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KURA 祐天寺店の納豆パスタは単なる和風パスタじゃない。とても奥深く、人を動かすほどおいしい~食の熱量

人を動かす熱量。今回はそんなお話です。

中目黒に本店があるパスタで有名なイタリア料理店・KURA(座/坐)。祐天寺、渋谷、五反田などにも店舗があります。2005年には学芸大学にもできました。2007年ごろには閉店してしまいましたが(年は不正確です)。

「KURAって知ってる? 中目とか祐天寺にあるパスタ屋さん。昔、学大にもあって、そこの納豆パスタがすごくおいしかったの。あまりに好き過ぎて、バイトに応募して働いてたくらい」

と倫子ちゃん。ここまでさせる納豆パスタはすごい。そして、こんな話をするその熱量に私はやられます。2日後の昼、さっそく行ってみました。

※追記:2023年3月30日に閉店します。閉店のアナウンスで祐天寺店がフランチャイズだったことが判明しました。追記以上

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祐天寺駅から徒歩2分。マクドナルドの先のビルの2階にあるKURA 祐天寺店。店内は子供連れのお母さんやママ友っぽいグループでいっぱい。一応、メニューをもらいましたが、ほとんど見ませんでした。当然、納豆パスタ(中盛り)を注文します。

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なかなかいい席。厨房内をつぶさに見ることはできませんが、なんとなく料理人の動きは見えます。お母さん方の会話でガヤガヤしていますが、目をしっかりと厨房に向け、耳をかっぽじって様子をうかがいます。

パスタを茹でながら、フライパンを火にかけます。と同時に、小さなボールに納豆を入れ、醤油っぽいものと何かをピュッと入れ、事前情報でわかっていたのですが、刻んだピクルスなどを入れました。そう、この納豆パスタにはピクルスが入っているのです。

茹で時間がとても短い。生パスタだからでしょう。フライパンがジュッと音を立てました。何を入れたんだ? 茹で汁?

茹であがったパスタをフライパンに入れてサッと振ったら、皿にパスタを盛り、納豆を乗せ、大葉、刻み海苔をトッピング。

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やってきました。よくある納豆パスタとはちょっと違います。まずは皿に溜まっているダシのようなものをひと口。ほっほー。香ばしい。ニンニク? いや、それだけじゃない。ほのかに甘みもある。なんだろう。ブイヨン的なものを入れているのか? 塩味(えんみ)はほとんどありません。香ばしくておいしいスープです。

次は納豆部分だけを食べてみます。私は誤解していました。ダシ醤油全開と予想していたのですが違います。ダシどころか醤油っぽさすらあまり感じません。塩味はごくごくわずか。そしてまろやか。卵?

全体をよくからませ、パスタをひと口。うん、これはすごい。五●衛門的ガッツリ和風パスタではありません。納豆、海苔、大葉が使われているというのに、それほど和じゃない。塩味もほんのわずかだというのに、味が薄いわけじゃない。

「再現しようとしてみたんだけど、どうやっても無理だった」

と倫子ちゃんが言っていました。私は粋がって「オッケー。やってやんよ」と応えていたのですが、これは無理です。あまりに繊細。あまりによくできてる。

パンチはないけど奥深さを感じさせます。パンチがないのに、なぜかどんどん食べたくなる。食べ終えてもなお、まだ食べたい。店を出てもまだ食べたい。翌日もまた食べたくなる。なにこれ。不思議。

味が濃ければおいしいってわけじゃない。そんなことを痛感させられた「KURA」の納豆パスタ。チェーン展開してるし、どうせほとんどセントラルキッチンだろ?と侮ってはいけません。こいつはすごいパスタです。なんてったって、人をここで働きたいと思わせ、実際に働かせるくらいのパスタなんですから。

どれほど私が筆を尽くしても、この熱量にはしかず。

その日の夜、KURA 祐天寺店にランチで行ってきた、あれはすごいとPremier1にいた倫子ちゃんに報告。

「え、私も今日、行ってたよ」

ははは。ニアミス。そして、やっぱ好きなんだねぇw

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