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ずん飯尾和樹さんも愛する今はなき平和軒のカレーライスを再現してみよう!~懐かし昭和カレーの材料と作り方

閉店した平和軒(学芸大学・祐天寺)のカレーを再現

平和軒カレー=昭和カレー

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2022年11月30日に閉店した平和軒(学芸大学・祐天寺)。1957年の創業以来、長年愛されてきた街場の中華料理屋です。

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この記事ではずん飯尾和樹さんが小さい頃から食べていたということでも有名な平和軒の名物料理・カレーライス(カツカレー)の作り方をご紹介します。

と言っても、平和軒カレーはスタンダードな懐かし昭和カレーです。

「平和軒のあのカレーを自分で作って食べたい」

という人のみならず、

「昭和の頃によくあった、あの懐かしいカレーを作りたい」

という人にも参考にしてもらえると思います。

平和軒カレーを家庭で無理なく

平和軒カレーは飲食店が作るカレーです。家庭でそのまま再現するのには難しいこともあります。ですから、まずは家庭で無理なく作れる平和軒カレー(オマージュ)を紹介し、そのあとに平和軒カレーの作り方も紹介します。テレビで公開された実際のレシピです。

目次

家庭版平和軒カレーの材料

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  • 豚肉(豚こま) 500g
  • 玉ねぎ 5個
  • にんじん 1本
  • にんにく 3片
  • しょうが にんにくと同量
  • カレー粉(エスビーカレー)
  • 小麦粉
  • 鶏ガラスープの素
  • サラダ油

これで10~15人前くらいになると思います。多いように見えますが、これくらいはすぐ食べられるはず。私の場合は2人で3日分でした(最終日はカレーうどんに)。

また、不思議なものでして、多く作った方がおいしくなります(筑前煮、もつ煮などの煮物もそう)。それに多すぎたとしても冷凍ストックしておけます。ですから、多めに作ることをお勧めします。

カレー粉はミックススパイスならなんでもOK。

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ただ、インドから輸入されているような本格マサラだと、平和軒カレーから少し離れます。

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エスビーの赤缶がもっとも昭和カレー/平和軒カレーぽくなります。平和軒が実際に使っていたのもエスビーのカレー粉です。

家庭版平和軒カレーの作り方

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玉ねぎ(3個)のみじん切り(粗みじんでOK)、すりおろしたにんじん、にんにく、しょうがを多めのサラダ油で炒めます(1カップでも少ないかも)。

少量の塩を振ると時短になります。玉ねぎの水分があるので、基本的に強火で大丈夫。

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詳しくは後述しますが、ミキサーを使うなら、これくらい粗くても大丈夫です。

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この写真は10分炒めたところ。まだまだ。

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15分くらい炒めて、もしフライパンの底に焦げがつくようなら、水を加えてヘラで焦げをこそぎ落とします(デグラッセ)。こうすることで、うまみが全体に行き渡り、また、野菜に水分が戻って真っ黒に焦げることを防げます。

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20分炒めるとこんな感じ。

ミキサーがあるなら20~30分炒めればいいでしょう。ミキサーがないから、あと20~30分、まっ茶色なペースト状になるまで根気よく炒めてください(理由は後述)。

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炒め終えたら火を弱め、小麦粉を入れます。1~1.5カップほど。もしごわつくようなら、油や水を足し滑らかにしましょう。

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玉ねぎと小麦粉を馴染ませるようにして炒め、カレー粉を加えて馴染ませます。

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これでカレーのベース(ルー)の完成です。写真は粗い仕上がりですが、あとでミキサーを使うので、こんなもので大丈夫。ミキサーがない場合は油を足してもっと滑らかに仕上げてください。

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ルーに少しずつ水を加え好みの粘度にして、鶏ガラスープの素、塩で味を調整します。味がボヤけてると感じたら、それはおそらく塩が足りないためです。

平和軒のカレーには昆布も使われています。ただ、そこまで大きく昆布が影響を及ぼしているというわけでもありません。もしあれば、ほんの少し昆布だしを加えてもいいかもしれませんね。

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ミキサーがあれば、少し冷ましたあと、ミキサーにかけてください。滑らかになり、うまみが全体に行き渡って、より一層おいしくなります。また、平和軒カレーにも近づきます。もし小麦粉がダマになっても、ミキサーをかければ滑らかになります。

平和軒ではミキサーは使っていません。けど、家庭ではミキサーを使った方が平和軒カレーに近づきます。どういうことかはまた後ほど。ミキサーがなければ、ここはスキップ。

※「ミキサーにカレーの匂いがつくの嫌だなぁ」という方は、ミキサー後にカレー粉を加えましょう

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豚こまと大きめにカットした玉ねぎ(2個分)を入れて煮込みます。

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もちろん、別鍋で豚肉・玉ねぎを茹でておいて、これを加えても構いません。その際はルゥをのばすのに茹で汁も使ってください。茹で汁を捨てるのはもったいない。

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玉ねぎがしなっとなったら、懐かし昭和カレー/平和軒カレーオマージュの完成です。

