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旬菜・本和膳 天義(学芸大学)の天丼がすごい!シンプルながらもこだわりが詰まった天ぷらは種類・量が多くて、さっぱりしつつも食べ応え十分でした。

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学芸大学駅から徒歩5分弱。東口商店街のセブンイレブンを左折した先、都道420号沿いに旬菜・本和膳 天義(てんよし)という和食店があります。2020年12月26日にオープンしました。

店主の増子義晃さんは四条流師範から基礎を学び、高輪茶寮(品川)で茶懐石の修業を積んだのち、赤坂・銀座を経て、新宿サミットクラブ(住友商事)の料理長兼店長を10年間勤めます。そして、練馬にあったそばの名店・田中屋の創業者・田中國安氏(おそらく)にそばを習い、和食店・彩蕎庵 吉遊(新宿3)を開業しました。

その後、彩蕎庵 ましこ(奥沢)や丼・親子丼の起琉(歌舞伎町1)といったお店で料理人として、あるいは業務指導者として腕をふるい、2020年、学芸大学に天義をオープンさせました。当初は3月にオープンする予定が、コロナの影響で12月に延びたそう。

以上はネットの情報をまとめただけなので正確性は保証しませんが、いずれにせよ、長くて幅広いキャリアをお持ちであることは確かです。

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天義は昼と夜に営業しています。ランチは天丼3種、夜は1日2組以内でコースのみ(要予約)。

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入店時に手の消毒&検温。店内はL字カウンターが7、8席。

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ランチは以下の3種です。

  • 松 特選 大海老丼(1200円)
  • 竹 天義丼(1000円)
  • 梅 とり天丼(800円)

松の特選 大海老丼をお願いしました。

天義の天ぷらの特徴は以下の通りです。

このこだわりは店内の香りにも表れているように感じました。まず、油のきつい匂いがまったくしません。すっきりとした胡麻油を使っているからでしょう。また、小麦粉ではなく米粉を揚げているということも関係しているかもしれません。

油よりも強く漂っているのはかえしの香りです。甘みを含んだ香ばしい醤油の香りが印象的でした。

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先客の天丼を4つほど仕上げると、次のターンに取り掛かるべく、店主は米粉と氷水をボールに加えて溶き始めました。ほぉ、米粉でも氷水にしたほうがいいんだ。太い菜箸ではなく泡立て器でしっかりと混ぜるのは米粉だからだろうなぁ。なんてことを思いながら店主の様子を見つめていると。

「米粉なのでグルテンがないんです。だから長く混ぜてます(笑)」

と店主。

私は何も言ってませんw あれこれ写真を撮ったり、店主の挙動を凝視してる珍奇な客に、面倒くさいことを言われたり、誤解されたりするのも嫌だから説明しておこう――とまでは思ってないかもしれませんが、まぁ何かを感じさせはしたのでしょうね。あまり褒められた客ではありませんなw

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カウンター逆サイドには高齢のご婦人方が3名。

「ごめんなさい、残しちゃった」

「すみません、ご飯を少な目にしたつもりなんですが」

「天ぷらが多いから、食べ切れなかったわ。小食なの。今度来たらちゃんと食べますね」

「すみません」

恐縮しつつも明るく振る舞う店主。その朗かな人柄にほっこり。料理人ではあるんだけど、学者か博士かといった風貌もなんだかいいなw

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タネを米粉の衣液にスッとくぐらせ、サッと油へ。指でチャッチャッと衣液を散らし、エビに花を咲かせます。

鍋が2つあるのですが、はて。単に1つでは小さいから2つにしているだけか、あるいは温度や油の種類に何か差があるのか。物によってはこちらからあちらへと天ぷらを移したりもしてるのはどうしてだろう……。見てるだけで楽しいなw

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揚がった天ぷらは一般的な天ぷらよりも白いです。米粉であるがゆえかもしれません。

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「大変お待たせしました」

起琉でも親子丼や開花丼に使っていた金色の高台の丼。金色ですが、衣の色合いとマッチしているからか、ケバケバしさやいやらしさは感じません。

「天ぷらにタレをかけてないので、もし足りないようでしたら、お手元のタレをお使い下さい」

旬菜・本和膳 天義のメイン画像・天丼

天ぷらは

  • エビ (2尾)
  • キス
  • イカ
  • ナス
  • レンコン
  • ゴボウ
  • インゲン
  • さつま芋
  • 舞茸
  • 大葉

こんな感じだったと思います。きのこが舞茸だったかどうかは失念。とにかく天ぷらの種類の多さに目を見張ります。

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衣はサクッというよりもしっとり優しい。

タレは甘さが控えめ。かといってしょっぱいわけではなく、醤油のコクを強く感じさせるものでした。

丼に高さがあるのですが、上部の器部分は浅いので、ご飯はさほど多くありません。タレが染みてちょうどいい堅さになる炊き加減です。

上記の通り、天ぷらの種類の多さに驚かされるのですが、ひとつひとつも大きくて、食べ応えがあります。

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かじった絵で失礼! 写真では伝わりづらいかもしれませんが、特にエビが立派。大きくてプリップリ。

確かにすっきりとした胡麻油で揚げられた米粉の天ぷらは食べやすくはあります。けど、種類・数が多くて、「天ぷら食ったぁ!」という満足度がとても高い天丼になっています。いやぁ、おいしいなぁ。

ただ、ひとつ注意が必要です。

ご飯の量に比して、天ぷらの量が多い。相当に気を付けて食べ進めたつもりなのですが、ご飯が先になくなり、最後のエビ、ナスは単体で食べました。

小食な方であれば、これでも十分でしょう。けど、"天丼をかっ食らう"というイメージでいたら、ご飯が足りなくなってしまうかもしれません。天ぷら多め・ご飯少な目で食べ進めることをお勧めします。量がいける人は、最初に「ご飯多めで」と頼むのもありかも? できるかどうかは知りませんがw

ちなみに、私の両サイドは竹の天義丼でした。チラッと見た限りは、丼が違うくらいで、松の特選 大海老丼との差はわかりませんでした。実際に食べ比べてみたら、違いがわかるんでしょうけどね。今度は竹の天義丼にしてみようかな。

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・「自然や素材からの料理のヒントを、素直に感じとれる、そんな料理人になりたい」を念頭に勉強して参りましたが、「学ぶほどに、己の無知を知る」の諫言の通り料理の深さ、原点を見直し、先人たちが培ってきた伝統の大切さを学びました。

・最近の創作や新しさばかりに目をとらわれる見栄えの良い料理ではなく、食材への感謝の気持ち、そして「枯れた料理」を求めるようになりました。

・「枯れた料理」とは、ムダな作業・工程・調味料を減らしていく、必要ギリギリの引き算の料理です。

・上記三趣の方向性の下、「枯れた料理」を仕上げていきたいと思います。

出典/CAMPFIRE:人生最後の夢、学芸大学駅近くで和食店開業を目指して!

吟味されたこだわりの素材・調味料が使われていること、長年の経験で培われた確かな手が加えられていることは、見れば、食べればよくわかります。と同時に、丁寧に、シンプルに調理することを大切にしているんだろうなということもうかがい知れる料理でした。素人がたった一品食べただけでおこがましい限りですが。

実直で温もりのある、天ぷらがすごい量のおいしい天丼。ごちそうさまでした。

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現実的に難しいことは重々承知。そして、こんなことを書いたところで叶うべくもないのですが、最後に勝手なことを呟いておこう。

親子丼、開花丼も食ってみてぇw はは、冗談冗談。

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