なんて楽しい西小山。今日も今日とて西小山。前から気になっていたとんかつ屋さんに行ってみました。
西小山駅のロータリーから伸びる細い道を真っ直ぐ行くと、とんかつ 豚豚(とんとん)があります。優しい笑顔のお父さんは顔がおいしそう。そうなんです。寺門ジモンさん曰く「おいしい店の店主は顔もおいしそう」。私もホントそう思います。テキパキと動き回る岡本綾子似の明るいお母さんも笑顔が素敵。いいご夫婦だ。
片付けをしたり会計をしたりしているお母さんを見て、タイミングを計り、私はロースカツ定食、連れはヒレカツ定食を頼みました。
店内を見回します。長いカウンター、奥は小上がりになっているのかな? 常連さんはビールで魚をつまんでいます。お父さんが釣って来た魚のようです。ゆったりしてて、なんだか落ちつ……
「ねぇ、めっちゃキレイじゃね?」
と相方。ん? んんん!? えええええ! すごい!
カウンターも床もツルツルでピカピカ。冷蔵庫も奥のガスコンロも鍋もフライパンもピカピカ。カウンター上の調味料をまとめている皿もピカピカ。そればかりか、フライヤーも、フライヤーとカウンターを仕切る板も、天井の換気扇も、すべてがピッカピカ。
油を使うとんかつ屋は汚れがち。ここまでピッカピカのとんかつ屋はまず見かけません。
写真を拡大してみて下さい。本当にシルバーの板が光ってます。カウンターに座っている方の顔が反射して映っています。
「こちらはどれくらいになるんですか?」
「ここは平成5年(※1993年)からだから22年かな」
「ええっ! そんな長くやってらっしゃるのに、お店、めちゃくちゃキレイじゃないですか?」
「ははは」
毎日、丁寧に、隅から隅まで掃除をなさっているのでしょう。なぜここまでできるか。単なるキレイ好き? いやいや。清潔に保ち、いい食事を出し、気持ちよく食べてもらいたいと考えてらっしゃるから。ここまでお客さんのことを考えるお店ですから、当然、供される料理もおいしいに決まってます。間違いない。食べる前にわかります。
さて、とんかつができたようです。「ご飯足りなかったら言って下さいね」とお父さん。そう言いながら出されたとんかつがこちら。
はい。もうね。そりゃそうですわ。完全においしいやつじゃないですか。見ただけでわかります。わかるんだから、食べずに帰ってやろうか、こんちくしょうw ご飯の量が違う点にも注目ですな。
まず、何から食べますか? 当然、キャベツですよねー。このキャベツを見て何も感じないようじゃ、とんかつ食べなさんなって。見た目はフワッフワ。食べたらシャッキシャキ。キャベツだけくれ! このキャベツだけでいい!
とんかつの最初のひと口目は何もつけずに食べます。ん? な、なんだ?
サクっとした衣に独特な香ばしさがあります。なんだっけ、これ。えーと……。まあいいや。とにかくおいしい。
決して最上級とは言えません。けど、柔らかくておいしいです。脂の具合もちょうどいい。相方のヒレカツも食べました。とんでもなく柔らかいです。こちらもおいしい。
ご飯の炊き加減も素晴らしい。写真には写っていませんが、味噌汁もいい。キャベツしゃくっ、とんかつサクッ、ご飯ハフッ、お新香ポリポリ。リズムよくどんどん食べ進めます。あー、ほんとおいしいなぁ。
会計を済ませ「ごちそうさまでした」。お二人が満面の笑みで「ありがとうございました」とおっしゃいます。「おいしかったです」「また来まーす」。
店を出て、自転車を押しながら連れと話します。
「いやぁ、うまかったね」
「うん、おいしかった」
「衣さ、すごく香ばしくなかった? なんだっけかな。うーん、そう。アーモンド!」
「あー、確かに。でも、パン粉は普通に白かったよ」
「そうなん?」
「油じゃない?」
「ちょっと油に工夫してるか、あるいは、いろいろなものを揚げてるから、お店独自の風味が油についてるか」
「だね」
「じゃ、武蔵小山まで行くか。武蔵小山でコーヒー飲もう」
「あい」
自転車に受ける風が気持ちよかったのは、秋だからというだけではないでしょう。ああ、美味なるかな西小山。
素朴なとんかつ
2021年11月。最近、ひどいとんかつ屋ばかりに出くわして、とんかつ欲求が不満。所用で西小山へ行ったついでに、久しぶりに豚豚へ寄りました。
なぜドラゴンボール? ウーロ茶! こういうメニューは見ていて楽しい。ほっこりします。
日曜日の昼過ぎ。とんかつ屋ではなく、近隣のご常連のたまり場と化していました。みなさん、お酒を飲みながらつまんでます。
特ロースカツ定食を頼みました。お父さんはブロックから豚肉を切り分けます。ペチッとまな板に置いて、タンタンと2回、スジに包丁を入れます。小麦粉をまとわせ、しっかりと卵をつけ、ギュッギュッとパン粉をつけ、油へ滑らせる。チリチリチリ。
「お待たせしました」
いい景色です。
衣はサクッ。肉はとにかく柔らかいというわけではなく、ほどよく堅さを残していて、食べ応えがあります。脂は甘くてジューシー。キャベツもしじみの味噌汁もおいしいなぁ。
目の前で揚げる姿を見ていました。ご常連たちの楽しい会話がBGM。サクッと揚がった素朴なとんかつ。私はこういうとんかつ/とんかつ屋が大好きです。
SHOP DATA
- 豚豚(とんとん)
- 東京都品川区小山6-10-18
- 03-5750-3055
- 公式