※2017年7月10日追記:店内はがらんどう。いつの間にか閉店していました。おそらくここ2ヶ月ほどの間のことだったと思われます。長い間、お疲れさまでした。追記以上
三軒茶屋駅から徒歩約6分。世田谷観音通り(旧明薬通り)と中里通り商店街が交わるあたり、世田谷郵便局のはす向かい方向にあるCo.Co。定食屋と言いますか、居酒屋と言いますか、近所のご年配方の憩いの場と言いますか、そんな感じのお店です。
お店に立っているのは60代、70代と思しきかわいいママさん。妙にシャレてます。
私が入った時にいたお客さんは80歳を越えたおじいちゃん。かなり酔ってます。元気だなぁ。モゴモゴと何を言っているかはよくわかりませんが、ママさんは適当に「へー」だの「そうなのー」と相槌を打ってます。絶対、会話になってないよなこれw だけど、そんなもんです。とてもほほえましい。
おじいちゃんはフラつきながら帰宅。次に来たのは70歳を越えたお母さん。お店が用意した焼き魚やポテサラを持って帰りました。なるほど、晩御飯を作ってくれてるんだな。
その次は少し若め。とは言え確実に70は越えている方。70オーバーの方にこんなことを言うのは失礼かもしれませんが、童顔www 赤い帽子が似合ってます。
と、こんな調子のお店です。交わされる会話の8割方は健康・病気に関して。残りの1割は最近の携帯はよくわからないという文句。素晴らしい! これぞまさに昭和の居酒屋w
さて、店のシステムですが、よくわかりません。とりあえず飲み物を頼んだら、「あれあるわよ」「これあるわよ」と言われます。ほしければお願いする感じでしょうか。私はポテトサラダを頂きました。
おおお。見事に薄味! もちろんおいしいのですが、優しい味付けです。おじいちゃん、おばあちゃん相手にはこれくらいの塩分じゃないといかんのでしょうなぁ。
面白かったのが焼酎の水割りの作り方です。グラスに氷と焼酎を入れたら、グラスを激しく揺さぶりながら、蛇口から直接水を注ぎます。そうしたら、「はい」と。なんて豪快な作り方w ステアするのも面倒なんでしょうねw
ママさんがここでお店を始めたのは30年前。
「昔はこの商店街もすごく賑やかだったのよ。当時からあるお店なんてほとんどないけどね。ウチもお客さんはほとんどみんな70歳以上。どんどん亡くなるから、お客さんも減ったわねぇ」
こういう話には軽く「ははは」と笑っておくのが正解です。深刻な話じゃありませぬゆえ。
聞けば、ママさんは鷹番生まれ、鷹番育ちだそう。ですから、学芸大学でよく飲むという話をしました。きっと「学大も随分変わったわよね」という返事が来ると思いきや、反応が鈍い。
「学大ではあまり飲んだりしないんですか?」
「私、お酒飲めないから、ぜんぜんわかんないのよ」
なーるほど。こういうママさんが意外と多いんですよねぇ。お酒が飲めないのに飲み屋をやっているというパターンです。
「それがいいのよ。お酒飲めてこんな店やってたら、すぐ体壊しちゃうわよ」
確かに。そういう店主もよく見かけますw
それにしても、なぜ店名が「Co.Co」なのでしょう。
「特に意味はないのよ」
いやいやいや。それじゃ納得できません。絶対なにかあるでしょう。と詰め寄ったら、照れながらこう言いました。
「ココ・シャネルが好きなの」
ほーら、やっぱりあるじゃんw シャネルか。うん、よくわかります。このママさん、シャネル着てそうだし、似合いそうだもん。30年前ということは80年代半ば。その頃、アラフォーだった(と思う)ママさん。この店の前はスナックをやってたって言ってたかな。バブル期にスナックや居酒屋をやっていた、ちょっと派手目なお姉さん。まさしくシャネルですわな。
「流行は時代遅れになるものよ」
「その日、ひょっとしたら、運命の人と出会えるかもしれないじゃない。その運命のためにも、できるだけかわいくあるべきだわ」
とはココ・シャネルの名言だとか。でも、このママさんが言ったとしても不思議じゃありません。そんな雰囲気。
ピンクの紅、ロングの茶髪。キレイでちょっとキツめでオシャレが好きな商店街のマドンナは、いつまで経ってもバカな男たちをうまくあしらい、あれこれ悩んでいる女性たちには時に強く、時に優しく声をかけ、変わりゆく人・街並みをクールに見つめています。
次はお茶割でも頼んでみるか。どうやって作るか楽しみだw
SHOP DATA
- Co.Co
- 東京都世田谷区上馬1-33-11
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- 公式