浅草今半 国際通り本店のあるかっぱ橋本通りの一本裏に飲食店が軒を連ねる細い路地があります。この筋に店を構える鮨 ほまれ。銀座線・田原町駅(3番出口)から徒歩5分。銀座線・浅草駅(6番出口)から徒歩8分、つくばエクスプレス・浅草駅(A1もしくはA2出口)から徒歩1分。
浅草を中心に数十店舗を構える1924年創業の寿司屋・金太楼鮨。鮨 ほまれの大将は金太楼鮨で20年以上握っていて、2015年5月に独立、ここに鮨 ほまれをオープンさせました。
肝臓公司のメンバーの内の一人は浅草が地元で、金太楼鮨の親方とは小さい頃から懇意にさせて頂いていて、鮨 ほまれの大将とも旧知の仲。今回、私の誕生日祝いとして鮨 ほまれでごちそうしてもらいました。
カウンター8席、4人掛けテーブル2つ、2人掛けテーブル2つ。カウンターもテーブルもきれいな白木で、落ち着いた照明と相まって、とても温もりのある店内です。今回はわれわれ8名がカウンターを独占。「金太楼鮨」の親方にも顔を出して頂いていたので、ほぼ貸切状態でした。
基本メニューは6000円もしくは8000円のコース。あとは応相談という感じでしょう。ただ、私はごちそうになってるので、今回がどんなコースなのか、普通のコースと同じなのか違うのかはよくわかりません。たぶん6000円のコースに飲み放題かな。
さざえ、茶碗蒸し。ダシがしっかりきいた濃厚な茶碗蒸しは余裕で10個食えます。
銀杏、白子の天ぷら、太刀魚、カツオ、自家製からすみの前菜。ねっとり、こってりしたからすみがえげつない。作り方を教わりました。今度やってみよう。
クエの椀。フグ、アンコウよりクエが好き。身がしっかりしていてコク、甘みがあって、超絶うまい。柚子の香りもいい。
ここで"誕生日ケーキ"が登場。特別にご用意頂いたそうです。セイコ蟹、ウニ、イクラの盛り。たまらん。
これにあわせるのは親方から差し入れて頂いたChateau Reysson Haut-Medoc 2014。重めでしっかりしたボディの赤ワインが濃厚な蟹、ウニ、イクラにいいんです。特にウニと赤が激ヤバ。
私は大将と初顔合わせ。私と同年代くらいなんだろうな。朗らかで明るくて、とても楽しい方です。ですから、普段もどちらかというと賑やかな雰囲気だと思います。この日はほぼ貸切ですから、それはそれはw
ここから握りです。すべて醤油等が塗られて出て来ます。
コハダ、ボタンエビ。コハダはサッと締められてます。ボタンエビはプリプリ。赤酢のシャリは甘くふくよか。口に入れるとホロっとほどけます。やばっ。
深海魚のメヌケ。初めて目耳しました。食べるのも初めて。釣り上げると、水圧の変化で目が飛び出ることからメヌケと言うそう。脂が乗っていて、ふくよか。皮が炙られているので香ばしさもあります。うまいなぁ。
漬けのアワビ。柔らかくてうまっ。
私の勘違いかもしれませんが、握り方には2パターンあるように見えました。これまでは最初、親指で一瞬、シャリをへこませていました。シャリに空洞を作る技法です。けど、アワビを握る際はそれをやっていなかった。比較的しっかり握ります。ネタによって変えているのかもしれません。
実は先だって、マグロの赤身を漬けにし始めていました。その瞬間、とっさにスマホで時間を確認。そして赤身を取り出した時にも時間をチェック。約30分経っていました。
あああ。赤身のおいしさを損なわない漬け感。ねっとりし過ぎず、けど濃厚。このヅケはまじうまい。
まさにトロけるトロ。握りが始まる前に立派なワサビをすっていたのですが、そのワサビがこのトロに本当によく合ってる。トロは濃厚だし、赤酢のシャリもふくよかなんですが、ワサビが締める。いいバランスだなぁ。
蟹の椀。甘みがあってうまくて、こりゃ余裕で1リットル飲めるな。
この玉がまたね。しっとりしてて、ダシがきいてて、まっじうまい。
最後にイカ。指先でかすかに付けられた塩。イカの甘みがさらに増しているかのよう。うめぇ。
デザートはトロみのある柿とバニラアイス。このアイスはなんだろうな。こってりしててめちゃうま。
鮨 ほまれは「寿司」ではなく「鮨」。大将のお人柄はいい意味で軽やかで、まつ毛が長くかわいらしい面持ち。けど、握る寿司には伝統・経験に裏打ちされたしっかりとした技があり、その様は重厚です。
すぐ隣の筋の寿神 ふた川をはじめ、界隈には数え切れないほどの寿司屋があります。寿司激戦区・浅草。浅草で寿司、どこがいいだろう――そんな時は候補のひとつに加えてみて下さい。楽しくも、うならせてくれるひと時が過ごせるはずです。
SHOP DATA
- 鮨 ほまれ
- 東京都台東区西浅草2-27-1 伊東 ビル102
- 03-6802-7235
- 公式