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中華そば 青葉 学芸大学店はラーメンの標準子午線。動物系&魚介系のWスープの元祖は、刺激のインフレに疲れた私たちをいつでも癒してくれます。

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学芸大学駅から徒歩2分。東急東横線の高架下飲食店街・学大横丁の一番手前に中華そば 青葉 学芸大学店というラーメン屋があります。高架下がリニューアルし、学大横丁ができた2010年4月にオープンしました。

※追記:2021年10月28日に閉店しました。追記以上

本店は中野。1996年に創業しました(麺屋武蔵、くじら軒も同年創業)。創業者は芳賀良則氏。魚介系と豚骨・鶏ガラなどの動物系のスープを別々にとって合わせる"Wスープ"を世に広めた、日本のラーメン史に名を刻む人気・有名店です。「ミシュランガイド東京」のビブグルマンにも選ばれています。

私が中華そば 青葉のラーメンを初めて食べたのは15年ほど前。もちろん中野でです。学芸大学店は今回が3度目。

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メニューは中華そばとつけめんのみという潔さ。

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店内はカウンター約10席。2階にも席があるのですが、現在はおそらく使われていないんじゃないでしょうか(トイレは2階)。休日の昼時とあって、お客さんで賑わっていました。普段はガラガラの時もあります。

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こちらは以前食べたつけめん。強すぎない酸味、唐辛子のかすかな辛みがダシの濃さを中和。とても食べやすいつけ麺でした。

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今回食べた中華そば。動物系の濃度と魚介系の風味はどちらかが飛び出ることはなく、ピタッと均衡を保っています。とてもまろやかなスープ。麺は弾力があり、ツルリとした舌触りが気持ちいい。チャーシューはホロリ。

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普段、ラーメンにコショウを振ることはないのですが、試しに2、3振り。

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さらに、店員さんにお願いして、ゆず唐辛子ももらいました。コショウとゆず唐辛子でピリッと締まるのも悪くない。

とてもおいしいし、なんだか落ち着く味わいです

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久々に食べた中華そば 青葉の中華そばは昔と印象が違いました。以前はもう少しスープにトロみがあったような。そして、もっと魚介が強く出ていたような気もします。

20軒ほどの支店がある現在、もしかしたらスープは店舗ではなくセントラルキッチンで作っているのかもしれません。安定して大量にスープを作るにはそうするしかありませんしね。実情はわかりませんが。いずれにせよ、15年、20年前と味が異なっていても不思議ではありません。

けど、変わったのはきっと中華そば 青葉だけじゃない。私も変わっています。

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中華そば 青葉が創業した約20年前。この味は衝撃をもってラーメンファンに迎え入れられました。「こんなラーメンがあるのか」と。私が初めて食べた約15年前でもそんな評価だったと記憶しています。

ただ、時代が進み、青葉インスパイアが次々と登場し、Wスープは珍しくなくなります。各店は他店との差別化を図り、個性を出そうと鶏を強くしたり、魚介を前面に出したり、創意工夫を凝らす。今ではパンチのきいたWスープのラーメンが当たり前のものになりました。

そしてラーメンの進化に伴い、私たちの舌・嗜好も変わります。もっと新しいものを。もっと強いものを。刺激を追い求めてそれに慣れ、当初は斬新だったはずの中華そば 青葉を穏やかでおとなしい標準的なラーメンと感じるようになりました。

だけど、それは中華そば 青葉が時代遅れになったとか、他の目新しいラーメンたちに埋没し、凡庸なものになってしまったということではありません。行きすぎた"個性"に疲れ、時に穏やかなものがほしくなる。そんな時にWスープのちょうど真ん中、Wスープの元祖とも言うべき中華そば 青葉に戻ってみると、ホッとするのです。

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言うなれば、中華そば 青葉はラーメンの標準子午線。ここから始まりました。そして、いつでもここが基準。

「青葉より魚介が強い」

「青葉より濃厚」

「青葉っぽい」

時代に取り残されずそうなりえたというのはすごいことです。単に物珍しいだけじゃなかった元祖の実力を、創業から20年経ったいま、改めて思い知らされた気がしました。

SHOP DATA

余談ですが、中華そば 青葉は昔、ある事件に巻き込まれ、衆目を集めました(青葉は被害者)。真相はよくわかりません。なんだったんでしょうね。ただ、それくらい人気だった、すごかったとも言えなくはなく。詳細を知りたい方はググってみて下さい。

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