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山六ひもの店 学芸大学店の干物はいい塩梅。ジューシーな干物にはうまみと名人の技が詰まっていました。毎月6日は干物全品6%オフの山六デー

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学芸大学駅から徒歩30秒。西口を出てすぐ右を見やると、山六ひもの店 学芸大学店という干物屋があります。

※2022年12月30日に閉店しました

山六ひもの店 総本店は静岡県伊東市の海岸沿いにあります。1949年(昭和24年)創業。学芸大学店のほかに宇佐美店(伊東市)、熱海店(熱海市)もあります。

学芸大学店がどのような歴史を辿ってきたかはちょっとよくわかりません。1990年代には高架下、当時の東急ショッピング コリドール 名店街にあったそうです。ただ、2008年頃(?)にはバス通り沿いに山六ひもの店 東京店(東京鷹番店)もオープンしています。コリドールのリニューアルに際して一時移転していたのでしょうかね。なんでしょう。

2012年4月、学芸大学駅高架下が学大市場となり、山六ひもの店 東京学大駅中店がオープン(2018年9月頃に学芸大学店と名称が変更)。学大市場の全面リニューアルに伴い、2020年3月24日、現在地へと移転しました。

以下は学大市場時代の内容です。現時点との差は、焼き物がなくなったということと、種類が少し減ったということです。この点をお知り置きのうえ、以下をどうぞ。

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さて。

ある日、たまたま前を通りますと……。

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ほお。大売出しとな。

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晩秋の大感謝祭と銘打たれています。あじの丸干し詰め放題が250円。500円の尾赤むろあじが200円。へー、こりゃすごい。めっちゃお得じゃん。のぞいてみることにしました。

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店内はこんな感じ。写真を撮ってると、それはそれは訝しげな視線がこちらに。すみません(^^;

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塩辛や酒盗、佃煮、せんべいといろいろあります。

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もちろん、干物もいっぱい。

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あれ? 表には「尾赤むろあじ 500円→200円」と書かれていたのに、店内では150円になってるぞ。まじか。すご。

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あじの丸干もいいかなと思ったのですが、

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金目鯛、ほうぼうがうまそう。あじはよく食べるしね。こっちにしてみよう。

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レジで前に並んでたお母さんはビニール袋いっぱいにアジを詰めていました。見えますかね。左の店員さんが手にしてるの。15尾は入ってるかな。こういうのも楽しいねw

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毎月6日は山六デー。ひもの商品がすべて6%オフだそう。これに限らず、ちょくちょくとセール的イベントをやってるような印象がありますね。

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というわけで、買ってきた尾赤むろあじ(150円)、金目鯛(200円)、ほうぼう(150円)。価格はすべてセール価格です。公式サイトの説明では冷蔵で4日、冷凍で1週間~10日ほどもつそう。

まずは巨大な尾赤むろあじ。店内のPOPにはこう書かれていました。

正式名称:オアカムロ

名前の通り「赤い尾」が特徴的。そして、クセのないサバとも言われる魚。まあじと比べると脂は少ないですが、干すことによって水分が飛び身離れが良くなり旨味が増します!「むろあじ」に比べ身質は柔らかめ。

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巨大過ぎるので、そのままでは魚焼きグリルには入りません。もしグリルで焼くなら、半身をさらに半分にしなきゃダメかも。

拙宅は魚焼きグリルはあるのですが、使わないことにしてます。魚を焼くのはもっぱらフライパン。フライパンでぜんぜん焼けます。けど、フライパンでもギリギリw

中火でフタをして焼きます。本来はこれだけでもいいですし、あるいは一度、引っくり返してもいいのですが……。

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私はこれを使います。カセットコンロ用のガスボンベに装着して使うIwataniのガスバーナー。これが便利でして。グラタンを作る時なんかも重宝です。そもそもはバーベキュー用に買ったものなんですけどね。

これで身を炙ると、香ばしくなっていい感じ。

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うーん、いい。いつもの通り、見栄えをまったく気にしない写真もいい!と思って!w

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ジュワッと脂が浮き出てます。

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断面。身が厚い!

箸でホロっと身がほぐれます。めっちゃうまい! 超うまい。脂が乗ってて、うまみがギュッと濃縮される感じ。身はしっとりジューシー。そしてなにより、この塩梅。もちろんしょっぱくないです。けど、醤油は必要ない。このままで十分おいしい塩加減。絶妙。

味はPOPにあった通りです。確かに鯖っぽい。けど、アジのニュアンスもある。鯖とアジのいいとこ取りといった感じ。うまいなぁ。ほんとうまい。これが150円ってwww

次は金目鯛とホウボウ。

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ホウボウは君の魚=キミウオと呼ばれていました。江戸時代、お殿様など上流階級の人しか口にできない魚だったからキミウオ。

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上品ではあるのですが、引き締まっていて、身はプリップリ。大根おろしでも添えりゃ、少しは見栄えがよくなる? 知るかぁ!w

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小ぶりな金目鯛は淡泊ながらもジューシーでうまみがしっかりあります。

上の写真にチラッと写っていますが、酒はワンカップ大関にしました。これが大正解。ワンカップ大関はちゃんとした本醸造。甘めではあるのですが、たるくない。これがさっぱり系の白身の干物によく合うんです。合わせることで酒も干物も一段とうまくなる。

尾赤むろあじだったら、もっとキレる辛口だろうな。あるいはボルドーでもいいかもしれない。ああ、干物と赤ワインってのをやればよかったなぁ。身をほぐしてサラダにまぶしてもうまいだろうなぁ。当然、パスタにもできるだろうし……。

山六ひもの店の干物はめっちゃうまかったです。そして、干物って楽しいものだとも気づかせてくれました。

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今回は特別セールでした。ですから、購入意欲が増したということは否めません。けど、実際に食べてみた感想に関してはバイアスはかかってません。150円で購入した尾赤むろあじですが、仮に500円だったとしても感想は変わらないでしょう。本当においしかったです。機会がありましたら、ぜひ。

SHOP DATA

山六ひもの店を支える名人技

山六ひもの店の社長は現在、三代目の中嶋三恵さん。おそらく三代目からでしょうか。メディアに取り上げられる機会も多いようです。これまで「はなまるマーケット」「いい旅夢気分」「ヒルナンデス」「モーニングバード!」「情報7days ニュースキャスター」「櫻井有吉アブナイ夜会」などで紹介されたのだとか。

特に注目されているのが、ひもの開き名人・坂下幸子さん。「全国ひもの開き日本一大会」で何度も優勝(第一回、第二回の優勝含む)しているという職人さんです。同社の敬意の表れなのでしょう、「坂下名人セット」という商品まであります(金目鯛・とろあじ・とろさば塩干・とろさば味醂干)。

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1日に4~5回研ぐので、半年でこんなに小さくなってしまいます。(※1日に開く魚はおよそ500尾)

「干物は塩漬けにし、干すことでおいしくなる。人生もおなじ。ちょっとしょっぱい思いや辛い思いをしたほうが、いい味が出る」(坂下さん)

転載元/山六ひもの店公式サイト:坂下名人セット

もともとは保存性を高めるために干物は発明され、作られてきました。けど、いつからか気づきます。

「干物のほうがうまいんじゃね?」

そして今では、干物にすると旨みが増すということは科学的にもわかっています。

参考サイト/wikipedia:干物

比較的最近では、浦水産(富山県魚津市)の「ほたるいか素干」に衝撃を受けました。そして今回、「山六ひもの店」の干物にも驚愕しました。旨みと職人の技が詰まった干物ですもんね。そりゃうまいさ。間違いない。

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