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水炊きの白濁スープはなぜ白い?~簡単!本格的な白い鶏ガラスープ(鶏白湯)の作り方

鍋のシーズン到来! いつもの醤油や味噌の鍋じゃ、ちょっと普通すぎ。そんなあなた、博多の水炊きのような鍋はいかがですか? 難しそう? いえいえ。確かにちょいと手間はかかりますが、結構簡単ですよ♪

最初に完成図を。

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今回はこんな感じの水炊き鍋の作り方をご紹介~。

目次

なぜ白濁するの? どう白濁させるの?

鶏に限らず、豚も牛もそうなのですが、骨髄などのコラーゲンが溶け出て、水分と混じり合い、乳化して白濁します。ですから、肉を煮込むだけでは白濁しづらいです。ガラを煮込み、骨髄を溶かし出すことが白濁スープを作る要となります。

鶏ガラ(生)で鶏白湯を取って水炊き

材料

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  • 鶏ガラ

以上w あとは鍋にしたい具をお好きにどうぞ。

鶏ガラは鶏肉を扱っている精肉店であれば、ほぼ必ずあります。また、大きめのスーパーにもあります。表に陳列されていなくても、言えば裏から持ってきてくれるはずです。

近所に鶏ガラを置いてるスーパーや精肉店がない、という方はネット通販でどうぞ。

大まかな流れ

後ほど詳しく説明しますが、最初にざっくりと。

  1. 鶏ガラを下茹で
  2. 鶏ガラから肉を外し、砕きつつ鍋へ
  3. 煮込む
  4. 骨がもろくなってきたら潰す
  5. どんどん煮込む
  6. 完成

ね? 簡単でしょ?

作り方

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鶏ガラを寸胴で下茹でします。これは骨から余分な肉を取り除きやすくするための工程です。下茹で時間は30分程度で十分。寸胴から少々はみ出すくらいでも大丈夫。火が通れば柔らかくなり、ちゃんと寸胴内に収まります。

ちなみに、これは6羽分、約3kg。

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下茹でが終わったらガラを取り出し、肉を取り除いていきます。指で取れる範囲で大丈夫。お店で出すわけじゃありませんから、キレイにすべて取る必要はありません。写真は手前がガラ、奥が取り除いた肉。

下茹でしたお湯は、それ自体も鶏ガラスープです。白濁スープではありませんが、これもとてもおいしいので、取っておいて活用してみて下さい。一日置いて、脂分を固めて取るのがおすすめです。そのままだとちょっと脂っこすぎます。

また、取り除いた肉もおいしいので、取っておきましょう。ミキサーにかけ、鶏肉団子にするのがおすすめです。もしそれをこの白濁水炊きに入れるなら、団子は肉だけにして下さい。ショウガなどは入れないほうがいいでしょう。せっかくの極上スープにショウガの味が移っちゃうので。

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肉を取り除いたガラを砕きながら圧力鍋(もしくは寸胴)へ。私はいつもペンチで潰していますが、ハンマーで砕くなり、指でポキポキ折るなり、お好きな方法でどうぞ。この作業は飛ばしちゃってもOKです。圧力鍋で煮れば、どうせボロボロになりますから。

ガラがひたひたになる程度の水を入れ、沸騰させます。アクを適度に取り除いたら、圧をかけ約1時間煮ます。アク取りはそれほど神経質にならないように。せっかくのうまみまで取ってしまいかねないので。

ちなみに私が使っている圧力鍋はパール金属の4.5リットル圧力鍋。日々の料理で超活躍しています。

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1時間後、圧力鍋を開けます(普通の寸胴なら2~4時間ほど??)。これくらいだとまだそれほど白濁はしていません。木べらなどでガツガツと骨を砕いて下さい。

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そこからは火力全開でガンガン煮ます。すると、乳化が進み、どんどん白濁していきます。水分量が減ってきたら適宜、足して下さい。

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鶏白湯の完成!

水炊きを作ってみよう!

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まずはスープだけを味わいましょう。こしつつコップに注いで、塩をちょいと入れると、白濁したザ・鶏白湯(とりぱいたん)! 濃厚! うめえええ!

鶏ガラを煮込むだけでできる白濁した水炊きスープ(鶏白湯) toripaitanの画像

続いて鶏白湯の水炊き。最初は鶏モモ肉だけで。塩を少し溶いたスープを取り皿に入れておき、これに肉を浸して食べます。なんじゃこれ! うますぎ! やばい! こちらが飲んでいるはずなのに、濃厚な鶏ガラスープは私を飲み込みます!

