北京定食、ラーメン、やまちゃん。
いい。とてもいい。
ひとつひとつの単語は普通なんですが、3つが並ぶと妙な和音を形成して、なぜか胸をざわつかせます。黄色地に赤文字もそそります。
「行こうか」
「いやいや待って。ちょっと調べてからにしたら?」
お、お前……。オレと何年付き合ってんだ。何も感じないのか? この外観に魂を揺さぶられないのか?とは言えず、おとなしく食べログを開いてみます。
「ほら、評判よさげだよ」
「じゃあ行ってみる?」
オレの勘より食べログなのか!とは言わず、相方を引き連れ店に入りました。
大岡山駅から徒歩5分強。メインの大岡山北口商店街と並行して走っている大岡山本通り商店街にある街場の中華料理屋・北京定食 やまちゃん。
L字カウンターに約8席。仲睦まじそうなご夫婦がやってらっしゃいます。私はチャーハンと餃子、相方はピーマンと豚肉炒め定食。いわゆる青椒肉絲(チンジャオロウス)ですな。
次から次へと、いろいろな物が出てきて、最終的に私たちのテーブル前はこんな。
カオスw しかも定食は超ド級のどんぶりメシ!w ククク。相方が一瞬、私を睨みました。なぜ? オレ悪くないw
しっとり系のチャーハンです。タケノコが入っていて、シャクっといい歯ごたえ。めちゃうま。
餃子は下味が薄め。カリ、モチッのコントラストがきいた皮、ジューシーなタネ。うめぇ。
濃厚でパンチのあるチンジャオロウス。シャキッとしたピーマンがとてもいい。これも絶品。
隣を見ると、どんぶり1/3ほど食べたところでギブアップの様子。
「残りは包んでもらったら?」
「すみません、これ、包んでもらっていいですか?」
相方がお母さんにそう告げると、お母さんはわざわざ透明のフードパックにご飯を詰めてくれました。
「いやいや、そんな。ラップか何かでいいですよ」
「もう! いいのよ。いつもこうしてるんだから。気遣わないで」
ニコニコとしたお母さん、超優しい。客は私たち以外にもうお一人。ご常連でしょう。空いていたので、いっぱい話せます。
「こちらはどれくらいになるんですか?」
「35年、かな?」
「すごいですねぇ」
「この界隈のラーメン屋じゃ一番古くなっちゃったかなぁ。前はもっとあったのよ。だけど、年取ったり、跡継ぎがいなくてね」
「35年ったら、駅前はもちろん、この辺りも随分変わったんじゃないですか?」
「そうねぇ。この通り(大岡山北本通り)も昔はそれなりに賑わってたんだけど、みんなあっちの商店街を通るでしょう。こっちまではなかなか来てもらえないわねぇ。お住まいはこのあたり?」
「学芸大学のほうです」
「あら、わざわざ」
「いや、何気に近いんですよ。自転車だったら10分、15分くらいですし」
お二人とも超楽しい。しゃべるしゃべる。放っておいたらずっとしゃべってんなw キリのいいところでお会計をしてもらいました。
「ごちそうさまでした。おいしかったです」
「ありがとう。また寄ってね」
ふん。どうだ。やっぱ最高だったじゃねぇか。店を出た私はドヤ顔。相方をチラリと見ましたが、何食わぬ顔で「おいしかった」と自転車をまたぎます。このやろう。
パンチのきいたおいしい料理、ニコニコ笑顔が絶えない、楽しくて優しいお父さんとお母さん。素敵なお店だったなぁ。
さて。
家に帰り、BABYMETAL関連動画を見ていたら、リビングから「あー」という声がしました。なんだ?
「携帯忘れた」
……。
お店に電話をしたところ、「よかったー。そう、忘れ物だってお客さんが教えてくれて」とお母さん。
お前が忘れたんだから自分で行ってこいよ。とは当然言えません。
「行ってくるよ」
黙ってうなずく相方。
自転車を飛ばして、大岡山へ戻ります。店に着いたら先ほどとは打って変って大賑わい。おじいちゃん、お姉さん、子供連れのお母さんなどなど。立ち客までいます。
「すみません、先ほどは」
「気づいてよかったわぁ。はい」
「ありがとうございます。ではまた」
「またねー」
なんで忘れんねん! 行きはイライラしながら自転車をこいでいました。けど、賑わってるお店の様子が見られて、なんだか嬉しくなって、イライラも解消されました。
もっともっとホラ もっともっとホラ
持ち上げて上出来~!
イライラなんていらないです!DEATH!
気軽に Take it easy
帰りの脳内BGMはBABYMETALの「GJ!」。ま、今度、さいとう屋一回分くらい奢らせるかw
SHOP DATA
- 北京定食 やまちゃん
- 東京都大田区北千束1-65-6
- 03-3724-1929
- 公式