肝臓公司ロゴ

パリの雰囲気を漂わせるル・パリジャン(LE PARISIEN)は神楽坂の裏路地にたたずむカジュアルな本格ビストロ。シンプルながらも技が光る料理はコストパフォーマンスがとても高いです。

le-parisienの画像

都営大江戸線・牛込神楽坂駅のA3出口から徒歩1分。神楽坂駅からは約5分、飯田橋駅からは10分弱。大久保通りから入る細い路地にル・パリジャン(LE PARISIEN)というビストロがあります。

2014年4月にオープンした同店のオーナーはフランス人のナビル氏。私たちは友人の誕生日パーティーとして10名で訪れました。

le-parisienの画像 le-parisienの画像

角地にあって、入口は2ヶ所。大きな看板がつけられているほうがメインの入口なんでしょうけど、どちらからでも入れます。

le-parisienの画像

スタッフのほとんどはフランス人。フランス語が飛び交っています。もちろん、日本語は通じますし、日本人スタッフもいるのでご安心を。

店内は2つの部屋に分かれているような感じの造り。こちらは狭い方。この背後にワインのカーヴ(貯蔵庫)のような広いフロアがあります。壁一面、ワインがびっしり。

ほぼ満席で賑やか。テラス席にもお客さんがいました。子供がいる家族連れからデート風の男女まで、いろいろな人が来ています。大人気。

私たちがお願いしていたのはパーティープラン。120分ラストオーダー制なしの飲み放題付き。これで5400円! 以下、メニュー名は不正確です。

le-parisienの画像

1品目、サラダ・コンポゼ。グレープフルーツとタケノコを含む約10種の果物・野菜が使われていました。味付けは薄めでシンプルなのですが、食感の多様性、グレープフルーツの酸味・甘みが調味料になっています。いい店はサラダでわかる

le-parisienの画像

2品目、セロリのレムラード。私たちが知ってるセロリではなく根セロリ(セロリアック)だと思います。もしかしたら、店員さんもセロリアックと言っていたかもしれません。

レムラードはマヨネーズやマスタードのソースを指しますが、フランス料理においては根セロリをこうしたソースで和えた料理自体もそう呼ぶようです。

食感はシャクッとホクッの間。例えるならジャガイモやタケノコの千切りのような感じです。この料理は食感が重要。ちまちま食べず、たっぷり口に入れて、しっかり噛んで、ひと口かふた口で食べるのがお勧めです。おいしさが倍増するはず。

参考サイト/wikipedia(英語版):Remoulade

le-parisienの画像

飲み放題はスパークリングワイン、白ワイン、赤ワイン、ビール、ハイボール、ソフトドリンク類だったかな。好きなものを選べばいいのですが、赤・白は少なくなるとどんどん注ぎにやってきます。わんこそば状態w 他のものに変えたければ断りましょう。

私はスパークリング1、白2のあとはずっと赤。赤はメルローでした。軽めで、スッと飲みやすいのですが、変な酸味がなく上品。とてもおいしかったです。

le-parisienの画像

パンも食べ放題です。焼きたてっぽかったから自家製でしょう。このパンがまたすごい。皮はカリッ、パリッとしていて、中はふっくら。めちゃうま。

le-parisienの画像

ところで、この物件がちょっと不思議でした。マンションの駐車場か何かを改築して飲食物件にでもしたのかな? と思って聞いてみたところ、直近まではスペイン料理屋(ぷらてーろ)だったとのこと。さらに帰って調べてみたところ、そのスペイン料理屋の前は芸妓さんたちの踊りの練習場だったのだそう。

『ビストロ・ル・パリジャン』
その名の通り≪パリ≫そのものの雰囲気を味わっていただける本格ビストロスタイルのレストランです。長年パリの一流レストランでサービスをしてきた生粋のパリジャン、フランス人オーナー、ナビルが打ち出すコンセプトは≪神楽坂に現代のパリを≫

ル・パリジャン公式サイトより

来た際にしげしげと建物を見ていたのですが、歴史ある花街の裏路地に、本場パリのビストロを彷彿とさせる店が違和感なく馴染んでいるというのが、なんかね。とてもいい雰囲気。パリも古い街だし、パリの路地裏にも実は共通する雰囲気があるのかな。パリ行ったことないからわからないけどw

さて、料理に戻りましょう。

le-parisienの画像

3品目、サーモンとビーツのマリネ。ハーブも入っています。ローズマリーだったかな。爽やかで、こちらも食感が絶妙。そして、サーモンだけなのか他のものも混ざっているのか、魚介のうまみが全体になじんでいて、とてもふくよか。

le-parisienの画像

4品目、ツナのキッシュ。これもおそらく焼きたて。しっとりホクホクした甘い生地とツナの塩味(えんみ)。素朴な感じがとてもいい。

le-parisienの画像

5品目、ポークリエット。滑らかでクリーミー。クセは一切なく、シンプルだけど芳醇。マネしたくなる一品です。

le-parisienの画像

6品目、赤魚とほうれん草のソテー。赤魚はポワレだったかもしれません。

魚がおいしいのはもちろん、秀逸なのがほうれん草。ブイヤベースとバターのうまみが、ほうれん草にしみ込んでます。ほうれん草が主役ではないかと思うほど濃厚でおいしい。

le-parisienのメイン画像

7品目、豚肉のロティ(ロースト)とマッシュポテト、キノコのソース添え。

ロース系なんでしょうけど、パサつきが一切なく、しっとりとしていて柔らかい。肉自体の素姓のよさを感じさせます。

もちろんおいしい。この値段でできることが限られているのもよくわかる。でも、原価、手間は同じでいいから、もうひとひねりほしかった。メイン料理ですしね。もっとできると思わせてくれるいい店だからこその不満。

le-parisienの画像

8品目、デザート。ケーキに添えられた甘いコンポートが、ひと手間を感じさせてくれて、小さいながらも贅沢。

le-parisienの画像

別注文の誕生日用のプレート(3000円)。7種ほどかな。これだけの種類を揃えてくれるというのが嬉しいですね。これくらいの量もちょうどいい。

le-parisienの画像

どうですか? 地味っちゃあ地味ですよねw 私たちが選んだのはもっともリーズナブルなコースですが、このコースだけではなく周りが注文しているアラカルトを見ても派手さはありません。

けど、見た目がシンプルな分、しっかりと技がきいています。コースの構成も素晴らしい。これだけ混む店で回すためには、どうすればいいかということがしっかり考えられている。また、これだけ回るからこそ、この値段でこれだけのものを出せるのでしょうね。

下手に飾らない実直なビストロ料理が頂けるル・パリジャン。これだけのクオリティで、120分フルで飲み放題で、この値段はすごいです。ぜひ一度、神楽坂でパリのビストロを感じてみて下さい。

SHOP DATA