なお、黄色く見えるのは脂分。私は少々脂があったほうがコクがあって好きなので、そのままにしました。もし気になるようなら、一日置いて、脂分を固めて取り除いて下さい。

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次は野菜を入れて鍋。もちろんうまーい! ちなみにこれは一人用の鍋。一人だったので。そして、このほうが撮影しやすいのでw

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〆はラーメン! 鶏肉団子を添えてみました。濃厚、激ウマの鶏白湯ラーメンです。最高。雑炊もやばいです。

生麺を使う場合、麺は普通のお湯で軽く茹でて下さい。いきなり鶏白湯に入れちゃだめ! 鶏白湯に限った話ではありませんが、麺についている粉がスープに溶け、スープがドロッとしてしまうからです。これはこれでうまいんですが、ちょーっと重たくなりますよねぇ。乾麺だったらマルタイの「棒ラーメン」とかがいいんじゃないでしょうか。

ただ、ラーメンのスープを半分ほど飲み終えた時、ちょっと嫌になりましたw もう勘弁してくれ、と。鶏すぎる、と。鍋で普通に〆ラーメンを作るくらいならいいんですが、単体のラーメンにしてしまうと、飲みきれないほどスープが濃厚です。もしラーメンのスープにするなら、少し薄めて塩や醤油で味を調整するといいかもしれませんね。

嫌になるほどうまい水炊き用の白濁した鶏白湯。この冬、ぜひ一度、試してみて下さい。市販品もおいしいですが、やっぱ自分で作ったら一層うまく感じますよ!

鶏ガラ(冷凍)で鶏白湯を取って鶏白湯ラーメン

基本的には上記と同様ですが、もう少し詳しく説明していきます。

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肉のハナマサで冷凍鶏ガラ(岩手県・阿部悦三商店)を購入。380円/2kgと激安ですが、これで十分。

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寸胴で解凍・下茹でしていくわけですが、寸胴に入りきらなくても大丈夫です。お湯に浸かっている部分が溶けたら押し込み……を繰り返したら寸胴に収まります。

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鶏ガラ全部にしっかり火が通れば下茹で完了。下茹でしたお湯はアクをしっかりとれば、おいしい清湯(チンタン)になります。これも鶏のダシが濃厚でめっちゃおいしいですよ。

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取り出した鶏ガラは血の塊や内臓の欠片が残っているので、流水で洗い流します。

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そしてざっくりと指で肉を取り除きます。ガラはペキペキと折っておくといいでしょう。

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取り除いた肉。これがまたうまいんです。骨の周りの肉ですからね。なんなら、高級焼き鳥店で希少部位として出てくるような肉だってついていたり。これをどうするかは、また後ほど。

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鶏ガラを圧力鍋に入れ、鶏ガラがひたひたになるくらいの水を加えて火にかけ、沸騰したら軽くアクを取り、フタを閉めて圧力をかけます。

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今回は30分。圧が抜けたらフタを開けます。まだ白濁はしていません。

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強火でガンガン炊いていきます。木べらで鶏ガラをガツガツと砕きながら。そうすると、徐々に白濁していきます。

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約10分。煮詰まってくると乳白色になってきます。

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ザルで濾したら鶏白湯の完成です。

鶏ガラ2kgで清湯2リットル、白湯1リットルができました。この白湯だけをスープにしてラーメンを作るとなると、3杯分くらいでしょうかね。もちろん希釈すれば、もっと取れます。

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鶏白湯に塩を加えただけ。純度100%の鶏白湯ラーメン。濃厚。うまいよ、うますぎるよ……。

今回はあえて鶏白湯をそのままスープにしましたが、先述の通り、これでは濃すぎます。水や魚介系スープ、野菜ダシなどで少し薄めたほうが飲みやすいかと。

清湯・鶏ガラから取った肉の活用方法

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清湯(チンタン)はいわゆる鶏ガラスープです。どんな料理にでも使えます。こちらは清湯に醤油と塩を加えた鶏そば。鶏のうまみがこの上なく深い。脂も甘くてこれまたうまい。

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取り除いた鶏肉に塩をまぶし、ごま油(あるいはラー油)で和えたもの。これって要は、普段、スーパーなどでは買えないような希少部位を茹でたものですから、そりゃうまいに決まってます。晩御飯の一品として、あるいは晩酌のお供にぜひ。

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こちらは取り除いた鶏肉を粗めにミンチにして作った鶏肉のパテ。ミンチをバターで炒め、白ワインを入れて、塩コショウで味を整えます。こいつを型に入れて押し固め、冷蔵庫で一晩寝かせれば完成。そのまま食べてもよし、バゲットに乗せて食べるもよし。簡単でおいしいですよ。