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HOROKUDO/宝録堂(武蔵小山・西小山)のパンは安定感があってリーズナブル。毎日でも利用できるパン屋です~宝録堂とサンエトワール(山崎製パン)

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武蔵小山駅・西小山駅から徒歩約10分。学芸大学駅からだと20分ほどですが、自転車ならすぐ。平和通り商店街にあるパン屋さん・HOROKUDO(宝録堂)。老舗のパン屋さんなのですが、バックボーンについては後ほど。

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イートインスペースもあります。表にはMIKADO COFFEEの看板が出てますから、ミカド珈琲商会のコーヒーを出しているのでしょう。

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惣菜系のパンが中心。とにかく種類が多く、POPが賑やか。"春の彩りパンフェア"というキャッチはどこかで見たことあるようなw "ヤマザキ「春のパンまつり」"に似ていますが、これも後ほど。

一番のお目当てはコッペパンサイズのバゲットのようなパン。バゲットである必要はありません。堅過ぎても食べづらいので。そうしたら、ちょうどよさそうなミニバゲットというパンがありました。うん、こういうのを探してた。

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あとは定点観測のカレーパンと連れが食べたいとセレクトしたハイジの白パン。ハイジ?

「こういう白いパンをハイジって言うんだよ」

と連れが言います。まったく納得できません。その場では「へー」と答えておきましたが。

帰って調べてわかったのですが、簡単に言うと、アニメ「アルプスの少女ハイジ」に白パンというものが出て来ます。これをイメージして作られた白いパンが"ハイジの白パン"。もちろんこれがあるのは日本だけ。スイスやドイツ、オーストリアにこんなパンはありません。

現在、いろいろなパン屋で"ハイジの白パン"なる商品名のパンが売られていますが、材料や製法に決まりがあるわけでもないので、パン屋によって形状も味もまったく異なります。

このようなパンを最初に"ハイジの白パン"と称して売り始めた(作り始めた)のかは調べてもわかりませんでした。なんかモヤモヤw

というわけで、買ってきたのがこちら。

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まずはハイジの白いパン。感触はフワッフワ。食べたらフワッ、モチッ。うまいじゃん。店内POPには「何にでもあう」と書かれていたので、マッシュルームのポタージュにひたして食べました。うん、めっちゃ合う。よくできてるなぁ。

次はカレーパン。

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写真では空洞に見えますが、みっちりとカレーが詰まっています。ザクッとした表面、しっとりな生地、オーソドックスなカレー。おいしいです。よくできています。カレーパンのど真ん中。辞書で「カレーパン」をひいたら、この味が出てくる。そんな感じ。

最後にミニバゲット。これが今回の目玉。なぜこれがほしかったかと言うと。

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こうしたかった。自家製レバーペーストを挟んだバインミーを作りたくて、バインミーにちょうどいいパンがほしかったのです。

軽くトーストしたミニバゲットは表面がサクッ、中もかすかにサクッ、そしてフワッ。いい。とてもいい。何かを挟むのにちょうどいい感じ。このミニバゲットにして大正解でした。これが"バゲット"なのかはどうかはさて置きw

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どれもよくできてます。安定感があって、おそらくは外れが少ないパン屋だと思います。そして、なんだか妙に安いw ミニバゲットは108円、ハイジの白パンは162円、カレーパンは151円ですが、作って時間が経ったものなら100円で売られていました。

これだけの種類を、この安定感のあるクオリティで、しかもこの値段で揃えられるというのはすごい。

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HOROKUDO(宝録堂)正面の目黒区シルバー人材センターのモニュメント

HOROKUDO(宝録堂)の前をしょっちゅう通ります。いつも、お買いもの途中と思しきおばあちゃんと店主が店頭で話し込んでいます。店内のカフェスペースではご婦人方がお店の女性を交え談笑。

