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あきないや(駒沢大学・三軒茶屋)でスワローズファンのママさんに、おいしいお好み焼きを焼いてもらいました/葦毛塚と上馬・下馬の由来

※追記:いつ頃でしょうか、2018年ごろ?2019年?に閉店したようです。追記以上

上馬と下馬の由来

上馬をGoogleマップで見てみると……

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ははは、馬や。馬の形w もちろん、こんなのは偶然でして。上馬、下馬という地名は源頼朝とか、そんな時代のできごとに由来するそう。

地名の由来

旧・荏原郡上馬引沢村(かみまひきさわむら)の省略による。一般には源頼朝が遠征に向かう途中この地を訪れ、土砂崩れに遭った際、「以後ここを渡る際は、馬を曳いて渡れ」と命じたのが由来とされるが、さらに古い地名とも考えられている。

wikipedia:上馬

地名の由来

旧・荏原郡下馬引沢村(しもうまひきさわむら)の省略による。源頼朝が遠征に向かう途中この地を訪れ、土砂崩れに遭った際、「以後ここを渡る際は、馬を曳いて渡れ」と命じたのが由来とされる。また、この他にも、駒繋、駒留など馬にまつわる地名が存在する。蛇崩交差点から五本木方面に向かう道の真ん中にこの馬を埋めたことに由来する「葦毛塚」がある。

wikipedia:下馬

葦毛塚

源頼朝が、葦毛の馬にのって、この地を通ったとき、その馬が何かに驚いて沢に落ちこんで死んだという。

また、一説に鎌倉将軍の世、この地の領主 北条左近太郎が仏教をもって出かけたが、その葦毛の乗馬が突然たおれたのでここに、埋めたともいう。

いずれにせよ、遠い昔から葦毛塚とよばれていたらしい。このあたりは古くから馬の放牧場であり、馬に関した地名や伝説が多い。

昭和五十三年三月 世田谷区教育委員会

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この葦毛塚は下馬通りの基点にあります。蛇崩れの近く。碑に書かれている通り、このあたりには駒留、駒繋など馬に関わる地名が多いです。

なお、元競馬場(目黒競馬場)、馬事公苑、駒沢は比較的新しい施設名、地名。上述の馬伝説とは関係ありません。たとえば駒沢は、上馬引沢村(現・上馬あたり)、馬引沢村(現・野沢あたり)、下馬引沢村(現・下馬あたり)などが合併する際(1889年)に発足した駒沢村に由来します。さらに余談ですが、真ん中に野沢(馬引沢村)があるので、現在も上馬と下馬は接していません。

ま、それはともかく。

お好み焼きとヤクルトスワローズ

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国道246号線と環状七号線の交差点は上馬交差点。そこから50mほど環七を上ると、お好み焼き・鉄板焼 あきないやというお好み焼き屋さんがあります。駒沢大学駅から徒歩10分弱。三軒茶屋駅からは徒歩10分強くらい。ちょいと手前の居酒屋・むらさきにはちょくちょくお邪魔しているので、あきないやも気になっていました。

ある日、19時ごろだったでしょうか。行ってみるとカウンターが埋まっていました。一番手前のテーブル席に腰かけテレビを見ていたのがママさん。

「ごめんなさい、今日はもういっぱいで」

「いえいえ、また来ます」

そんなことがあった数日後、再び訪れます。その日は誰もいませんでした。よかった。

「この間、来て頂いた方?」

「そうです」

「ごめんなさいね、カウンターがいっぱいだったでしょ。テーブル席にポツンと座ってもらうのも申し訳ないから」

「ぜんぜん大丈夫ですよ」

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チャキチャキしているきれいなママさん。テレビはヤクルトvsジャイアンツ。ヤクルトが勝てば日本シリーズ進出です。

「ウーロンハイお願いします」

「ウーロンハイね」

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出てきたウーロンハイをひと口。殺人的な濃さw サービスなのかな? あるいはデフォルトなのか。気をつけてゆっくり飲もうw

