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tricky's(トリッキーズ)が抱く誇り~薬草系リキュールも豊富な学芸大学屈指の人気のバー。カジュアルだけど本格的なカクテルもあります

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学芸大学駅から徒歩5分強。鷹番通りと唐ヶ崎通りの交差点近く、と言っても通じにくいか。東口商店街のガストのある角を右折して真っ直ぐ、あるいは線路沿いの笹崎ボクシングビルを左折して真っ直ぐ行くと、「tricky's(トリッキーズ)」というバーがあります。2011年1月9日にオープンしたバーです。

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西のプレミアワン、東のトリッキーズ。私は勝手にそう位置づけていますw "学大3大バー"の内の一軒とも言ってるのですが、「じゃあもう一軒は?」と聞かれても答えに窮するw

この話は他店に比して優れている、他店が劣ってるというようなことではなく、人気という点で。あるいは知名度と言ってもいいかもしれません。いずれにせよ、学大ではそれだけ知れ渡っている人気店ということです。

3年ぶりくらいで2度目。ちょっとしたあるタイミングがあって、今回、久々に行ってきました。

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開放感のあるシックな店内にはカウンター席とテーブル席がいっぱい。大きなテレビがあって、映画やスポーツが流れています。

ホロ酔いですが、やはり最初はジントニックかな。

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ジンはビーフィーター(BEEFEATER)でした。キリッと締まってうまいなぁ。

店主は宇山祐二さん。愛称・ジョニー。ジョニーさんの祖父はカクテル「キッス・オブ・ファイア」の生みの親でもある名バーテンダー・石岡賢司さんです。

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キッス・オブ・ファイア(画像転載元:トリッキーズ公式サイト

日本バーテンダー協会主催の第5回オール・ジャパン・ドリンクス・コンクールで優勝したカクテル「キッス・オブ・ファイア」。そして、それを生み出した祖父。このカクテルが、そして偉大な祖父の存在が、ジョニーさんがバーテンダーを目指そうと思ったきっかけになったのだそう。

同カクテルはメニューに目立つように書かれ、公式サイトでは写真付きで紹介されています。それだけ誇りに思っているということなんですね。

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トリッキーズはノーチャージ。焼酎などは600円ほど、カクテルだと750円くらいから。ビールもあるしスコッチもあるし、リキュールもいっぱい。お酒の種類が豊富です。

バックバーにもいろいろあるのですが、カウンターには薬草系のリキュールが並んでいます。しげしげとボトルを眺めていますと。

「何か気になるものありますか?」

「これ、初めて見ました。イタリアのリキュールですか?」

「フェルネットブランカ(Fernet Branca)。薬草系ですね。すごく苦いです」

「へー。じゃあ、あとで飲んでみます」

「薬草系が好きなんです。ウチは日本で一番、ウンダーベルクが出る店かもしれません。夏、大勢でバーベキューをやるんですが、ウンダーベルクが200本くらい空きますw」

「そうやって飲むもの?w」

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薬きょうのように吊らされ並んでいるのがウンダーベルク

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こういうの見たことありません? 茶色い紙に包まれた小さな瓶。ドイツの薬草系リキュールです。ソーダやジンジャーと割って飲んだり、あるいはカクテルに数滴垂らしたりして使います。仮にショットで飲むにせよ、ごくごく飲むものではありません。普通はw

つーか、プレンミアワンは日本で一番、テキーラが出るバー。トリッキーズは日本で一番、ウンダーベルクが出るバー。どないやねんw けど、どんなことであっても、何かしらで一番になるってのはすごいこと。十分、誇りとするに値します。

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スタッフさんが仙台に行っていたそうで、お土産の牛タンジャーキーを頂きました。おいしいなぁ。

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30代と思しき男性客が4名ほど。客層は比較的若めという印象です。前回来た時は女性が多くて、ヒャホー!とかなり盛り上がっていました。この日は落ち着いた感じ。当然のことではあるのですが、日によって随分と印象が異なりますね。バーってのは。

隣はオールドパーとオールドクロウで、あっちはバランタイン。みんなウィスキー飲むんだねぇ。若い人はウィスキー飲まないなんて耳にするけど、どうしてどうして。

「じゃあ、これ(フェルネットブランカ)をロックで。ノーステアでお願いします」

「ノーステアですか」

「その方がそのままの味がわかるような気がして。他はどう飲むことが多いんですか?」

「ソーダで割ったりですかねぇ」

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ひと口。

「どうですか?」

「うん、苦いw 何かの味に似てるような……」

「イソジンですか?」

「変な言い方ですが、フリスクに似てるような」

「フリスクですか。その考えはなかったです」

フリスクってスッとしてるじゃないですか。そのスッてのがなかったら、実は何気に苦味がありません? イソジンぽくもあるのですが、なーんか、フリスクっぽいとその時は感じてしまいました。うーん、わかりづらいかぁ。ホロ酔いだったし、なんだか変なたとえをしたなw

「けど、クセになる味なんですよねぇ」

「確かに。けど、この苦さに誤魔化されて、調子に乗って飲むとやられそうですね」

「何度でしたっけ?」

「39度って書いてますねw」

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バカラチャレンジで獲得されたグラスの一部

バックバーの上の棚にはキレイなグラスもいっぱい並んでいます。

「31日連続で通って頂くと、バカラのグラスを差し上げてるんです。もう20数名、達成者がいます」

これも誇らしいよなぁ。バカラ獲得者にとっても誇らしいことでしょうけど、それより何より、31日連続で通ってくれる人がこれだけいるってことですからね。そりゃあバーテンダー冥利に尽きますよ。

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帰り際に頂けたカイロには10%割引券が

カジュアルで、若い人でも女性でも、バーに慣れてない人でも行きやすい。比較的賑やかで、一見でも馴染みやすい。お酒がいっぱいあって、本格的なカクテルもある。オープンは早めで遅くまでやってるから、いつでも行ける。チャージがないし、通いやすい。31日連続で通えばバカラのグラスがもらえるw

2018年1月で7周年。この間、店を休んだ日はゼロ。2500日以上、連続で営業しているそう。これも大きな誇り。ふむ、いいバーだなぁ。学大を代表するバー(ある意味で)というのは、やっぱ間違いじゃなかった。

※2019年5月19日、20日に休業。3052日で連続営業が終わります

どこか一店、基点となるようなバーを見つけたい。そんな方は特に行ってみるといいんじゃないでしょうか。もし気に入ったら、31日連続チャレンジしてみては?

トリッキーズのキッス・オブ・ファイア

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別日。まだ飲んだことがなかったキッス・オブ・ファイア。ようやく飲むことができました。

お店の照明の具合も重なって、ピンクのようなオレンジのような色。その様は炎のよう。そして、甘くてキリッと締まる飲み口はキス。確かにこれはキッス・オブ・ファイア。

ちょうど一周して砂糖がなくなるのと同時にカクテルを飲み干しました。いやぁ、いいカクテルだ。そして、このカクテルをここ「トリッキーズ」で飲むというのもまた格別。

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SIPSMITHのLONDON DRY GIN
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Mediterranean Premium Spirits(バルセロナ)のジン・GINRAW
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ある日は偶然、客は私一人。いろいろ話しました。バーテンダー事情、学芸大学界隈のあれこれ、酒にまつわること、キッス・オブ・ファイアの生みの親でもあるおじいさんのこと、そしてジョニーさんの抱く"野望"について。楽しかったなぁ。いいバーだ。

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