よく考えてみれば、この界隈(平和通り)に喫茶店はありません。HOROKUDO(宝録堂)は憩いの場であり、同店のパンもまた憩いになってるんでしょうね。

宝録堂とサンエトワール

ベーカリーのフランチャイズというのがよくありまして、リトルマーメイドも一本堂もFC展開をしています。学芸大学の一本堂 目黒学芸大店もフランチャイズです。

山崎製パンのブランドにサンエトワールというベーカリーがあります。全国に何十店舗とあるのですが、こちらもFCおよびその類型として経営されています。フランチャイジーは個人の場合もありますし法人の場合もあるようです。

あくまでも一般論ですが、こうしたベーカリーは本部から生地や具材を送ってもらい、自店舗でパンを形成して焼くというのがオーソドックスなスタイルのようです。

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画像転載元/googleストリートビュー

さて、HOROKUDO(宝録堂)は直近までサンエトワールでした。2015年~2016年初頭にかけてリニューアルして現店舗名に。そういえばその頃、確かに改装工事してたなぁ。

ただ、HOROKUDO(宝録堂)がそもそもサンエトワールとして始まったのかどうかはわかりません。創業時は○○だった→いつの頃かサンエトワールに→2015、2016年にHOROKUDO(宝録堂)、という流れかも? もしかしたら、もともとは宝録堂だったのかもしれませんね。

ちなみに、HOROKUDO(宝録堂)の店主に聞いたところ、昭和23年(?)創業とおっしゃっていました(正確には失念。昭和24年と言っていたような気も。いずれにせよ戦前からと)。山崎製パンの前身、山崎製パン所が創業したのも昭和23年。偶然の一致か、不審な客に対して、便宜的な説明として昭和23年とおっしゃったのかw

とにかく、数年前にサンエトワールの看板を下ろし、HOROKUDO(宝録堂)となったわけですが、販売しているパンはおそらくそう変わっていません。現在でもサンエトワールのパンを売っています。HOROKUDO(宝録堂)で売られている塩バターパン、ホイップクリームが入っているあんぱんはサンエトワールの名物商品でもあります。

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調べてみますと、2015年頃から個人経営のサンエトワールはどんどんなくなり、店名を変えて新たなパン屋としてリニューアルしているケースがたくさん見受けられました。山崎製パン側の戦略みたいなものが変わったのかもしれませんね。法人運営の店舗や駅近の店舗(両者はニアリーイコールでもあるんだろうけど)はサンエトワールというブランド力が活きる。ただ、街中の小さな個人経営店はもはやブランド名では客は来てくれない。逆に敬遠される。だからサンエトワールの看板は外す、と。

ですが、看板は外しても契約は続いているように見えます。すべてかどうかはわかりませんが、サンエトワール時代とパンは同じで、店内ポップなどの販促物もサンエトワール(あるいは山崎製パン)から入手しているのでしょう。あくまでも想像ですが。

HOROKUDO(宝録堂)のパンと街

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こう見てくると、HOROKUDO(宝録堂)のパンについても、なんとなくわかってくるような気がします。

好みの問題もあるのですが、個人経営のパン屋は"あたり・はずれ"があります。

「これはおいしいけど、これはイマイチ」

「こうだろうと思って買ったのに、ここのはこうだったかぁ」

などなど。それが店の個性で個人店の面白いところでもあるのですが。

一方、HOROKUDO(宝録堂)のパンはどれも安定しています。おそらく誰が何を食べても納得できる味になっているはず。なぜなら、基本はサンエトワール=山崎製パンだから。そりゃよくできてるに決まってる。

悪く言えば個性がない。面白みがない。けど、毎日食べるようなものだったら、それがいいのかもしれません。いろいろなパンがあって、はずれがなくて、そして安い。生活に密着した、毎日でも食べられるパン。これはこれですごいことでして。

と同時に、こういうパンが求められる街、いい意味で"昔ながらの"が生き残れる街なんだろうなぁとも感じます。二葉フードセンターなんていうものがあるくらいですしねw

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