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もつ焼き屋・都(大岡山)のタン刺しが見事!ばん・久仁の香り漂う真新しい店は20年後、老舗色に染まる

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大岡山駅から徒歩5分強。大岡山北口商店街をずっとまっすぐ行くと、今回目指すもつ焼き屋・都(みやこ)があります。立ち食いそば/うどん・よりみちのある環状七号線・南交差点から入れば徒歩1分で着きます。なぜ唐突に都へ行こうとしたかという話はまた後ほど。

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2015年7月にオープンした都はとてもきれいな店内です。カウンターがあり、テーブル席もあります。

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"もちろん"最初はレモンサワー。キンミヤ、おそらくはコダマの炭酸、レモンは約1/4カットで絞り済み。さっぱりとしていいですね。

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まずは"もちろん"マカロニサラダ。コーンが入っているので甘めです。マヨネーズ感はしつこくない。マカロニの茹で加減がちょうどいい。

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次は"もちろん"レバカツ串。素揚げ状態で出てきて、必要なら自分でソースをかけます。最初はそのままひと口。カリっと揚がった衣、十分火が通っているもののパサついてはいないレバー、うっすらと振られた塩。

うん、地味ながらもしっかりとした仕事が感じられます。どちらもおいしいです。

続いてはタン刺し。

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ふあ。これはいい。そして非常に興味深い。

ボイルの加減が絶妙です。温度は抑え気味かな。スライスした後、上面をカット。皮で堅い部分を細切りにしているのはとてもいい工夫です。

ひとつ気になるのが、スライスした面に残っている3つの赤い点。これはわからない。なんだろう。スライスした後についたものなんだよな。きっと。スジ切り的な?

豚タンのうまみが十分。柔らかいんですが、食感もいい。時間と手がかけられた、上等な一品です。今度、これを目指して自分でやってみるか。

※追記:ボイルすることでタンがクルっと丸まるのを防ぐために金串を刺してるのかとも思ったのですが、その後、自分でタンを調理してみて、なんとなくわかりました。あの穴は血管(あるいは筋)が通っていた跡かもしれません。追記以上

ここから焼き物に移ります。焼き台は電気でした。表面に油らしきものを塗っています。このタイプはしっとりしつつコッテリになるんだよなぁ。たぶん。

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上から順にレバー、カシラ、ハラミ、棒つくね串、ハツ、タン、シロ。シロは普段、タレにするんですが、今回はあえて塩。

肉はどれも小ぶりというほどではないにせよ、食べやすい大きさです。想像通り、中はしっとりですが、コッテリ感もあり、食べごたえがあります。肉質はよく、塩の振りもちょうどいい。

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もつ焼きを食べながら店内をボーッと観察します。働いてらっしゃるのは男性二人。客は私を含め3人。一人は若め、一人はご年配。隣の先輩がハムカツを頼みました。ハムカツ、か。

2015年5月31日に三軒茶屋・茶沢通り沿いのもつ焼き屋・久仁(くに)が閉店しました。その直後、2015年7月ごろに久仁で働いてらっしゃった方が、ここ大岡山に都オープンさせます。串を焼いてらっしゃる方でしょう。

もう何十年も前の話ですが、久仁の創業者はばん(中目黒の旧店)で働いていました。ですから、久仁出身の方が出す店は言わばばんの孫。さて、どんな感じなんだろう。というわけで、都にやって来たという次第です。

もちろん、久仁にいたからといって久仁っぽくしなきゃいけないなんてことはありません。久仁は久仁。ばんはばん。都は都。

でも、レバカツ串やマカロニサラダ、自分では頼まなかったけどハムカツ、ぬか漬けといったメニュー構成にばんの香りが漂っています。レモンサワーはばんより久仁に近いのですが、あの出し方は久仁・ばんをかすかに感じさせます。

一方、タン刺しはばんにはありませんし、久仁にも確かなかったはず(2、3度しか行ったことがないので記憶が曖昧)。先達の遺伝子を引き継ぎつつも、独自のカラーで彩るメニュー。ばん・久仁のような圧倒的存在感はまだありませんが、真新しい店内は10年後、20年後、老舗の色へと変わって行くのでしょう。

うん、とてもいいお店だな。末永くご近隣の方々に愛される店になることを祈りつつ退店。30分もあれば学芸大学に戻れるか。腹ごなし、酔いざましがてら、歩いて帰途につきました。

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