※2017年7月23日追記:長い間、閉まりっぱなしだったのですが、閉店していたことが判明しました。すでに次のお店も決まっているようです。追記以上
ありがたいことに、「ブログ見ました」とか「ブログ見てあの店に行ってみました」とか「ブログ見たって人がウチに来てくれたんですよ」みたいなことを言われることがしばしばあります。こんなのが役に立つのかどうか知りませんがw
逆に、「だったらあそこ知ってます?」みたいな情報を頂けることもあります。
「味心の並びに栄螺(さざえ)ってお店があるの知ってます? いいですよ」
そんなことを某所で教えてくれたのも、このブログをご覧になっている方でした。でも、味心の並びに居酒屋? チャラン-ポラン(CHA爛-PO走)の隣に居酒屋?? そんなのあったっけ? 次の日、さっそく確かめに行くと、確かに居酒屋「栄螺」がありました。まさか……。
この通りは数え切れないほど通ってます。チャラン-ポラン(CHA爛-PO走)、愛鈴、味心、PEACE、どれにも行ったことがあります。居酒屋、飲み屋に対するアンテナはそれなりに敏感だと自負しています。なのに、まーーったく気づきませんでした。人間の注意力なんていい加減なもんですw
ただ、その日は休みのようでした。次の日、行ってみます。やはり閉まってました。時間がだめだったかな? その次の日も遅めに行きましたが、やっぱり閉まってます。どないやねんw
一週間に4度、様子を見に行って、4度目で初めて開いているのを確認。よかった、閉店したわけじゃないんだなw というわけで、お邪魔しました。
ご主人が飛騨の出身ということも影響しているのでしょうか、どことなく、田舎の昔ながらの居酒屋といった風情。青山の「葉隠(はがくれ)」や学芸大学なら「源平」を彷彿とさせます。のんびりとした、落ちついた店内。
「何度か来ようとしていたんですが、いっつも閉まってましたw」
「すみません、気まぐれで……」
よっぽどの変わり者かと思いきや、そうではなく、どちらかというと、とても優しい穏やかな方です。
「にんにく食べれますか?」と聞きつつ、お通しを仕込み始めました。砂肝を切っています。だけど、音がちょっと不思議でした。手元を見てみて納得。なるほど。へー。
砂肝をスライスしているわけではありませんでした。ハモの骨切りのごとく、細かく包丁を入れていたので、まな板の音は聞こえず、ジャク、ジャクと小気味のいい音のみがしていたのでした。こうして切り込みを入れられた砂肝をニンニク、醤油、塩、コショウで炒めたのがこちら。
シャクシャクした食感もいいし、味付けもちょうどいい。ああ、料理がとてもうまいんだなと、これだけでよくわかります。今度、マネしよう。
どうも「栄螺(さざえ)」にはメニューがなさそうです。その日にある食材で、うまいこと調理してもらう感じかな。一見ですから、常連さんの様子をうかがいます。そうしたら、隣の方にご主人がこんなことを。
「ナスは食べたっけ?」
「あれ、おいしかったですね」
ご主人が取り出したのは立派なナス。
「それ、お願いします」
間髪入れず頼みました。
「私は飛騨出身なんで、ナスの真ん中に切れ目を入れて、そこに味噌を詰めて焼いて、皮はお客さんでむいてもらうって感じなんですが、いいですか?」
「もちろんです。ぜひ」
味噌といえば飛騨高山の朴葉みそ。おそらく、飛騨は味噌で有名なのでしょう。そんなことを読み取りつつ、ナスが焼けるのを待ちます。
常連さんの会話に耳だて、店をあれこれ見ているだけで楽しい。最近よく目にし飲む日本酒「蓬莱(ほうらい)」の一升瓶がカウンターの上にズラリと並んでいます。あれ? 「蓬莱(ほうらい)」は飛騨高山だったけかな?
なんてことをしていたら、ナスができあがりました。
凝った料理ではありませんが、これが絶品。柔らかく蒸し焼きされたナスの甘い身と、濃厚な味噌が絶妙。うまーい。
初回なので、これでサクっと切り上げることにしました。ご主人の朴訥とした人柄がなんとも素敵。気まぐれに開く店ですから、のんびりと長くお付き合いする覚悟をもって、ここ「栄螺(さざえ)」に通うのがいいかもしれません。うまい肴をつまみつつ酒を飲み、ゆっくりしたひと時を過ごす。これが贅沢だと思うんだよなぁ。
店を出てすぐ気付きました。ああ、勘違い。最近よく飲んでたのは神奈川の「残草蓬莱(ざんそうほうらい)」だった。飛騨の「蓬莱(ほうらい)」は飲んだことなかったかも。今度は日本酒を頂こう。
いいお店をご紹介頂き、ありがとうございました。○○ちゃんw こういうつながりができるってのも、学芸大学の面白さですね~。
SHOP DATA
- 栄螺 (さざえ)
- 東京都目黒区鷹番2-21-4 ホワイトハイム鷹番102
- 03-3714-6966
- 公式