカジュアルに楽に仕上げたいところ。なのにそうしないのは自信の表れ、あるいは職人気質から、か。

会計は二人で3600円。一杯ずつしか飲んでないし、それほどたくさん頼んでないしね。とはいえ、それなりに食べて飲んでも一人4000円はいかないでしょう。

「ごちそうさまでした」

「狭くて、(背後を客が通るたびに)何度もお立ち頂いてすみませんでした」

「いえいえ。おいしかったです」

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正直、「ああ、もっとここをこうすれば」「ここで店やるならそうじゃないだろう」と思うこともあるんだけどw、この不器用なまでの愚直さこそがこの店・この店主の特徴でもあり、よさでもあるのでしょう。料理人としてはきっと相当に頑固で、こうしたいんだし、こうしかできないんだし、これでいいんだろうな。

料理は嫉妬するほどうまい(味も技術も)。店主の人柄は穏やか。駅からは遠いですが、野沢、東が丘、上馬など環七近くだったらすぐです。ちょっと一回のぞいてみて下さい。おお、こんなとこでこんなクオリティのものが頂けるのかと思ってもらえるはずです。

カウンターがメインでテーブル席は少し狭めなので、初回は一人、二人がいいかもしれませんね。

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