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かしわや 学芸大学店の春菊天もりそばはサクサク食感がたまらない。カツカレーは深くてスパイシー。チェーン店と侮れない見事な料理でした

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学芸大学駅から徒歩1分。東口商店街沿いに立ち食いそば・うどん店「かしわや 学芸大学店」があります。2006年にオープンしました。

運営は株式会社柏屋倉石商店(通称:かしわやグループ)。かしわやは鹿島田(1962年~)、三軒茶屋(1983年~)、武蔵小杉(1991年~)、新城(創業年不明)にもあります。同社は1962年3月に設立されたようですから、鹿島田店が1号店かもしれません。

かしわやは大井競馬場内にもあるのですが、なぜか別扱いにされています。なんだろうな。同社は他に川崎市公園緑地協会からの委託で公園内(等々力緑地)に売店や食堂も出しています。

※2020年9月27日追記:2020年9月26日(土)に閉店しました

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かしわや 学芸大学店には過去3度ほど行ったことがあります。そば、うどん、うどん。名代 富士そば 学芸大学駅前店ができて情勢がどうなったかなと思い、久々に行ってみることに。

余談ですが、2018年3月27日に放送された「火曜サプライズ 4時間SP」(日本テレビ系)で、三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE/EXILEの岩田剛典さんが通っていた店として紹介されていました。

スパイシーで濃厚なカツカレー

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上写真の通り、商店街には人一人いませんでした。店内も客はゼロ。でもまあ、昼頃は結構入ってるよね。

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24時間営業(※1)、年中無休。店内は立ち食いカウンターもありますし、椅子席もあります。

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立ち食いそば店にしては珍しく、食券機がありません。カウンターで口頭で注文し、料金を払います。

以前はなかったのですが、2019年に食券機が導入されました。

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カツカレー(620円)。なぜか。富士そばのカレーかつ丼があまりにひどかったから、かしわやはどうなんだと。

まずひと口。おっ。おおお。うめー! しかもこの味は想定外。

辛くはありません。けど、それなりにスパイシーです。濃度が高いのは小麦粉が使われているというだけのことではないような。何かが溶け込んでいるかのような深みを感じさせます。

黒い粒が見えます。ブラックペッパーか? いずれせよ、単に業務用のルゥを温めているというだけではない何かがありそうな気がします。

カツは薄め。衣がサクッとしていますから、注文が入ってから揚げているのかもしれません。薄いのですが、食感のよさからか食べごたえがあります。

いいね。とてもいい。これが極上のカツカレーかと言われれば、そうではないかもしれない。けど、この類の店でこのクオリティー、この値段は素晴らしい。

客は誰もいませんでした。大きな声で店員さんに話しかけます。

「カツカレーめっちゃうまいですね」

「店で作ってるんです」

ほぉ。もちろんベースとなるルゥのようなものはあるのでしょうけど、セントラルキッチンで作ったものを各店に配送するのではなく、各店で作るのか。だとしたら、各店のスタッフの創意工夫、本部に怒られない程度の軽いオリジナリティが紛れ込んでいる可能性もあるな。

一応、写真を撮っていましたが、こうして記事にするつもりはありませんでした。けど、ひと口目で決めました。このカツカレーは一筆したためるに値する。もう一度、そばかうどんを食べてから書こう、と。

サクサク食感がたまらない春菊天

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数日後。ドン引きするような時間まで飲んで、駅へ向かう人たちとすれ違いながら、かしわや再訪。

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すべてを写真で見せようとするのは、デザイン的によろしくないんだけど、この不器用な感じに好感を持てます。

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もりそば大盛り&春菊天(430円+大盛り100円)。絵面がいいよね。丸、丸、丸、丸。愛らしい。

かしわやの春菊天は食べたことがあります。うまいのは知ってます。あるヤツの元彼女は、いつもこの春菊天を2つ3つと食べていたw

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まずは大きくて厚みのある春菊天。パリッ、サクッ。これこれ。この食感がたまらない。春菊の苦みは抑えられ、爽やかな風味が香ばしさとともにやって来ます。丸い型で揚げられているのもチャーミング。まじでうまい。ほんとうまい。最高。

「春菊天おいしいですよねー」

「揚げたてだから~」

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続いてそば。そのまま飲めそうなくらいのツユに、そばと春菊天を浸してすすります。あれぇ? こんなにうまかったっけ? おかしいな。もうひとすすり。うん、記憶とぜんぜん違う。超いいじゃん。

柏屋倉石商店の自家製麺(そば・うどん)は冷凍もの。そばは香りません。けど、ほどよく締まってて歯切れがいい。ツユはそばを全部一気に浸し、かけそばのごとく食べても大丈夫な塩梅。ちょうどいい。こういう店ではたっぷり浸して食べたいよね。

これはいいなぁ。いい料理だ。

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「富士そばができて、かしわや大丈夫か?」

2019年2月に富士そばがオープンしてしばらくの間、飲み屋ではこんな会話が交わされることが多くなりました。こんなにも心配されるかしわや。界隈の飲んだくれはみんな、かしわやにずっとお世話になって来た。かしわやが大好き。だからこそでしょう。

ただ、かしわやは妙蓮寺店(~2012年)、綱島店(~2014年)、元住吉店(1980~2016年)と東急東横線を上って来るかのごとく、2年おきに閉店しています(※2)。元住吉店の先は"再開発"で街が大きく変容している武蔵小杉。その先はゆっくりと、けど確実に変わりつつある学芸大学。

かしわやはこのまま消えてゆく? いやいや。かしわやはキャロットタワー周辺の再開発に負けなかった。それに、こんなにうまいカツカレーと春菊天をなくしちゃいけねぇ。

富士そばの後塵を拝するつもりなど微塵もない――そんな力強さを感じさせる見事なカツカレーと春菊天でした。こんなキラーメニューがあるなら、「やばいかも?」だなんて杞憂。チェーン店と侮ることなかれ。

※2:祐天寺店(~2008年ごろ)のほか荻窪にも店舗があったとの情報も。詳細不明

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と、ベタ褒めしていたわけですが、別日にカツカレーを頼んだら、これが出てきました。上と見比べて下しさい。まったく違うw 見た目だけじゃなく味もまったく違います。こちらはこの類の店にありがちな普通のカレー。もちろんまずくはありません。けど、特筆するようなものではありませんでした。

日によって、あるいは人によってカレーは異なるかもしれません。この点はお知りおき下さい。

ただ、これだけ異なるということは、ある意味、ちゃんと作ってるということ。これはこれでありだとも思います。

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