MEAT JOURNEY 2018

油かすの作り方~油かすって何?どう作るの?油かすの基礎知識と、家庭での油かすの自作方法、油かすを使った料理レシピ

油かすって何?

日本全国に”油かす”と呼ばれる食品があります。ただ、これが何を指すかは地方によって異なるようです。

本来は食肉の脂身や内臓などを鍋の中で加熱し、油脂を取り出した後の副産物である。しかし、現在加工食品として販売されている物はこれとは違い、牛の小腸や豚の胃、鶏の皮などを低温の油で揚げて水分を飛ばした物が一般的である。

wikipedia:油かす(食品)

特に有名なのは、大阪など関西でよく食べられている「油かす」、広島の「せんじがら」。前者は牛の腸、後者は豚のガツを油で揚げたものです。

今回作るのは前者、この記事での「油かす」は牛の腸を揚げたものを指します。

牛の腸は何?

牛の場合、食用とされる腸は小腸、大腸、直腸。焼肉においては小腸はコプチャン・マルチョウ・シロ・コテッチャン、大腸はシマチョウ、直腸はテッポウとも呼ばれます。ちなみに、コプチャンとマルチョウの呼び方の差は開き方の差です。コプチャンはそのまま開いています。マルチョウは輪切りにして裏表を引っくり返し、脂を内側にしたものです。

今回用いるのは牛の小腸。最初にイメージを。

これは市販されている油かすです。油かすで有名な大阪府羽曳野市で作られたもの。これを作っていきます。

油かすを実際に作ってみよう!

材料

  • 牛の小腸
  • 揚げ油

揚げ油はなんでもいいのですが、私は普通のサラダ油を使いました。

今回は冷凍・輸入物の小腸を使います。肉のハナマサで購入しました。78円/100g。激安。

近くにモツ・ホルモンを売っている店がないという場合は通販でどうぞ。鍋用のもつで大丈夫だと思います。

「浜や」国産牛もつ(小腸)160g 単品(2〜3人前)

油かすの作り方

1.解凍

冷凍された小腸の塊を沸騰したお湯で解凍します。もちろん、生であればこの工程は不要です。

解凍するとこんな感じ。

なお、皮っぽい部分が内側、腸壁です。脂は腸の周りについている脂。両者の膨張率に差があるため、脂が内側になっているかのようにクルッと丸まっているのだと思います。また、腸を開いて洗浄してるため、このような形状になっているのでしょう。

2.揚げる

油で牛の小腸を揚げます。

家庭で揚げる場合は、これくらいの油で2、3個ずつ揚げるといいんじゃないでしょうか。油を大量に使うのは大変だし、もったいないですからね。

温度は適当w ただ、高温すぎると、小腸がパン!と破裂して油が飛び散るかもしれません。実際、そうなりましたw 低すぎても時間がかかりますし、中温で。

時折、引っくり返しつつ、じっくり揚げていきます。水分が飛び切ると、キツネ色になってきます。そして、香ばしい香りがしてきます。こうなったら完成です。

ちなみに、今回は大きな塊を油かすにしていますが、こまぎれになった小腸を揚げても構わないと思います。その方が早く揚がるでしょうね。

3.冷凍保存


油かすは利用する分だけ切り分けます。包丁で切れます。残りは冷凍保存。冷凍といっても、水分がそれほどありませんから、カチコチに凍るわけではありません。これを使う際に解凍は不要です。すぐに使えます。包丁でもザクザク切れます。

油かすを使った調理例

油かす焼きそば

焼きそばに、細かく砕いた油かすを混ぜ炒めます。特に戻したりする必要はありません。もちろん、お湯でふやかして柔らかくしてもいいのですが。これはお好みでどうぞ。


ポリっとした食感、凝縮されたホルモンのうまみ、香ばしさ。たまりません。塩焼きそばとソース焼きそばを作ってみたのですが、塩のほうが油かすのうまみがよくわかります。

かすうどん

大阪で見かけるかすうどん。適当な大きさにカットした油かすをお湯で煮て柔らかくします。15分ほどで柔らかくなるはずです。ここにカツオダシ、塩、醤油などお好みの調味料を加え、うどんのツユにします。

できれば麺つゆを使わないで下さい。麺つゆを使うと、一発で”ザ・麺つゆ”という味になってしまいます。甘過ぎるんですよね。せっかくいいダシが出る油かす。麺つゆを使うのはもったいない。

油かすのダシが出たツユは甘みがあり、香ばしさがあります。うまっ。

関連記事:かすうどんの作り方~羽曳野の油かすでかすうどんを作ってみた

その他の調理アイデア

今回はやりませんでしたが、以前、お好み焼きに入れたことがあります。おいしいのですが、ソース・マヨネーズの味が強いので、油かすのよさが十分に発揮されなかったという記憶があります。

さっぱり系の野菜炒め、味噌汁なんかにも合うかもしれませんね。

もつを油かすにするメリット

牛の小腸に限らず、もつを油かすにするメリットは何でしょう。今回、自作してみていろいろと見えて来ました。

油かすの第一の存在意義は保存です。生のままだと長くは保存できません。油かすにすることによって、長期間、保存することができます。

味に関しては、香ばしさが出て、コクが出ます。余分な脂が減るというのもメリットでしょう。また、クサみが飛んだようにも感じました。

生のもつは油かすにする必要なし!w

前言をすべて覆すようですが、生のもつを手に入れたのなら、油かすにする必要はないと思いますw そのまま食べた方がいい。もったいない。生で手に入れられたということは、鮮度もいいはずですしね。

また、油かすを揚げると部屋が超絶もつ臭くなります。台所周りは脂でギトギト。ここまでして油かすを自作することに、果たしてどれだけの意味が……w 労の割に得られるメリットが少ないというのが正直なところ。生であろうと冷凍であろうと、軽い気持ちで油かすを自作しないほうがいいです。基本的には通販で買うのが正解でしょう。「油かすの作り方」の記事の締めが「油かすは作るな!」という、どんなw

もつの質があまりよくない(冷凍物だったり、輸入物だったり、鮮度がよくなかったり)、経験として油かすを一度作ってみたい、そんな方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。私は後学のため、油かすを自作してみてよかったなぁと思ってますがw おいしいことは確かです。

油かす1kg 株式会社プラデス・マルトミ(大阪府羽曳野市)

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