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輸入ワイン専門店・美濃屋(学芸大学)はとてつもない数のワインがあって、とんでもなく安く、店主は優しくて説明上手。勧められた2009 ムーラン・ド・シトラン(MOULINS DE CITRAN 2009)はしっかりしたボディで濃厚でした。

濃厚でおいしいサラミを買ってきたというのは前回の話。今回はそのサラミに合わせるワインを買いに行ったという話です。

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学芸大学駅から徒歩8分。目黒通り沿いにある輸入ワイン専門店・美濃屋(MINOYA)。サイゼリア 目黒鷹番店の並び、バーミヤン 碑文谷店の目の前です。

以前は都道420号(バス通り)沿いにありました。ROBITA'Sの場所です。2010年ごろ(?)に現在の場所へ移転しました。店主は50年ほどワインに携わってきた方なんだとか。

※2019年4月15日に閉店しました。おいしいワイン、楽しいお話、ありがとうございました

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店内はワインで溢れ返ってます。わけがわかりませんw でも、ゆっくりと棚のひとつひとつを見て行きます。すると、わからないなりに、なんとなく把握できてきます。どういう風にワインが並んでいるのかと。

詳しければ店主とワイン談議に花を咲かせるのも楽しいはず。この日も常連さんがいらっしゃってて、試飲しつつ「これはメルロー50?」みたいな会話をしています。

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それぞれのワインにはA4のコピー用紙のメモが添えられています。話によると店主はすべてのワインを試飲しているそうです。わかる人にとってはかなり便利なんじゃないでしょうか。

ちなみに私のワイン偏差値は30。好きですしいろいろ飲んでますが、語れるほど詳しくはありません。なで肩ボトルの赤ワイン、細長い白ワインが好みという傾向がある、という程度。要は重め、甘めが好きだということですなw なんちゅうひどい知識だw

こういうワイン専門店だと、お高いワインばかりじゃないかと思うかもしれません。けど、ぜんぜんそんなことはありません。1000円のワイン、いや600円のワインだってあります。

で、どうする? とりあえずボルドーだろうな。ま、素人が迷っても仕方ない。聞いてみよう。

「すみません、いっぱいあって決めかねてまして。そこそこ重めで、何かおすすめはありますか?」

もちろんメチャクチャな聞き方だというのは重々承知w

「そういう風に聞かれるのが一番困るんですよねぇ(笑)」

でしょうねw

「ご予算がありますし……」

「2000円以内でなんとか収めたいなぁと」

「ボルドーでしょうかね。このあたりと、あと……」

少し歩いて、店の一番角へ。

「たとえばこれとか。若めの方がいいでしょうね。年が経つとまろやかになって、飲みやすくなるので、人によっては物足りないって言う方もいらっしゃいますし。この辺りもボルドーなんですが、ボルドーといっても川の流域が違うので……」

「そうなんですか。なるほどぉ」

なーにがなるほどだw とはいえ、よくわかりました。ワインのことではなく、この店主のことが。説明がとてもお上手です。単に丁寧とか詳しいとか、そういうことではありません。ちゃんと相手のレベルに合わせて、その人に最適な言葉を選んでくれています。

単なるマニアだと話が止まらないはず。でも、この方はそうじゃない。そのあたりのクールさがいいな。もしワインを極めたいなら、この店主が熱を込めて説明し出すような質問をすることを目的に行くといいんじゃないでしょうかw

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さて、最初に示した棚には1000円ほどのボルドーがずらり。でも、どのエチケットも見たことがあるような気がします。シャトーの建物の絵が書かれたエチケットは覚えづらいw 最後に店主が勧めてくれたMOULINS DE CITRAN 2009/ムーラン・ドゥ・シトラン 2009にしてみましょう。1980円ですから、私にとってはなかなかのお値段です。けど、せっかくだしね。

「じゃあこれお願いします」

「お客さんで3人がおいしいと言ってたから、たぶん大丈夫だと思いますよ。こういうのが一番あてになります。私一人じゃわかりませんもん(笑)」

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家に帰ったその夜、さっそく飲んでみました。

コルクを抜いたその瞬間、フワリと甘い香りが立ち上ります。グラスに注ぐと濃いルビー色。完全にうまいやつじゃないか。

ひと口目。キュッとタンニンが歯ぐきを引き締めます。と同時にカシスのような甘みを舌に感じます。よく言いますよね。「カシスのような~」。なんやねんと。どないやねんと。けど、これを飲むとわかります。確かにカシスのような味わいです。

メルロー50%、カベルネ・ソーヴィニヨン50%のこのワインはしっかりとブドウの濃度を感じます。グッと詰まった感じ。うまい。うまいし、これは私の好みの味。やば。

おっとっと。そうそう。サラミに合わせるために買ったんだった。Charcuterie du Mangenton(シャルキュトリ デュ マンゲントン)の白カビサラミは濃厚です。クセありまくりです。合わせるとどんな化学反応を起こすのでしょう。

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お。……お? なんなんだ。不思議です。濃いものと濃いものを合わせたのに、なぜかまろやかになります。サラミの後味もワインの風味も。どちらかがどちらかを高めるとかそういうんじゃない。どっちもが丸くなる。こりゃ面白い。

半分ほど飲み、次の日に残りを飲みました。抜栓して一日経つと、CITRANはほんの少しまろやかになっていました。"開いてる"ってやつでしょうか。どんどん飲めます。ちなみにこの日のつまみは洋風牛モツ煮込み。

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いい。とてもよく合います。本当においしいなぁ。

でも、飲んでいる内にふと、ひとつの疑念が頭をよぎります。これほど深みがあっておいしい赤ワイン。さっき調べたらマルゴーのほぼ隣に位置するシャトーです。評判もすごくいいらしい。めちゃうまで、私が大好きな味。これ、1980円なのか?

サクッと調べてみました。ビンテージが2010ですが、AEONにあります(在庫はなし)。AEONもワインには相当力入れてますからね。しかも巨大企業。スケールメリットを活かして格安で販売してるはず。

AEON:2010 ムーラン・ド・シトラン / シャトー・シトラン(Moulins de Citran 2010)

え? ワインを激安で売るAEONで2500円? 楽天市場Amazonでも見てみました。種類は違うのかもしれませんが、2000円以下なんてほとんどありません。だいたい2500円。ENOTECAだと3000円。

まじですかと。物を知らないばかりに、のんきに「うめぇなぁ」なんて飲んでいますが(今まさに!)、2000円以下で買えるような代物じゃないんじゃね?

ほろ酔いの今、私はこう決心しました。今後、ワインは絶対、美濃屋で買おうと。そして、近い内に「CITRANめっちゃうまかったです」と伝えに行き、美濃屋でCITRANを褒めた4人目になろう、と。

※追記:数日後、また行って「CITRANおいしかったです。3人が褒めてたっておっしゃってましたが、私が4人目になりますw」と伝えてきました。

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追記。幾度となく買っています。こちらはヴィラ・デパン。ピノ・ノワール。1000円。しっかり目。この値段でこれはかなりいい。

お父さんはお釣りにピン札を選んでいました。わざわざピン札を両替しに行っているそう。おそらく何百本とあるワインの値段をすべて覚えています。キッチリした性格なんだろうなw お話しがとても面白い素敵なお父さんです。

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