「どちらかのファンですか?」

「ヤクルト。これに勝てば14年ぶりよ」

「古田の頃ですよね」

「そう。その前はもう大矢さんとかの時代でしょう」

「球場に見に行ったりもするんですか?」

「ええ。今日もね、お客さんが行ってるの。行きたかったけど、お店があるでしょう」

相当なヤクルトファンだw

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まずはカキのバター焼きをお願いしました。これは鉄板じゃなくて、奥の厨房で作ってくれます。

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ママさんが奥にいる間に、扉がガラっと開きました。男性客のようです。が、その方は何も言わず、物置と化しているテーブル席に腰掛けました。すると、ママさんも何も言わずビールを出します。一切、言葉を交わしていません。ああ、旦那さんか。

テレビから歓声が聞こえると、カウンター向うからひょこっとテレビをのぞき見るママさん。そうこうしている内にカキのバター焼きが運ばれてきました。

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醤油とバター。最強。タカの爪も少し入っていて、かすかにピリ辛。鉄板の上でアツアツ。グツグツいってます。こりゃうまい。けど、酒はゆっくりな。気をつけろ俺w

続いては豚玉。鉄板に火を入れ、目の前で焼いてくれます。粘度の高そうな生地です。トロッと系だろうな。

鉄板が傾いています。油を中央に流さないための工夫なのでしょう。焼いているママさんと話しをします。

「こちらはどれくらいですか?」

「今年で丸21年。どちらにお住まいなの?」

「学大のほうです」

「こんなところまで?」

「隣の『むらさき』にはたまに行くもんで、こちらも知ってたんです」

「ああ、そうなのぉ」

豚玉が焼き上がりました。私の前まで運び、大量のソース、マヨネーズ、カツオ節をかけて切り分けてくれました。

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豚バラがカリっとしています。中は少しトロみがあります。一気に平らげてしまいました。とてもおいしいです。食べ終えた頃、「これ、サービス」といって味噌汁を出して頂けました。うーん、おいしい。

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ひと仕事終えたママさんは、いつもの定位置。入口に一番近いテーブル席に座って野球観戦です。5回、3点差を追うジャイアンツが2点を取り、打席には長野。打った瞬間、ママさんと旦那さんが声を漏らします。

「あっ」

結果は大きなレフトフライ。スリーアウトチェンジ。二人はホッと肩を下ろします。

「ビックリしましたね」

「上空は風が巻いてるの。だから伸びなかったのよ」

6回。ヤクルトはノーアウト3塁のピンチ。しかし、ヤクルト投手陣が踏ん張り、無失点に抑えます。

「ジャイアンツとしては、アンダーソンのところで、スクイズを警戒させるとか、もうひと工夫あってもよかったですよねぇ」

「今年のジャイアンツはバントがぜんぜんダメなのよ」

詳しいママさんだw いつの間にかママさんはサンダルを脱ぎ、椅子の上に正座していました。

7回、ヤクルトのピッチャーが交代するようです。この調子だとヤクルトの勝ち。他にお客さんが来る気配はないし、夫婦水入らずでヤクルトのリーグ優勝を見守ったほうがいいでしょう。会計を頼みました。

「すみません、お会計を。ピッチャー交代ですから、ちょっと時間ありますし(笑)」

「大丈夫よ(笑)」

「ごちそうさまでした」

「ありがとうございました。また来てね」

「ぜひまた」

学芸大学へ戻り、バーで飲んでいました。隣には野球好きな顔見知りの常連さん。

「野球どうなりました?」

「ヤクルト勝ったよ」

ウサギにツバメが勝って、次は鷹との勝負。今日は上馬から鷹番へハシゴで、飲み終える頃には千鳥足。帰る家には布団にくるまる猫……。

二人はどんな風にして喜んでたかなぁ。そんなことを想像しつつ、ニヤニヤしながら帰途につきました。

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