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中華料理屋 ハルピン(西小山・武蔵小山・学芸大学)の肉汁あふれるちょっと変わった餃子がおいしかった~ハルピンのネオンが映る今はなき川を想う

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西小山駅から徒歩約10分強、武蔵小山駅から15分弱、学芸大学駅から約15分。例の五叉路のすぐ近くにある中華料理屋・ハルピン(哈爾浜/哈尔滨)。住宅街のど真ん中に忽然として表れるど派手な外観は中華街、いや、中国現地のレストランのよう。昔行った北京を思い出します。

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店内はめちゃくちゃ広いです。大宴会ができるほど。カウンターぽい席に座り、悩んだ挙句、麻婆豆腐と焼き餃子を注文しました。変な頼み方でしょ?w 二軒目なのでしゃーない。

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まずは麻婆豆腐。これは甜麺醤(てんめんじゃん)がきいてるのかな? それほど辛くはありません。甘みがあってスパイシー。少々きつめに閉じられていて、どちらかというと昔ながらの麻婆豆腐といった味わい。おいしいです。

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次に出てきた餃子にびっくり。この見た目! 丸くクルッと皮に包まれています。何もつけずにひと口。ジュワーっと汁がしたたり落ちます。餡にはしっかり下味がついています。これは酢・醤油などをつけないのが正解。そのままが絶対いい。ちょっと変わってるけど、濃厚でパンチのある、とてもおいしい餃子でした。

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食べ終えて、ママと談笑しました。

「餃子おいしいですねー」

「ありがとう。今日、仕込んだからかしら。本当は注文が入ってから包みたいんだけど、混み合うとそうもやってられないのよ」

「メニューにある翠麺って普通の麺とは違うんですか?」

「麺にほうれん草を練り込んでるの」

「ああ、見た目が緑なんですね」

「そう。だけど、あまり好きじゃないって人もいてね。普通の黄色い麺とふたつ用意しろっていうお客さんもいるんだけど、2種類やるのは大変で」

「なるほど、そうか。茹でるとお湯も緑になるから、茹で鍋をふたつ用意しなきゃいけないってことですか?」

「そうそう。だけど、お客さんはわからないじゃない。どうやってるのか」

「おいしそうですけどねぇ。今度来た時、食べてみます。ところで、こちらはどれくらいになるんですか?」

「1954年から。もともと社長がやってて、今はもういないんだけど、ここ買い取って」

「そんな前からってことは、もしかしたら、この前はまだ川があったとか?」

「そう。(店の)前は川でしたよ。ずっと来ててね、立会川まで」

いやぁ、こんな話が聞けるってのはいいですねぇ。やっぱりハルピンの前の妙なカーブは暗渠だったのか。

「それにしてもすごい外観ですよね(笑)」

「外だけは派手よねぇ。こんな住宅街で(笑)」

「いやでも、この雰囲気いいですよ」

「そう? 目立っちゃってねぇ(笑)」

とにかく明るくて話し好きなママさんです。料理にはかなりこだわっているようで、メニューにはこんなことが書かれていました。

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当店では身体に優しい低脂肪の植物油にて調理しております。スープは麺と料理に2種類創ります。一品料理に使用するスープは鶏ガラで採ります。コンドロイチンを多く含み美肌に効果が有ります。麺のスープは豚骨・鶏骨を併せたもので採りエキスを濃くしたものを使っています。

いや、よくわかります。あの餃子の汁感はハンパなかったもん。

会計時には50円割引券をくれました。

「ごちそうさまでした」

「ありがとうございます。またぜひ来て下さいね」

「はい。今度は翠麺も頂きます」

外に出て振り返ります。おおお。やっぱ迫力あるなぁ。

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こちらは8年ほど前に行った北京の夜。川面にネオンが反射してキレイだったなぁ。60年前、まだ川が通っていた頃、ハルピンのネオンもこんな風に川に映っていたのかな。その頃は、近隣から大勢の人がやって来て、ちょっと贅沢な夕御飯をここでとっていたんだろうなぁ。誕生日会をやったり、会社の宴会をやったりなんてことも、しょっちゅうで。

そんな時代に思いを馳せ、8年前の楽しかった北京旅行を思い出すと、今は道路となっている足元にハルピンのネオンがキラキラ映っているような気になります。気持ちのいい秋の夜風に身を晒し、"川"を上るようにして学芸大学方面へと戻って行きました。

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