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中華立ち飲み・盛苑/もりえん(武蔵小山)のパンチのある激安中華料理を56度の白酒で流し込む~立ち飲みの立ち合い、せめぎ合い

「『盛苑』知ってます? よかったですよ」

と、学芸大学のバー「sideway」の郁。ほう、行ってみるか。

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武蔵小山の再開発地区でもちょくちょく飲んでいたのですが、気づきませんでした。中華の立ち飲み屋・盛苑(もりえん)。立退きで移転し、現在は都道420号(補助26号線)沿い、立ち飲み屋・晩杯屋のはす向かいあたりにあります。盛苑が立ち飲みになったのは2011年。晩杯屋などの成功にあやかってそうしたのだそうです。

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1階と2階があります。複数人や宴会だと2階になるようです。立ち飲みですが、一応、椅子も用意されています。

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メニューは150円、200円、250円、300円、350円、450円とわかれています。青島ビールを飲みながらどんどん頼みます。

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上から注文順に並べました。豚ガツ辛味あえ、あさりの広東風炒め、豚ハツ塩焼、エビマヨネーズ、塩焼きそば(L)、小籠包、ザーサイ、ピリ辛もやし。

基本的に味は濃い目、塩味(えんみ)きつめ。酒が進むつまみといった感じ。この値段でこのクオリティは文句なし。特にエビマヨと塩焼きそばがよかったなぁ。

豚ハツ塩焼あたりでビールがなくなったので、中国白酒(パイチュウ)56度グラスをお願いしました。

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うひひ。これですよこれ。ちなみに、注いでいたのは紅星 二鍋頭でした。口に含んだ瞬間、フワッとアルコールが蒸発し、口内に甘みが広がります。飲み込むと胃がポカポカしてきます。くぅ~。五臓六腑にしみわたるとはまさに至言。濃い中華をさらりと流し込むにはもってこいの酒です。

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あとから入って来た隣のおっちゃんが、こちらをチラチラ見ます。話したそうな雰囲気。けど、このおっちゃんはだめ。からんだらきっと厄介。私一人ならまあいいんですけどね。その日は連れがいましたし。

あっちの席のご夫婦(白酒の向うに写っているお二人w)はいい感じだなぁ。あの隣だったら面白かっただろうなぁ。

この距離感。このせめぎ合い。いいですねぇ。立ち飲みの醍醐味。最近はご無沙汰しちゃいました。ぬるま湯の勝負しかしてないなぁ。

立つのか? 立たないのか?

あえて例えるなら相撲の仕切り。相手の呼吸を見て、行くなら行く。引くなら引く。この勘は場数を踏まなきゃ鍛えられません。けど、今日はおとなしくしておこう。会計をお願いしました。すると……。

「騒がしくてごめんね」

向かいの席のご夫婦の旦那さんが声をかけてきました。うほっ。しびれるタイミング。さすがベテラン。お父さんのほうが私より一枚も二枚も上手です。

お父さんが勝負をしかけてきたんです。もちろん受けて立ちます。

「いえいえ騒がしいだなんて。ぜんぜんですよ」

「ここにはよく来るの?」

「いえ、初めてです。学芸大学寄りに住んでいるので、武蔵小山にはちょくちょく来る程度なんです」

「ああ、そうなんだ。学大といったら、タイ料理屋があるでしょう」

「4軒あります。どこだろう」

「そんなにあるんだ。俺は寅圭(とらよし)系なんだけどさ」

「あー、だったらピーマイのことですね(※)」

「そうそう。まだ行ったことないんだけど、どう?」

「おいしいですよ」

ここでお店の女性も参戦。

「タイ?」

「ええ、タイ料理です」

「辛い?」

「うーん、物にもよりますが、まあ、辛さは普通のタイ料理屋と変わりませんよ」

「今度行ってみるよ、ごめんね留めちゃって」

「とんでもないです。じゃあ、お先に失礼します」

「おやすみ~。ああ、どっかにまだ行くよねw」

「そうですねw」

なんてことのない会話ですが、こういうのが立ち飲みは楽しいんだよなぁ。

いつの間にか奥の席へ移っていた隣にいたおっちゃんは、私たちの楽しげな会話をうらやましげに見ています。私はそれを見て見ぬフリ。私もそれなりに場数を踏んで来ました。私の相撲勘は「あちらはスルーだぞ」と言ってますw

勘を鈍らせないためにも、たまにはこういう立ち飲み屋に行って、キリキリするような勝負をしなきゃな。

※武蔵小山駅等にある居酒屋・寅圭、学芸大学駅等にあるタイ料理屋・ピーマイは(株)オープンダイニングが経営しています。他に天下一 焼きとん 焼き鳥 なぎ屋も。

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