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ドクロでお馴染みの「BUNDA 42」(学芸大学)はコワモテだけど優しいマスターがやってる酒好きならしっくりくるノーチャージのバー。週末は音楽ライブもやってます。

bunda42の画像

学芸大学駅から徒歩1分。西口を出て線路沿いをすぐ右手、五本木・祐天寺方面へ。ファミリーマートの角を曲がった先に「BUNDA 42」というバーがあります。東軒の前の路地と言った方がわかりやすいでしょうかね。

学大に住んでいれば、このドクロマークの看板は誰もが一度は目にしたことがあるはず。けど、入ったという人は何気に少ないかも? 私は久々の3回目。マスターは私のことをなんとなく来たことのある人間だとわかっている程度。私はもちろん覚えてます。他の店でもお見かけしたことが何度もあるしw

※2021年7月13日追記:2021年5月、6月ごろに閉店しました。追記以上

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カウンターには蚊取り線香。

「いい香りですね」

「そう、蚊はいないんだけど」

「お香代わりですね」

だと思ったw 俺にはわかる。

「ハイボールをお願いします」

「バーボン、スコッチ、どちらで」

「うーん、バーボンで」

8月がもう終わるというのに日中は35℃。まだまだ暑い夕刻。蚊取り線香の香り漂うバーカウンターではバーボンでしょう。

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少し小さめのグラス。けどワンショットの量は同じ。つまり少し濃いめのハイボールができあがります。

「今は学大? その前は?」

「恵比寿というか中目黒というか。鎗ヶ崎です」

「オートバックスのあたりだね」

「そうですそうです」

「あそこにうまい焼き鳥屋があったんだよなぁ」

「鳥善ですね。おいしかったですよねぇ」

中目黒の名店・鳥よしとも、チェーン店の鳥良とも関係のない老夫婦がやっていた焼き鳥屋。ほんとうまかった。

「その前は?」

「東(ひがし)のほうにも。恵比寿界隈には併せて10年以上住んでました」

「東にも銭湯あるよね」

「さかえ湯ですね。そこから徒歩10秒のところに住んでました(笑)」

ううう。間違えてた。二重の意味で。マスターは八幡通りの下にある銭湯のことを言ってたかもしれない。だとしたら「さかえ湯」はあってるんだけど、徒歩30秒じゃなく徒歩5分。ただ、私はKITSUNEの裏手の銭湯を思い描いていました。ならば10秒はあってるけど、「さかえ湯」じゃなく「改良湯」。どっちのことだったんだろ。ま、いっかw そして俺ってKITSUNEから徒歩10秒のとこに住んでたんだと改めて。そうか。まさかこんなことになるとは想像だにせず行ってたんだねぇ。いや、BABYMETALのことなんだけどねw

「昔はいろいろなところに銭湯あったんだけどね。学大も第二千代の湯ってのがあってさ」

「どこですか?」

「碑文谷のまいばすけっとのところ」

「へー!そうなんですか」

とにかくまあいろいろ話したなぁ。

参考サイト/渋谷区:渋谷区公衆浴場マップ

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「開くの早いですよね。何時、何時ですか?」

「一応、19時からなんだけど、閉めるのは遅いと5時、6時くらいかなぁ」

「こちらはどれくらいになるんですか?」

「今年でちょうど10年」

「何か10周年のイベントとかやるんですか?」

「やんない。10周年記念のTシャツ作って1万円で売るくらいかな」

「1万円w」

「買う?」

「買いませんw」

「そうだよねw」

なんだろう。こう、しっくりくる。コワモテで威勢のいいマスター。けど、怖くはありません。優しいというか、こちらの波長にスッと合う。

246(にょろ)のTABOさんも同じなんだよなぁ。それほど親しくない人と話す時、最初、"チューニング"が必要だったりするじゃないですか。あちらがその感じだったら、こっちもこんな感じで、とか。そうこうしている内に合ってくる(もしくは合わないw)。けど、「BUNDA 42」のマスターもTABOさんもそれが必要ない。いきなり合っちゃうんだよなぁ。

もちろん誰でもそうってわけではないでしょう。おそらくですが、飲んだくれなら合いやすいはず。飲んだくれの波長ってのがたぶんあるんだな。

「このバーボンはなんでしたっけ?」

「ジムビームのブラック」

「じゃあそれをロックで」

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レギュラーのホワイトよりもしっかりとしたボディ。ビターでスモーキー。かといってビリビリするようなパンチはなく滑らか。

もうそろそろスコッチが飲みたくなるような季節になってくれりゃいいのにな。

「あちら見させてもらっていいですか?」

「いま物置きになってるけど」

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奥のスペースはドラムをはじめ、音楽機材が置かれています。そう、ここ「BUNDA 42」にはライブスペースもあって、週末は夕方からライブが行われています。

壁にはネイティブアメリカンの衣装がかけられていました。立派だなぁ。

「これってインディアンのですよね」

「そう。あっちにカナダの石とかこういうのを売ってる店が昔あって」

「あー」

トリッキーズの先にあったエム・アイ・シーのことなんでしょうけど、もしかしたら正確にはカナダビジネスサービス/アンモライトミュージアム(旧カナディアンスピリッツ)のことかも? 一時期、両者は同じ場所にあったようなので、実情はよくわかりません。後者は東口商店街のオリジンのとこに店舗があったんだよね。ポンパドールより前。

「そこにこれがあってさ、聞いたら売り物じゃなかったんだよ。けど、どうしても売ってくれって言ったらいくらなら買う?って聞かれて、ひと晩考えて」

話を聞きながら、頭の中でそろばんをはじきます。こういうのって高いんだよ。場合によっちゃ10万円単位だろうな。

「次の日、さっそく行って『1万で』って。そうしたら売ってくれた」

「いやいや。1万円って」

「店閉める感じだったからさ」

「在庫整理? けど、それにしてもそんな値段でw」

「実際にあっちの酋長(?)が着てたやつらしいんだけどね」(正確に何と言っていたかは失念)

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改めて店内を見回します。ガイコツグッズがいっぱい。これはティッシュケース。お客さんがいろいろ持って来てくれるのだそう。

「私の連れもガイコツ好きで、正確には骨格好きなんですが、家にいろいろありますよ」

写真をお見せしました。

「いいねぇ」

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これはお見せした写真とは別。拙宅のガイコツグッズのごく一部

「じゃあお会計を」

「1000円です」

「やすっ」

「またぜひ」

「はい、また寄らせて頂きます」

週末はライブをやっていることが多いのですが、平日はごくごく普通のバーです。いや、普通じゃないな。こんな早くからこんな遅くまでやってる、こんなに安いバーは珍しいw

私のように音楽にこれっぽっちも興味がなくても大丈夫。もちろん音楽好きなら、音楽の話で盛り上がることもできるでしょう。見た目は重々しいですが、とても軽やかで楽しいバー。なんの気兼ねもなく、スッと馴染めるいい兄さんです。とても優しいです。ぜひ一度のぞいてみて下さい。

ああいう優しさは危ないんだなぁ。親しくなると絶対甘えちゃうw

あ、BUNDAの意味を聞くのを忘れた。

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