「御代鶴(みよづる)」(東が丘)のおいしいとんかつ定食とお父さんのひと言で、失われた時が蘇った/柿の木坂交差点と柿ノ木坂陸橋

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都立大学駅、駒沢大学駅から徒歩15分強。学芸大学駅からだと20分強。駒沢通りの柿の木坂交差点と東京医療センターの中間あたりに「御代鶴(みよづる)」というとんかつ屋があります。気になっていたので、お盆明け早々に行ってみました。ところが、店の前でなぜか胸騒ぎがします。なんだろう……。

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比較的広い店内。それなりに古いお店なんでしょうが、とてもきれいです。寡黙なお父さんは職人の面持ちでとんかつを揚げています。お母さんは優しくて丁寧な対応。娘さんと思しき女性もとても気がききます。

とんかつ定食がやってきました。

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色合いは焦げ茶ですが、焦げ臭いわけではありません。ザクっとした衣ですが、硬いわけではありません。880円という安さですが、豚肉は柔らかくジューシー。とんかつにベストマッチな炊き具合のご飯、ダシのきいたみそ汁、パリっとしたキャベツ、シャクっとするレタス。ああ、なんておいしいんでしょう。素晴らしいとんかつ定食です。

会計を済ませ、いつものように店員さんお一人お一人に顔を向け、「ごちそうさまでした」と言いました。すると、とんかつを揚げている寡黙なお父さんが顔を上げ、目を合わせて「ありがとうございます」とおっしゃいます。

扉を開ける手が一瞬止まります。ああ、そうだ。恵比寿の「らーめん山田」だ。

行列の絶えない大人気ラーメン店「らーめん山田」。十数年前から数え切れないほど行っています。もしかしたら、「らーめん山田」の味噌ラーメンは一番好きなラーメンかもしれません。チャーハンは間違いなく私の中でナンバーワン。

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「らーめん山田」のお母さんたちはとても優しいです。帰り際、お父さんは必ず顔を上げ目を合わせて「ありがとうございます」とおっしゃいます。

「らーめん山田」といえばとんかつラーメンで、駒沢通り沿いに店を構え、営業時間は11:30~14:00で、優しいお母さんと丁寧に挨拶をするお父さんがいる――これらすべてが「御代鶴」と共通しています。「御代鶴」で胸騒ぎしたのは、「らーめん山田」の記憶が無意識のうちに私の心の奥底をくすぐっていたからかもしれません。そして、お父さんの「ありがとうございます」という顔で、はっきりと両者が結び付きました。プルーストのマドレーヌのごとく。

「御代鶴」を出て、駒沢通りを自転車で戻ります。柿の木坂交差点で曲がり、後ろを振り返りました。ふふ、右に折れれば"スワン家のほう"、左に行けば"ゲルマントのほう"ってか? 近いうちに"ゲルマントのほう"にも行かなきゃな。

DATA
店名御代鶴 (みよづる)
住所東京都目黒区東が丘1-18-6
電話番号03-3422-0046
URL食べログ

余談その1。

環七と目黒通りの交差点あたりから都立大学方面に下る坂が柿の木坂。この交差点名は「柿ノ木坂陸橋」交差点。「ノ」はカタカナ表記です。

目黒通りの「都立大駅前」交差点から北へ向うと、めぐろパーシモンホールの脇へと続く都立大学本通り親和会商店街があります。この商店街の先は駒沢通りにぶつかります。ここが「柿の木坂」交差点です。

ややこしいw

余談その2。

この約1ヶ月後、「らーめん 山田」のマスターがお亡くなりになりました。胸騒ぎはこれだったのでしょうか……。残念ながら、この間に「らーめん 山田」に行くことはできませんでした。

余談その3。

御代鶴は1973年創業という情報も。だとするなら、私の生まれた年と同じ。だからなんだというわけでもないのですが。

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