※2022年9月4日追記:2022年1月末日に閉店しました。1964年創業だったそう。長い間、お疲れさまでした。追記以上
三軒茶屋のピカソと三菱東京UFJ銀行の間の筋、なかみち通り。国道246号線と世田谷通りで作られる"三角地帯"の底辺にあたり、数多くの飲食店が軒を連ねています。
なかみち通りにある味好亭(みよしてい)は創業50年以上の老舗居酒屋。吉田類氏も訪れています。行こう行こうと思ってずっと行けてなかったのですが、ようやくタイミングが合いました。
夕方とはいえまだまだ暑いです。まずは瓶ビールを注文。
メーカーの小さなノベルティグラス! 瓶ビールはこうして提供されるべきです。これが正しい瓶ビールの飲み方です。日本のビールはこうして飲むのが一番うまいんです。
私も家ではこれで飲んでます。
隣のお父さん方はホッピーを飲んでいます。テーブルに固定されたオープナーでみずから瓶を開けつつ。
会話の内容はテレビに映し出されている大相撲。相撲中継を流す。これもまた正しい居酒屋のあり方です。
お通しとして出てきたのは枝豆。少し堅めにゆで上げられた枝豆はとても香ばしく、これだけでも立派な料理と感じさせるほど。
店内、カウンターをゆっくり見まわし観察します。
カシャーサを「ブラジル」。店独自の呼び方を作っちゃうのも老舗名店の特徴です。お父さん方はカシャーサなんて呼べません。「ブラジル」で正解です。そもそもこんな居酒屋にカシャーサというのがシャレてます。
メニューがとてつもなく豊富です。そして、鹿肉料理だけで一枚特別にメニュー表が作られています。このお店の名物料理なのでしょう。鹿肉のハンバーグを頼みました。
3種のピクルスが添えられています。盛り方がきれい。こういう店ですから、豪快に焼かれ、豪快に皿に乗せられ出てくるのかと思いきや、とても繊細に仕上げられています。すごい。
「ご出身が鹿肉で有名なところだったりするんですか?」
「常連さんでハンターの方がいらして、毎年、北海道で鹿を撃って送ってくれるの」
穏やかで優しい声のお母さん。お父さんのしゃがれた声とのコントラストがまたいいw
ハンバーグは鹿肉のうまみがギュッと詰まっていて、甘くて柔らかい。ピクルスとカラシがいいアクセントになります。絶品です。
「あたりが弱いんだよ」
「あそこで巻き返しちゃなぁ」
「ああ、遠藤負けたのか」
大相撲に一喜一憂するお父さんたちを横目に、2杯目はレモンサワー。
ハイ・サワーにカットレモン。炭酸の刺激、レモンの酸味が表の暑さを忘れさせてくれます。こちらのグラスも富士山麓ノベルティ。すてき。
次に頂いたのは、焼き鳥。すべて1本100円です。
昔ながらの焼き鳥です。塩がほんの少し濃いめに振られています。暑さと私の年齢を見てそうしているのかもしれません。
続いて頂いた牛シロの煮込み。特有のクセを殺さないよう煮込まれています。唐辛子とコショウでピリ辛。
上位陣安泰の結果に終わった大相撲。お父さんたちの会話のネタはNHKニュースに移っています。
「6増6減って減ってねぇだろう」
思わず吹きそうになりましたw
もし居酒屋に基準があるとしたら、味好亭がスタンダードです。もし居酒屋に正解があるとしたら、味好亭が正解です。味好亭には居酒屋にあるべきものがすべてそろっています。
SHOP DATA
- 味好亭(みよしてい)
- 東京都三軒茶屋2-11-12
- 03-3418-5650
- 公式