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下馬の極狭居酒屋・ごちそう生活で逡巡。アツアツに揚がった半熟玉子をどうやって食べる?~失敗の後に大どんでん返しの奇跡

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野沢通り龍雲寺通りと三宿通りが交わる下馬一丁目交差点のすぐ近くに、とても小さな居酒屋があります。ごちそう生活です。面白い店名w

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カウンター7席程度ですが、逆L字といいますか、客の背中が合わさるような形で座るので、とても狭いです。2~3人が入れる立ち席もありますが。

レモンサワーを飲みつつ、まずは牛スジコロッケ。

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もっちりとしたタネ。柔らかい牛スジがポロポロと混ざっています。

一応、串揚げがメインの居酒屋っぽいので、串揚げも注文。

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シイタケと串カツ。サクっとした衣は薄めでさっぱり。塩が添えられているのですが、このタイプなら確かにソースより塩のほうがよさそうですね。

串揚げは注文が入ってから仕込み始めます。開店直後だったからか、いつもそうしているのか。混みあって来ると大変そうだ。それなりに時間がかかりますから、店内を観察してみます。すると……。

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『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』(おおひなたごう)。こんな漫画があったんだ。ちょっと読んでみたのですが、めちゃくちゃ面白いw 目玉焼きの食べ方は千差万別ですからねぇ。現実社会でも言い争いになりがちなテーマではありますw

漫画があまりにも面白く、夢中になってしまいました。そうしたら、頼んでいた半熟玉子揚げが運ばれてきました。

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「中、熱いので気をつけて下さい」

……。

まさに今読んでいた漫画そのものじゃないか。

理想を言えば一気にひと口でいきたい。そうすれば黄身がこぼれません。ただ、熱いと注意を促されました。ひと口では危険かもしれません。縦にしてうまく半分だけ食べて、黄身がこぼれないようにするか? いや、噛んだら白身部分がグニャっとなって、やっぱり黄身はこぼれるはず。あああ、悩んではいけない。熱いうちにサクッ、トロッといかねば!

人間、焦ると突拍子もないことをしがちです。私はその時、一番やってはいけないことをしてしまいます。驚かないで下さいね。

なんと、半熟玉子を箸で真っ二つにしてしまったんです!

箸が勝手に動いたんです!

半分だけは上に向けられたので、ちゃんと食べられました。だけど、残り半分の黄身はものの見事にドロっと流れ出てしまいました。あー、やっちゃった。

しかし、ここで大どんでん返し。

半熟玉子の下にはキャベツが敷かれていました。このキャベツに流れ落ちたので、うまくキャベツをすくい上げれば、黄身が無駄にならなそう。まずは半分の白身を食べ、黄身がこぼれ落ちないようキャベツを取り上げ食べました。

奇跡です。奇跡が起こります。

このキャベツ、ダシ醤油のようなドレッシングがうっすらとかかっていました。てことは黄身とダシ醤油が混じり合います。まさしくこれは卵かけご飯のあの味! うまーい! ごちそうだw

焦りから生じたミスだったはず。なのにこれが奇跡のコラボを生み出しました。いやいや、待てよ。こうなることを見込んで、店主はキャベツにこんな味のドレッシングをかけているのか? すごく気のつく優しい店主ですから、それくらい想定していてもおかしくない。この奇跡は店主の計算と心遣いが生み出したというわけか。脱帽。

日中の暑さをほんの少し残した三宿通り。少々汗ばみながらも、軽やかな足取りで学芸大学方面へ戻ります。今宵出会えた奇跡に感謝して。

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