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お皿の真ん中にご飯を盛り、ご飯全体を覆うようにカレーをかけます。こうすると見た目にも平和軒カレーぽさが増します。

平和軒カレーのメイン画像

スプーンをぶっ刺せば、さらに平和軒カレー感がアップ。

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カツカレーの場合は千切りキャベツも添えます。

ちなみに、このとんかつは栄屋精肉店のとんかつですが、揚げればいいだけの冷凍食品のとんかつで十分です。ガリっと堅めに揚げると平和軒のカツカレーぽくなります。

家庭版平和軒カレーのアレンジ

唐辛子を加えて辛くする、少量のトマト(ホールトマト)を加えて酸味を出す、牛乳やピーナッツペーストを加えてまろやかにする――いろいろとアレンジできると思います。

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カレーが余ったら、カレーうどんにしてみてください。オタマ一杯強のカレーを水で溶き、和ダシ(カツオや昆布)と醤油を加え、お好みで片栗粉で閉じます。ザ・そば屋のカレーうどん。

このカレーうどんに使っているのは関屋城南食品のきしめん。これがまたうまい。

平和軒カレーの実際のレシピ・作り方

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平和軒が閉店する直前、2022年11月27日に放送された「カタミのレシピ」(日本テレビ)で、平和軒のカレー/カツカレーのレシピ・作り方が公開されました。

平和軒カレーの材料

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  • カレー粉
  • 小麦粉
  • ラード
  • 玉ねぎ
  • にんじん
  • にんにく
  • しょうが
  • 豚こま
  • うま味調味料
  • ゲンコツ
  • 鶏の脂
  • 豚の脂
  • 昆布
  • 鶏がらスープの素

平和軒カレーの作り方

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ラードを熱して、みじん切りにした玉ねぎ、すりおろしたにんじんを入れ、煮るようにして炒めていきます。ラードの量にご注目。これくらいラードを使っています。

「うわっ、こんなに油が使われてるの!?」

そう思われるかもしれませんが、市販のカレールーだって油と小麦粉と砂糖の塊。本場・インドのカレーにも大量の油が使われます。

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野菜類が炒まったら、小麦粉、カレー粉を入れ、練るようにして馴染ませて炒めます。

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これでルーの完成。大量のラードによって滑らかなペーストに仕上がっています。

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別鍋に玉ねぎ、豚肉、スープ、うまみ調味料、塩を入れます。

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ルーとスープを混ぜ合わせます。お店ですから、ルーを大量に作り置きしておいて、1日分をスープでのばしているんです。

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平和軒カレーの完成です。シンプルですが、手間がかかっています。だからこそ、あんなにおいしかったんですねー。

本家と家庭版の改変ポイント解説

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平和軒カレーと今回ご紹介したカレーの差を説明します。

油の種類と量

平和軒はラードを使いますが、家庭ではラードは用意しづらいです。また、平和軒は大量のラードで野菜類を煮込むように炒めるのですが、これもやりづらい。家庭では多めのサラダ油で炒めれば十分です。

ただし、ひとつだけ注意点があります。大量のラードを使えば、小麦粉が馴染みやすくなります。普通の量のサラダ油では小麦粉が馴染みにくい。

ですから、小麦粉を炒めつつ、もしごわつくようなら、油を足すなどしてダマにならないように工夫しましょう。

野菜の炒め具合

平和軒では高温のラードでしっかりと野菜類を煮炒めます。こうすると滑らかなルーに仕上がります。ただ、家庭ではそこまでできないので、前掲くらいでいいでしょう。その代わり、小麦粉、カレー粉を加え終えたルーをミキサーで滑らかにします。これで平和軒カレーに近づきます。こうしないと、玉ねぎのみじん切り感が残り過ぎたりします。

逆に、ミキサーがないのであれば、滑らかペーストになるまで、しっかりと野菜類を炒めてください。

玉ねぎとにんじんの割合

平和軒カレーは玉ねぎよりもにんじんを多く使います。これができるのもラードでしっかりと炒めるから。同じ割合で家庭でやると、にんじん感が強く出すぎます。家庭においては玉ねぎを多めにすることをお勧めします。

豚感

平和軒では豚のゲンコツ、豚の脂がスープに使われています。これまた家庭では用意しづらい。

ですから、ルーを水でのばし、味付けをしたら、そこに直接、豚こまを投入します。こうすることで、豚感が強まります。豚肉を別鍋で煮て、アクを取って……ということはしません。

合わせ方

平和軒はルーとスープを別に作って合わせます。これはグラム単位でレシピがしっかり決まっていて、スープの味も安定しているからできること。

ラーメンを思い出してください。ラーメン屋ではスープとかえしを別に用意して丼に注ぎますよね。スープの味、かえしの味・塩分量がしっかりと決まっているからそうできます。

家庭ではこうしづらいので、ルーを水でのばし、適度な粘度になったら、そこで鶏ガラスープの素、塩で味を調整してください。こうすれば味付けに失敗することはないはず。鍋ひとつでできるというのもいいですよね。

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ご覧の通り、決して珍しいことをしているわけではありません。ごく一般的な日本式カレーの材料・作り方です。ぜひ一度試してみてください。おいしいですよ。

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