学芸大学駅西口を出て、五本木方面へ線路沿いに行くと学大横丁があります。ラーメンの青葉がある界隈です。東急の高架下がきれいになり、2010年に学大横丁ができました。そして、もともと高架下にあったお店も学大横丁に入ることになります。その内の一軒が定食屋の国田屋(くにたや)です。
詳しくはわからないのですが、創業20年ほどになる国田屋。店の歴史はあるものの、学大横丁ができてまだ5年ですから、店内はとてもきれいです。今回は休日の昼時に行きました。店内はおっちゃん、家族連れ、おじいちゃん、おばあちゃんでいっぱい。
定食、丼物、一品料理、いろいろあります。私はメンチと明太子コロッケ定食、相方は鳥の唐揚げ定食を注文しました。
手作りの定食屋は混んでいると出てくるのに時間がかかります。逆に、時間がかかるということは、それだけ手を加えているということ。これくらいの規模のちゃんとした定食屋に行くのなら、ある程度の時間的余裕が必要です。
対面のおじいちゃんは、ゆっくりと何度も咀嚼しながら煮物を食べています。目をつぶって、ムシャムシャムシャ。おいしいんだろうなぁ。あのお年になって、一人で食べに行けるお店があるってのは、いいことだよなぁ。
そうこうしている内に定食がやってきました。
見ただけで、どれほどちゃんと手がかかっているかがわかります。上等です。ソースなどかけずにまずはひと口。濃い色のほうはメンチでした。肉ぎっしり。下味もバッチリ。衣はサクッ。うめぇ。
次は色の薄い明太子コロッケ。ひと口で悶絶します。超うまい。明太子の量もハンパない。ツブツブがたっぷり。そして衣はカリッ。これもソースをかけたら台無しだ。このままがいい。
キャベツの千切りも素晴らしい。ポテトサラダと一緒に、あるいは揚げ物と一緒に食べます。最高。
おひたしも煮物もおいしい。お新香には昆布のみじん切りをほんの少しまぶしています。ニクイ演出。
メンチと明太子コロッケは、それぞれあと2、3口分。ご飯の残量もちょうどよさそう。ピッタリだ。定食屋における"数学"をやらせたら、まあ私は満点を取る自信があります。しかも。
はい。いつもの通り、連れがご飯ふた口分くらいと唐揚げひとつをこちらの皿に乗せてきました。女とメシを食いに行った際に生じる、メシの量に関する不確実性と、それに対する予測。私はこれを"メシシェア予想"と呼んでいます。
女子Aの腹が満たされるメシの量をX、自分の食べられる許容量をYとした場合……と、詳しく話しだすとややこしくなるので、簡単に言いますと、女が食べきれない分を想定しておけ、ということです。ちなみに、私はわかっているので、あえてご飯を大盛りにしませんでした。一人なら大盛りにしていたでしょう(大盛りは無料)。
増えた分のご飯と唐揚げを食べ、元の状態に戻します。そして、目論見通り、最後は口を明太子の味で満たしてフィニッシュ。ところが。
さらにご飯だけをひと口分、乗せてきやがった!
「おい!」
そう言った瞬間、吹き出す連れ。むかつく。こいつは俺が何を考えて食ってるか重々承知。なのに、最後の明太子コロッケを食べ終えるのを見計らって、ご飯を乗せやがった。
「まだお新香残ってるから、それくらいがちょうどかな、と」
ちげーよ! この口は、ご飯&明太子で一区切りつけたかったんだよ。ご飯&お新香じゃないんだよ。お新香を残していたのは、最後の最後、単体で食べて、口をさっぱりさせるためなんだよ。
さすがミレニアム懸賞問題にも数えようかと言われるメシシェア予想。一筋縄では解けません。
まあ、そんなことはさて置き、ギッチリメンチ、たっぷり明太子、ジュワ鶏唐、すべてが激うまな国田屋でした。
SHOP DATA
- 国田屋
- 東京都目黒区鷹番2-21-19
- 03-3716-1955
- 公式